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12.6|愛媛@奈良|主役の2人

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西地区中位〜下位チームの対戦ですが、見どころは多そうです。奈良はごっそりメンバーが入れ替わったものの、仙台から勝利を上げるなどアップセットも度々の好チーム。一方の愛媛は序盤こそ連敗を重ねましたが、外国籍選手が揃ってからはチーム状態を上げてきています。ちなみにGAME1は観ていません(結果も知らない)。

どちらも西宮との対戦でしかちゃんと観たことがないのですが、実は奈良ってどんなチームかよくわからないところがある。西宮からは2勝しているのですが、敵失を逃さず捉えたみたいなところもある。試合巧者であることには違いないんだけどね。愛媛は愛媛で外国籍選手の合流が大幅に遅れたことや、ユージーン・フェルプスの怪我などもあったりで、ライアン・ステファンにペリー・エリスといった実力派が並ぶものの、まだまだ本領とは言い難い。どちらが自分たちのやりたいバスケットができるのか楽しみです。

お互いにポストプレーからのトラベリングを交換し合うという始まりには笑ってしまいましたが、ペースを掴んだのは奈良の方。スペーシングとオフボールムーブでパッシングゲームをつくり出し、無理のないところで個人の判断でシュートを打つ感じ。薦田選手のシュートタッチがいいね。

対する愛媛はフェルプスやエリスといった万能型プレーヤーがいるのに全然シュートを打ってなくて、なんだかもったいない。お互いに「全員バスケ」を志向しているのかもしれないけれど、タレントでは勝るように思える愛媛がそれをするのはちょっと違う気もする。フェルプスとエリスのPNRとか観たいぞ。で、タイムアウト明けからエリスをはじめ外国籍選手中心の攻めにしたらあっさり追い付く愛媛。うん、こうなるよね。

1Q後半から2Qにかけては、両チームともシュートがよく入り、テンポのいいオフェンスが続くスコアリングゲームに。愛媛は出ずっぱりのエリスが下がったところで俊野弟が牽引。奈良も早い時間帯からポンポンとシュートを打ちながら、時折オマラちゃんのポストプレーをアクセントに。狙い所の絞れないオフェンスがいい感じ。

抜きつ抜かれつの展開でハイスコアになりそうだなと思っていたら、途端にどちらもトラベリングを連発したり、ターンオーバーやエアボールが目立ち始めるというよくわからない試合展開。それを引き締めたのはやっぱりペリー・エリスで、落ち着いたパス捌きと安定したシュートで愛媛を再びリードへ導きます。奈良のシュートタッチが冷えてきたのとエリス無双の時間帯がぴったりと重なってしまい、愛媛9点リードで後半。この選手、ほんとに上手いですね。奇をてらったプレーはないけれど、選択もスキルも正確そのもの。奈良はちょっと自由にやらせ過ぎ。でも、流れ次第でどうとでもなりそうな試合。

後半は立ち上がりで奈良がちょっと点差を詰めます。引っ張ったのは大塚・長谷川のガード陣。思い切りのいいドライブが光りました。ただ、ディフェンスが微妙。相手に合わせて2-3のような3-2のような変則的なゾーンを敷いたのですが、ディフェンダーの位置がやけに動く分、空くところも多くて、ペイントへのダイブに弱く、コーナーもガラ空き。映像で観ててもわかるくらいだからなあ。そこを愛媛にきっちり決められて、点差がまた離れていきます。

奈良はタイムアウト後、ゾーンのシステムを微修正。たぶん、選手の動くエリアを狭めて、オーソドックスなゾーンにしたんだと思う。これに愛媛が戸惑い、ターンオーバーが重なり、またまた奈良が追い上げ始めます。忙しい試合だ。それを指揮しているのは大塚選手。愛媛のシュートが落ちれば、ビッグマンを走らせて、そこにピンポイントでパスを送ってファウルドローンで稼ぐ。奈良はこうやってしぶとく戦うのが上手い。これについては、自分たちが戦力的に不利であることを認めた上で成り立つものであると思うんだけど、どうでしょうか。愛媛がわずかにリードして4Qへ。

奈良は大塚、愛媛はエリスと、チームの核がベンチにいる状態で始まった最終Q。先に戻ってきたのは奈良の方。3Qからのいい流れを継続して逆転します。愛媛は相変わらずゾーンを攻めあぐねていて、なんでだろう。エリスがいないと途端にボールが回らなくなる。わざわざ狭いところにパスを通そうとしてはターンオーバーになっているのは、出し手と受け手の意思疎通の問題なのかな。

エリスが戻ってきたのは残り6分過ぎ。するとやっぱり愛媛がまた逆転。その後はやっぱりこの二人を中心にして、まさに一進一退の攻防が繰り広げられます。残り1分ちょっとで同点。エリスと大塚が譲らずにシュートを決め合うシーンは熱かった。大塚はゲームをコントロールするのが実に巧みで、接戦になればなるほどその存在感が増す。だからこういうチームには隙を見せちゃいけない。エリスは一歩引きながらも抜群のタイミングで顔を出してボールをもらい、1回1回のプレーの判断とそこで繰り出すスキルの精度が高い。そんなにボールを欲しがるタイプじゃないのがまた手強くて、最初からボールを持って仕掛けてくる方がまだ守りやすい気がする。

だけど、愛媛のタイムアウト明けにはエリスがいない。疲労を考慮したのか、奈良がオマラを残していたからサイズを考慮したのか。ただ、それでアウトオブバウンズから5秒バイオレーションしてたら世話ないよ。奈良のタイムアウトが明けたらまたコートに出てきたけど、プレーが始まる前に交代。何だったんだ。

奈良の勝負のオフェンスは、Hornsからのハイローを試みるも愛媛に読まれて2ndオプション発動(たぶんね)で長谷川選手のドライブ。するとエリスに代わったフェルプスがブロック一閃。失礼しました。オフェンスではそのフェルプスに偶然かのようにゴール下でボールがこぼれてくる不思議。最後の俊野選手のあれって、狙ったパスじゃないよね? 大塚選手も決められそうなクラッチショットを落としてゲームセット。悔しいだろうな。最後の最後の奈良のゴール下シュートミス祭りは何かに見入られたようだった。意地と意地のぶつかり合いで、ということにしておきましょう。






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