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11.22 vs熊本2|魔法使いの薫陶

久しぶりのホーム勝利を飾った西宮。しかし、上位との差を縮めるためには連勝が必要なところ。とはいえ相手は石川海斗率いる熊本。いい流れが訪れつつあるとはいえ、そんな簡単な話ではないことはみんな知っています。

思い出されるのは同じくホーム戦だった福島とのGAME2。外国籍選手3人が合流した第1戦を取ったものの、次の試合ではきっちりアジャストされて敗れています。果たして連係は本物か。この試合のポイントです。

【前半】
スタートダッシュは西宮。前の試合で熊本を苦しめたディフェンスがこの日も最初からよく、ショットクロックバイオレーションなどのターンオーバーを次々に引き出し、それをきちんと得点に繋げて10-2のラン。接戦の次の試合はえてしてこういう展開に…と思ったのも束の間、熊本のタイムアウトが明けると今度は西宮がターンオーバーやシュートミスを連発。0-8のランを喰らい、1Q半分終わって10-10の同点。なんだこの試合は。すんなりいけないのがストークスらしい。って、安心してる場合じゃない。

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しかし、ここから先に立ち直ったのは西宮。どんどんその支配力を増しつつあるルオフ選手が入ると、ボールがよく動くようになります。熊本はGAME1でフル出場だった石川選手がさすがにこの試合では早めの休憩。ディフェンスでもちょっと変わったことをやっているのですが、これがあんまり機能しない。ゾーンのようなマンツーのような、オフェンスに合わせてゾーンの陣形を変えるディフェンスだと思うのですが、簡単に裏を取られてしまう。熊本はこれをやるなら、ハリスとラベネルの機動力だとしんどいかな。ルオフ選手を中心に、ウィークサイドにボールを素早く通すパスワークからスリーを次々と沈め、西宮が見る見るうちにリードを広げていきました。

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ただ、ルオフ選手が交代すると途端に得点がストップしてしまった西宮。代わりにタクトを振るうのは道原選手ですが、ルオフほどの支配力はまだない。スコアラーとしては西宮で1番ですが、ハンドラーあるいはゲームメイカーとしてはまだグッドプレイヤーの域を出ない。熊本の売り出し中の佐々木選手が思い切りいいプレーを見せて差は少し縮まります。オフィシャルタイムアウトが明けると、やっぱりルオフさんがまた戻ってきました。

すると再び完璧なゲームコントロールを見せて点差は2桁に。これはルオフ選手が合って来たというより、周りがルオフのレベルに合わせられるようにステップアップしているということ。視野の広さとパススキルが、他の選手のスペーシングやポジショニングに影響を与えている。ここにいればパスが来るという確信が選手の脚を動かすのです。前半は西宮の13点リードで終了。華麗なパスワークだけでなく、熊本の泣き所でもあるインサイドのミスマッチを上手く突いたところも見事でした。

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余談ですが、フィッシャーHCは道原・ルオフの2人をハンドラーとして「魔法使い枠」で交互に出場させる考えのようです。道原選手に才能に気づき、さらなる高みを目指すためにルオフの背中を追うよう示唆しているのかもしれません。ベテランの域に差しかかりつつある道原選手が、より長く現役生活を続けるためには、ルオフ選手のような周りを活かすプレースタイルは有効でしょう。言い換えれば「ここで満足してるんじゃないぞ」ってこと。その薫陶を受けて、道原選手はどう進化するのでしょうか。

【後半】
一気に試合を決めようということなのか、西宮はルオフ選手をスタートに。というか、渡邉・今野・福田と、新加入ラインアップじゃないか。早速、オフェンスリバウンドからルオフがスリーを決めて、突き離しにかかります。西宮にとって追い風になったのはオフェンスリバウンドを取れることで、セカンドチャンスからかなり得点していました。

熊本はドブラスを除けば、外国籍選手はハリスとラベネルで、高さに欠けるし、ディフェンシブな選手でもない。だったらもう少しファイ・サンバ使ったらいいと思うんだけどな。ハリスとラベネルを並べる時間帯が結構あるのもよくわからない。プレースタイルが似ているから、ボールシェアが上手くいっていない気がするのだけど、チームにとってプラスなんだろうか。2人でシュートを打つわけじゃないから、なんかもったいない気がしてしまう。石川選手がいない時間帯にハリスがPGをやるのはわかるんだけど。その石川選手はやっぱり大人しく見えるし。

残り5分を過ぎて21点差。試合としてはこのあたりで既に決した感がありました、ストークスが大量リードを守ってあっさり勝つなんて。

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【試合のターニングポイント】
3Q 9:36|アレクサンダー・ルオフ選手のスリーポイント

この日2本目のスリーを後半開始早々に決めたルオフ選手。このQだけで10得点し、試合の行方を決め、強敵熊本に2連勝することができました。前半で付いた差を広げられるか、それとも早い時間に追い上げられるかで、展開はまったく違うものになります。その意味では、この得点により西宮の「今日はいける」ムードがぐぐっと高まったように感じます。

3Qには西宮のオフェンスリバウンドが7本もあったのですが、熊本には疲労もあったのでしょう。GAME1ではさらに顕著でしたが、選手の出場時間の偏りがちょっと心配。




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