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B2|2021-2022シーズン展望#2|ファイティングイーグルス名古屋

シーズンオフの動きから2021-2022シーズンを展望するシリーズ。第2弾はファイティングイーグルス名古屋です。オフに突入するやいなや、まさかの大量リスト公示でザワつかせたFE名古屋。強いんだけどどこか地味いや真面目で堅実なチームづくりから一転、てっぺん取ったると言わんばかりの動きを見せてきました。

■2020-2021シーズン

レギュラーシーズンは36勝22敗で西地区2位。新加入のブラッドリー・ウォールドー選手がシーズン途中でチームを去るというアクシンデントがありながら、大きな連敗もなく勝ち星を積み重ねられたのはさすがです。ただ、2連戦の2試合目にめっぽう弱かったり、平日開催が苦手だったりと、どことなく覇気のない試合もちらほら。外国籍選手はアンドリュー・フィッツジェラルドにジェロウム・ティルマンら実力者を加え(途中からはベンジャミン・ローソンも)、オフェンシブなラインアップにしたものの、ディフェンスでの運動量やパワー不足の方が目立ってしまっていました。

プレーオフはホーム開催。しかし、1回戦で死闘の末に越谷アルファーズに敗れました。3試合とも本当に素晴らしかったのですが、ここが限界というか優勝を目指すにはそもそも頭打ち感があったのも事実。資金力はあるもののB1へ昇格する気があるのかないのかよくわからなくて、それがそのまま編成や結果に反映されてしまった、というのは結果論だけどね。それだけにオフの動きが注目されるチームではありました。

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■オフの動き

新B1に向けて各チームが準備を始める中、FE先輩もそろそろ態度をはっきりさせないといけない時期にさしかかっていました。ねえ、私たち付き合ってもう5年よ?

【IN】
アンドリュー・ランダル  エヴァンス ルーク  
石川海斗  野崎零也  相馬卓弥  笹山貴哉  
ジェレミー・ジョーンズ  ブライアン・クウェリ  
■継続
宮崎恭行  林瑛司  会田太郎  鹿野洵生

【OUT】
アンドリュー・フィッツジェラルド  ジェロウム・ティルマン
杉本慶  横江豊  松山駿  ベンジャミン・ローソン
ソウ・シェリフ  飛田浩明  ジャワラ・ジョゼフ
※シーズン途中の退団、特別指定選手は含まず

やってくれました。B2を牽引してきた古豪がついに見せた劇的大改造。なんということでしょう、あんなに煮え切らなかったFE先輩がはっきりと昇格へ舵を切ったのです(cv加藤みどり)。とはいえFE家の場合、昨シーズンも決して「傘をさしてトイレに行く」とか「10畳に20人が過ごす」とか、そこまで酷い状況ではなかった。むしろ成績的には匠を呼ぶ必要なんてなかったんだ。増子が来たら面白かったのに。

個人的には松山やシェリフらを出す必要があったのか、エースの杉本をキープしても良かったんじゃないかとは思います。これだけの選手を連れて来られるんだから、チームの土台から崩す必要はなかろうに。こりゃリードくんもうかうかしてられないな。

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ただ、オールスターのような新加入選手の顔ぶれを見れば、これからピークを迎えようとする若手選手たちの出場時間が限られてしまうのは確実で、その点で選手とチームの思惑が一致しなかった可能性はあるでしょう。早いリスト入りはチームの「親心」であったのかもしれません。あるいは、得点王にアシスト王に3P王など「折り紙つき」の選手が多いことから考えれば、確実性を求めたとも言えます。若手の成長や伸びしろは、悪く言えば空手形でありギャンブル。昇格を目指すには明確なロジックとストラテジーが必要なんだ。物流と同じ。うん、豊田通商ぽいな。

■今シーズンのロスター

PG|石川海斗  笹山貴哉  宮崎恭行  
SG|相馬卓弥  野崎零也  
SF|アンドリュー・ランダル  ジェレミー・ジョーンズ  
   林瑛司  鹿野洵生
PF|会田太郎  エヴァンス ルーク
C|ブライアン・クウェリ

※順不同、ポジションは公式を参考にしています

ともあれ、ここにB2史上最強と呼んでもいいロスターが完成しました。ガード陣は申し分なし。石川&笹山のPGコンビを展開に応じて使い分けられるなんて贅沢な悩みだ。齋藤拓実の台頭でプレータイムの減っていた笹山を引っ張ってくる抜け目のなさも素晴らしい。年齢層高めだけど、だからこそ自分を出す場面と引く場面を弁えられる顔ぶれだと思う。

特徴的だと思うのはウィングの層が厚いこと。若くエネルギッシュなジェレミー・ジョーンズに加えて、アンドリュー・ランダルもSFの登録。コートを広く使って外からガンガン仕掛け、コーナーにはシューターがスタンバイ。現代的なスモールボールが見られそう。クウェリとルークはスクリーンとリバウンドをよろしくお願いします。

すでに多くの人がインサイドの弱点を指摘していますが、そこはあまり気にならない。そんな誰でもわかるポイントに対策をしていないはずがない。むしろ気がかりなのはベンチメンバーの層の薄さで、13人目を取るんじゃないかと思ってたんだけどな。昨季も出場機会の少なかった宮崎・林・会田がどれだけ繋げるかでチーム力がかなり変わりそう。

■鍵を握る選手
エヴァンス ルーク

帰化選手枠でフル稼動しそう。オフェンスではスクリーンにリバウンド、時々はPNRもかな。ディフェンスではビッグマンからウィングまで守ることを求められる。とにかく攻守にわたってラインアップに応じてさまざまな役割をこなさなければいけないはず。ちゃんと観るのは初めてなので楽しみな選手の一人です。


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