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12.19|越谷@奈良|似た者同士の東西対決1

今シーズンは東・西地区内での対戦が多いため「東西対決」はレア。今節は越谷@奈良、茨城@FE名古屋の2カード。どちらも「似た者同士」の対戦ではないかと思っています。

越谷と奈良、全然違うチームのように見えますが、昨シーズンとは主力選手がごっそり入れ替わっている点や、B1から移籍してきた選手が多い点は共通しています。あとはエヴェッサ出身選手が多いね(越谷は長谷川・畠山、奈良は藤高・オマラ)。

開幕当初、群馬に2連勝するなど話題をさらった越谷ですが、その後はちょっとペースダウンしている様子。原因はやっぱりアイザック・バッツを上手く使えていない点でしょうか。この試合でも上手くボールが入らず、ボールが渡ってもすぐにパスアウトしたりと、コンディションでも悪いのかなと思ったほど。あんまりポストアップしようとしないしさ。クレイグ・ブラッキンズの方が目立ってた。バッツのいる方とは逆のサイドでオフェンスが行われることが多いのは、何か意図があるんだろうか。もちろん、マーカス・ダブやショーン・オマラが上手く守っているのもあるけど。お得意のオフェンスリバウンドも見られません。

一方の奈良は持ち味の攻守の切り替えの速い攻撃に加えて、この試合では長谷川・薦田のシューター陣も絶好調。終始、試合を優位に進めます。ダブもオマラもインサイドのターゲットになり得る選手ですが、(たぶん)あえてそこを中心に責めようとはしないのが特徴的なところ。大塚選手がしっかりとボールをコントロールし、ビッグマンたちがスクリーンをセットし、シューター陣は動き回ってシュートチャンスをうかがう。リバウンドやルーズボールへの反応もいい。

この試合、奈良は日本人選手を大塚・長谷川・薦田のスターターと、木村・伊藤・藤高のセカンドユニットをパキッと分けて起用していました。いつもこんなローテーションなのかな。2Qはセカンドユニットがずっと出ていたものの、全然シュートが決まらない。速攻もあまり出ないし、かと言って、ハーフコートのゲームメイクは木村選手の得意とするところではなさそうで。藤高選手ももっとエースをやったらいいのにな。越谷にリードを奪われないので引っ張った結果、たまたまこうなったのかなという気もする。

越谷はブラッキンズやヒンクルの個人技でなんとか付いて行く感じ。バッツ、ブラッキンズ、ヒンクルの3人の使い分けは悩ましいね。結果的に今はヒンクルが削られている格好にはなっていますが、バッツが出るとどうしてもディフェンス面での機動力に欠けて、走られると辛い。この試合のようにオフェンスで優位を強調できないなら、ヒンクルにもっと時間をとも思うけれど、オマラやダブに対抗するにはヒンクルだと厳しい。また、日本人選手との共存がしやすそうなヒンクルに対して、ファーストオプションとして使いたい(使わないともったいない)バッツやブラッキンズがいることで、その他の選手のプレーが制限されているような印象も受けたのでした。各選手の合流に時間差があったりと、なかなか難しい面はあるのでしょうが。

さて試合はと言うと、2Qをお休みして元気いっぱいの大塚・長谷川・薦田が後半もしっかり存在感を発揮して、奈良が越谷を振り切って連敗ストップ。奈良はこういう「勝てそうな試合」を勝つのがほんとに上手いね。勝負どころの大塚選手のフローター2本は見事でした。越谷は落合選手の流れを読むスキルの高さで肉薄するもののやっぱりチームとしては決め手に欠けた。

シーズンオフの動きに関しては同じような点もあるチーム同士の対戦でしたが、個人能力を強調する戦い方を志向しているように見える越谷が、今一つ選手同士を上手く組み合わせられていない感じがするのに対し、奈良は全員が同じ意図を共有しているようなバスケットを展開していました。その結果、藤高選手のようになんとなくもったいない使われ方も見受けられるものの、4Qにはディフェンス面でストッパーとして存在感を見せていました。B1出身の選手や外国籍選手にも、きちんとチームとしてプレーするカルチャーを植え付けられるのは大事なことです。特に奈良のようなスモールマーケットで、毎年のように選手が入れ替わるチームにとっては。





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