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西宮ストークス観戦記#11 vs青森2

試合からしばらく間が空いてしまいました。寒暖差にやられて体調を崩していたためです。青森ワッツとのGAME2を振り返りたいのですが、まだ本調子ではないので、気になったポイントだけを抜き出してみます。

ご承知の通り、西宮ストークスはホームで残念な戦いぶりを見せてしまい、6連勝とはなりませんでした。十分に勝てた試合だったけどな。これには当然、青森の修正とアジャストがあったわけですが、それにしてもね。ただ、前半は見どころが多く、そこには今季の特徴がよく現れていたのでした。

◉きっちり修正してきた青森

とはいえ、西宮の連勝を止めた青森の修正は見事なものがありました。オフェンスでは終始、ディフェンスからの切り替えが速く、スピードに乗った攻撃から得点していました。ファストブレイクポイントは西宮の7に対して青森は14とダブルスコア。運動量でも圧倒していて、17のオフェンスリバウンドをもぎ取っています。正直、前の試合とは別のチームのようで、なんでやねんとも思うのですが、毎試合できるわけでもないというのもまた実力なのでしょう。人間だもの。

ディフェンスでは、前試合でやられまくったブラッド選手のハイピックへの対処が改善されていました。スクリーンに対して高い位置まで追いかけず、ペイント付近で待ち構えることで、モーセが海を割ったようにスコーンと真ん中を抜かれることはなくなりました。スクリーンショット 2019-10-10 21.21.11

前の試合と見比べるとよくわかります。これだとボールを持つ松崎選手とゴールへ向かってロールするブラッド選手の両方をチョル選手が見ることができ、本来の松崎選手のマークマンである大塚選手も戻ることができます。コーナー(奥)にいる俊野選手やバーンズ先生のマークマンも中へ寄せてるしね。まあでも、これはオーソドックスなハイピックへの対応であり、やっぱりGAME1が悪過ぎたんだよな。

とはいえ、西宮もこの対応に関してはきっちり頭に入っていて、スキップパスをサイドに散らして、外からシューター陣に打たせます。スクリーンショット 2019-10-10 21.21.36

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これは1枚目の直後のシーンで、この攻撃が西宮のファーストオフェンス。つまり、初めから「青森の対策」の対策はできてたということ。たぶん前の試合でも用意してたと思うんだけど、青森がこういうディフェンスを仕掛けてこなかったので使う必要がなかったのかもしれない。その意味では、前の試合の青森は、組織的ではなく個の力で守ろうとしてたということになるのかな。2試合を通して考えるといろいろ面白いね。

西宮は前半、このスキップパスを多用して、上手くフリーを作って打たせていました。画像4

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これは2Q。ブラッドのポストアップに対して収縮したディフェンスの裏でフリーの谷口選手にパスが渡ります。このシュートは確か決まったはずですが、全体を通しては確率がイマイチ。前日は良かったバーンズ先生はこの日は0/7っておいおい…。

PNRを軸とし、それに対するディフェンスの反応まで頭に入れながら、コートを広く使ってオープンスリーをクリエイトする。この戦術は明確で、きちんと遂行できていました。しかし、シュートが決まらなければ得点は0点(当たり前)。こればかりは精度を高めていく他はありません。

◉谷・谷口・土屋という西宮的ビッグラインアップ

さて、そんな攻防はありつつも、目を引いたのは1Q終盤からの岸田・谷・谷口・土屋・ブラッドというラインアップ。おおお、本職のSGがいないよ、と思っていたら谷口選手がポストアップを連発。トランジションでローポストに張ってディフェンスを引き付け、ブラッドのジャンプシュートをお膳立てしたかと思えば、やはりローポストからアタックして、ダイブしたブラッドにアシスト。これは見応えがありました。画像6

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このセットは、チームのセットの一つとして使われています。つまり、フィッシャーHCは谷口選手のポストアップを武器と捉えているわけです。また、土屋選手がコーナーからドライブしてフックシュートを放つなど(外れたけどリバウンド拾って自分でねじ込んだ)、積極的な攻撃参加も見られました。2人に共通するのは日本人ビッグマンであるという点。ここに、フィッシャーHCの起用法の妙があります。

今季は開幕節から起用されている谷口選手と土屋選手。2人の長所は高さだけではなく、よく走り、荒削りながらもがむしゃらにプレーするところです。当初はディフェンス面でマークマンを追い回したり、速攻の先頭を切って走ったりという極めてアスレチックな部分で輝きを見せていました。

加えて、この試合では特にハーフコートのオフェンス面で2人の積極性が光っていました。2人の持つ高さや運動能力によるアドバンテージを活かせる領域を、さらに広げようとフィッシャーHCは考えたのでしょう。

考えてみればこのラインアップは、PG以外の日本人選手は谷選手を含めて全員が190cm台。つまり、西宮的には「ビッグラインアップ」なわけです。なんということでしょう(CV加藤みどり)。あんなにスモールと言われた西宮ストークスが、ビッグラインアップだなんて! 

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しかも、今やベテランとなったバーンズ先生ではないのも面白いところで、要は「動ける」ってこと。ディフェンスではガードからフォワード、気合でセンターまで守ることができ(止められるとは言ってない)、オフェンスでは走れて、ミスマッチならポストアップもできる。日本人ビッグマンというと相手の外国籍選手と渡り合うことを期待されがちですが、そこは求めずに、「どの部分なら勝てるか?」を考えるところに、フィッシャーHCの発想の柔軟性とセンスを感じるのでした。

日本人同士のマッチアップならば、谷口・土屋の運動量で上回れる。その可能性を攻守に広げようとしているために、両選手の出場時間が伸びているのでしょう。

そう考えると、俊野選手の出場時間があまり伸びず、内藤選手や浜高選手が出場機会に恵まれないのもわかる気がしてきます。これには、フィッシャーHCが戦術のメインとして掲げるPNRにどのようにプレー参加できるのかが関わってくるように思うのですが、その話はいずれまた。今回はこれくらいにしておきます。


※このnoteは単なるファンの個人的な感想であり、
西宮ストークスとは一切関係のない非公式なものです。

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