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B2の2021年オフシーズンを占う|PO進出チーム編①|西宮ストークス

B2各チームのオフシーズンの動きを勝手に占う余計なお世話にもほどがある企画。前回はプレーオフ進出を逃したチームをまとめてやりました。

プレーオフに進出したチームはやはり語ることも多いため、1つずつ書いていくことにします。まずは西宮ストークスです。

大方の予想に反してあっけなく敗退し、暗く長いオフシーズンを迎えることになった西宮。昇格することを念頭に置いてオフの補強プランを立てていたことでしょうから、GMは大慌てでプランBを練っていることでしょう。しかし、そう簡単にはいかなさそうです。

先日も書いた通り、西宮の敗因は優等生すぎる日本人選手たちが殻を破りきれず、外国籍選手に頼りがちになってしまう点。さらにその傾向はプレッシャーのかかる場面でより強くなることが、今回のプレーオフで露呈してしまったのです。一体どうすりゃいいんだ。

そもそも今季を成功と見るか失敗と見るかも、人によって意見が分かれるところでしょう。私は失敗だったと思っていますし、むしろそう思わなければ先へは進めないような気もしています。ただ、選手やHCらの「人事査定」においては混戦の西地区を制した結果は評価しなければならず、再契約をオファーをするならばサラリーは当然アップしなければおかしい。昇格という目標に照らせば失敗だけど、プロセスとして考えれば途中までは成功。変わるべきか、変わらざるべきか、なんとも悩ましい西宮のオフです。

西宮の場合、「変わる」が意味するのは谷・松崎・道原の地元トリオを中心とした編成からの方針転換です。B1でプレーしていてもおかしくないレベルの選手たちを手離すのはチームとしては大きな決断が必要であり、人気の面を考えてもやりづらい。加えて、神戸に誕生する新アリーナを地元出身の生え抜き選手たちと共に迎えるという美しいストーリーも描けなくなる可能性があります。

とはいえ、新アリーナができる頃には30代も半ばを迎える選手を3人もロスターに抱えておくことは編成上のリスクも大きい。また、今回のプレーオフ敗退で「変わるなら今」と、ブースターを納得させやすい状況も、後押しになるかもしれません。

でもどうだろうなあ。なんとなくその勇気はない気がします。となると、残るのは今季のメンバーにマイナーチェンジを加える方法です。でも、どこをチェンジするんだろう。真っ先に思い浮かぶのは今ひとつ活かし切れなかったBリーグ初のアジア枠を帰化選手に変えるというもの。また、B1から獲得した選手たちはもちろん得難い選手ばかりですが、世代交代を少しでも進めたいと考えれば1枚くらいは動かすかもしれない。

外国籍選手はどうでしょうか。得点力は申し分ないけれど、プレーオフの大事な局面で試合に出場できなくなるファウルを犯したデクアン・ジョーンズに契約延長をオファーするのは、案外難しい決断のような気もします。今のシステムにはフィットしているシェイク・ムボジですが、サイズの面ではもう少しグレードアップさせたい気も。最も他に代わりがいないと思うのはマット・ボンズで、ここは延長オファーでプレーオフの悔しさを晴らしてもらいましょう。まだ若いし。

あれこれ考えてみたものの、結局はマイナーチェンジに落ち着くのではというのが暫定的な結論です。西宮の場合、それよりまずは専任のGMを置くなど、フロントスタッフから充実させないといけない気もする。選手たちには愛されているチームなんだから、それに応えるサポート体制を敷き、長期的な視野を持って編成を進めていくべきでしょう。新アリーナに恥じないチームのビジョンこそ喫緊の課題です。

ところで、もしかすると来シーズンの方が昇格しやすいのではという考え方もあります。群馬が越谷に勝てば、反対の山のもう1チーム(茨城か仙台)と共に昇格、すなわちB2からいなくなります。来季はB1からの降格はないため、昇格を本気で争うライバルが減ると推測することも不可能ではないでしょう。その場合、B1ライセンスを有する対抗馬は茨城・仙台のいずれかと、B2昇格即プレーオフへ進んだ佐賀など。

ただ、ライセンスをクリアしている熊本が本気出してきたり、越谷あたりもいよいよ本格参戦しそう。FE名古屋だって、B1の名古屋ダイヤモンドドルフィンズとアリーナをシェアして、なんてことになれば…。どこまで行っても推測の域を出ない話ですが、今季の群馬のような絶対王者は現れなさそうで、その意味では上がりやすいと考えることもできるでしょう。

そんな皮算用をすれば思い切った変革は必要ないのかもしれません。しかし、西宮にとって最悪のシナリオは、マイナーチェンジに留まった結果、再び昇格を逃すことだったりするのですが。



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