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B2|2021-22シーズン展望|東地区編

新しいシーズンの展望、西地区に続いて最後は東地区編です。

大胆な補強や的確な戦力アップを図ったチームが揃い、開幕前から激戦の様相を呈しています。

■三つ巴の争い

昨シーズン、プレーオフへ進んだ越谷、まったく違うチームになったFE名古屋、ハードワークの仙台が3強でしょうか。このうち東地区をリードするのはどこになるのか?

プレシーズンゲームをいくつか観た中で、もっとも仕上がりが早そうに感じられたのはFE名古屋。笹山や石川ら実績のある選手が多いことや、外国籍選手に頼るようなシーンもなく、安定した試合を運びでシーズンを通して実力を発揮できそうです。

言い換えれば、越谷と仙台には少し時間が必要だろうということ。越谷は松山・ソウ・ハギンズといった新戦力たち戸惑いが見て取れ、期待通りの戦力アップが観られるまでにはまだ連係が足りないのかもしれません。仙台はデビン・オリバーやジェロウム・メインセらBリーグで初めてのシーズンを迎える選手たちが軒並みフィットしそうで、全員が頑張るチームカルチャーも変わらないはずですが、オフェンスの調子に波がありそう。

というわけで名古屋が一番安定感がありそうなのですが、越谷・仙台とは相性が悪そうでもある。スモールな名古屋の機動力やシュート力が上回る試合もあれば、越谷・仙台のインサイド陣に苦しむ試合もあるでしょう。なので、そこまでゲーム差が付かないのかもしれない。いわゆる三つ巴。くんずほぐれつ、いや抜きつ抜かれつシーズンは進んでいくのでしょう。

■追うチームも強力

三つ巴と書いたものの、そうとも言い切れないのが今季の東地区の面白いところ。福島や山形も虎視眈々と上位進出を伺います。東北カップではそれぞれに個性を発揮し、昨季からの上積みも十分といった感じで、上位3チームと大きな差はなさそう。東地区の混戦をさらに深めてくれるはずです。

スピードとシューティングで相手を圧倒するスタイルにさらに磨きをかけた福島ですが、ウォッシュバーンによってインサイドの強さも手に入れた印象があります。これがかなり効きそう。昨季のようにシューティングが不調で崩れる脆さがなくなりました。

山形はランダルという大黒柱を失った影響を感じさせないどころか、ボールシェアからゴールへの道筋を切り開くプレーに迫力が増していました。ケニー・ローソンやジャワッド・ウィリアムスらがストレッチする外国籍選手と田原・村上の突破力が好相性。

これら2チームには名古屋や越谷や仙台はもちろん、西地区の各チームも手を焼くでしょう。B2の2021-22シーズン全体を面白くするのがこの2チームと言えるかもしれません。

■爆発力が読めない

では、残る青森と東京Zが弱いのかと言えばそんなことはありません。東北カップで仙台を徳俵まで追い詰めた青森は、B3のガードナー改めB2のハーデンに昇進した(私の中で)マイケル・クレイグを中心にした新しい戦い方を示しました。このクレイグを誰が守るのかはチーム事情によって違うと思うのですが、外国籍選手のビッグマンが付くと中にダイブした選手にパスを通されるし、かと言って日本人選手が守るにはサイズがデカい。アドバンテージをどこまで活かせるのか注目です。

東京Zはもともと若い選手の多かったチームがさらに若くなりました。勢いとアスレチックなプレーを前面に押し出すチームになりそうで、とても楽しみです。なんだかクセいや個性の強そうな選手ばかり集まってるけど、勝負の年になるはずの久岡や高木、そして栗原にはこの中でこそ自分の実力を示してほしい。と言うか、そうでないと困るよね。

どこまでのケミストリーが生まれるのか、シーズンが始まってみないとわからない部分は多くあるのも事実です。昨季は苦しんだ両チームですが、プレーオフ進出とはいかないまでも、次のシーズンの展望が明るくなるようなシーズンにしたいところ。

■まとめ

◎=ファイティングイーグルス名古屋
○=
仙台89ERS
▲=
福島ファイヤーボンズ
?=青森ワッツ

実力伯仲ゆえにレギュラーシーズンから緊迫感のある試合になりそうな東地区。安定感を理由にFE名古屋を地区首位の本命としましたが、越谷や仙台が優勝してもまったく驚きはありません。勢いに乗るとどこまでも行きそうなのが福島で、青森はワイルドカード争い食い込んできたら面白いぞという期待を込めて。うん、東地区は予想なんてできないね。どのチームも昨季より強そうだし(投げやり)。

そう考えると、B2もレベルが上がったなという印象を新たにします。意図のわからない編成や場当たり的な補強はあまり見られず、程度の差こそあれ、どのチームもきちんと上を目指して的確なチームづくりを進めているように感じられます。これはとてもいいことだよね。

というわけで、開幕まであと少し。コロナの影響はどこまでも付きまといますが、2021-22シーズンも楽しく観戦しましょう。


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