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12.26|佐賀@仙台|西の首位は自由

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AWAY|佐賀バルーナーズ

B2昇格初年度から西地区において堂々と首位を走る佐賀バルーナーズ。西地区を混戦に導いている立役者でもありますが、その実力のほどを測るべく、東地区の強豪との試合は前々から楽しみにしていました。

前節はホームで西宮に連敗を喫するなど、一時の勢いは見られない佐賀ですが、それはやはりガルシアの欠場のせいだったのだなと、試合開始早々思い知らされることとなります。密集をものともせず、強気なドリブルで相手のディフェンスを揺さぶり、一人でシュートチャンスを作り出せる心強い存在。一家に一台ほしいね。面白いのが頻繁にポストアップをすることで、ハーフコートでボールを預けると一直線にゴール下へ向かっていたりする。そこでボールをもらってバックダウンしたり、キックアウトしたり。まるでセンターだ。この日はスタメンに相馬選手ではなく西選手を加えていたのでハンドラー問題も解決。

一方でセンターのケニー・ローソンが外に開いてエントリーパスを送ったり、スリーを打ったり。ポイント(ガードのはずなのに)センターとポイント(ガードみたいな)センター。中と外が逆転した柔軟な発想のバスケットボール。でも、ガードとセンターが入れ替わったっていい!(ぺこぱ)

ただ、そんな佐賀のゲームプランというか違いを生み出したいポイントはあっさり取り下げざるを得なくなります。ケニー・ローソンが1Qにファウル2つでベンチへ下がると、佐賀にとっては我慢の時間帯に。1Qはなんとか持ちこたえていたものの、2Qに入ると仙台がランゲームを展開し、寒竹選手のスリーも当たり始めて一気にリードを広げます。仙台はエース的な活躍を見せていた笹倉選手の不在を全員のボールシェアの意識によってカバーし、中外バランスのいいアタックを見せます。相変わらず献身的なミラーとジェイコブセン。16点までリードが広がったところで、正直、勝負あったかなと思ったほどでした。

ただ、実はこの時間帯はガルシアが出ていなかったんだよね。佐賀は特別指定選手の川真田選手を早速起用したりして、オンザコート1で戦う時間が長かった。その一人であるマタは、ディープスリーは脅威ではあるものの、自分でクリエイトできる選手ではなく、ギャップのある状態でボールをもらわないと良さが発揮できない。インサイドで頑張るタイプでもないしね。それで仙台にリードを許したわけですが、ガルシアが再び登場するといきなりスティールからの速攻をねじ込み、ここから佐賀がファイトバック。マタのお得意のスリーも炸裂し、細川・渋田・西のウィング陣のシュートも決まる。それはガルシアがいることでスペースが自然と生まれ、そのギャップを突いてシュートなりドライブなりができるから。グラビティってやつだ。やっぱりガルシアが佐賀のエンジン。

3Qはようやくローソンが出てきた佐賀。ダブル・ポイントセンターシステムに拍車がかかります。ボール運びが終わったらポストアップするガルシア。スクリーンからポップしてパスをもらったローソンがそこにエントリーパスを通したかと思えば、サイドへ振ってスリーをアシスト。いいな、自由だ。ガルシアは腕が長いのでスティールも上手いし分厚い身体を活かしてリバウンドにも絡む。佐賀の選手は全体的にリバウンドへの意識が高いね。シュートを外したらほぼセカンドチャンスのない仙台。

仙台はそんなシステムに戸惑っているところもあってだんだんと佐賀のペースに。仙台のペネトレイトに対して佐賀はしきりに手を出して、ボールを引っ掛けてスティールを奪います。終盤にガルシアがベンチへ下がると、佐賀の外国籍はローソンとマタの組み合わせになって、これが微妙。マタが消えてしまうんだな。それでも渋田選手が一人でオフェンスを仕切って、仙台に流れを渡しません。PGに好きなようにやらせるのが基本の佐賀。ルブライアン・ナッシュのフリースローミスも響いて、仙台の5点ビハインドで4Qへ。

終盤はかなり両チームともドタバタしましたが、結局、そのままセンター・ガルシアシステムで佐賀が押し切って敵地で貴重な勝利。西地区首位の貫禄を見せつけた格好となりました。佐賀の欠点としてはアグレッシブなハンドチェックの代償としてファウルが嵩むことなのですが、それで得たボーナススローを仙台が決めきれなかったことも敗因でしょう。基本的にスリーが安定して入るチームじゃないしね。いずれにしても、GAME2の仙台を含め、今後、佐賀と対戦するチームはセンター・ガルシアへの対応が必要になるでしょう。




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