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2021.12.29|東京Z@西宮|勇者たちの帰還

アースフレンズ東京Zのチーム状態が上向き始めています。前々節の奈良との対戦ではアウェーをものともせずに2連勝。ホームに戻っての香川戦では連敗を喫しましたが、その戦いぶりは開幕戦であえなく敗れたのと同じチームとは思えない勇敢なものでした。GAME2は完敗だったけど、GAME1は十分に勝てるチャンスがあったよね。

リーグ最長の開幕13連敗を経て、11月19日にようやくようやくようやく今季初勝利を手にして以降、アスフレの状況は少しずつ改善していました。山形からも白星を挙げ、青森にブローアウトされた次の試合ではきっちりやり返すなど、一時期の泥沼からは抜け出したかに見えました。ところが、熊本との対戦では2試合続けて100点ゲームでの惨敗。特にGAME2で52-118という醜態を晒した時には、ホームのファンが気の毒で気の毒で仕方がありませんでした。

アスフレの問題点は特にオフェンスにあります。中も外もなにせシュートが入らないし、ターンオーバーで自らチャンスを失ってしまう。そのターンオーバーから平均で17.6点(平均失点の約20%)も相手に得点を献上してるんだから、そりゃ勝てないよね。100ポゼッションあたりの平均得点を示すORtgは89.5で、B2の下から2番目です。

熊本戦の大敗で再び沼にハマるのか、それともカンフル剤になるのか。若いチームは崩れるのも早ければ、勢いに乗るのも早い。どちらに転ぶか気になっていたのですが、どうやら答えは後者だったようです(今のところ)。熊本戦以降の5試合では、ORtgが100.4まで上昇しており、これは福島ファイヤーボンズの平均と同じくらい。ディフェンスはまだまだだけど、香川や西宮といった格上との対戦であることを思えばそれほど悲観する必要はないのかな。アスフレの若き選手たちはそんなにヤワじゃなかったんだ。というか、ホームであれだけの点差で負けて奮起できないのなら、プロとしては失格以前に論外でしょう。

西宮との試合では4Qに突き放されて敗れたものの、3Qまではかなりいい試合を展開していました。なんというか安定感があったよね。これには久岡幸太郎がスターティングPGを務めるようになったことも一因でしょう。ホアンゴメス・デ・リアノやマーク・バートンを試していたウーゴ・ロペスHCですが、そろそろチームを固めにきたのでしょうか。増子匠をはじめ栗原翼らボールを持ってこその選手が多い(というか多すぎな印象)チームにあって、ボール運びの安定感とフロアバランスをもたらすいい影響をもたらしています。ロペスHCの信頼も増してきたようで、出場時間も増えてきたね。

ジョシュア・クロフォードやマーク・エディーノエリアが無理にポストプレーをするシーンも減り、コートを広げながら増子やバートンがアタックを繰り返すバスケットは、活きの良さが信条のアスフレにはよく合っている気がします。シーズン序盤には頼られがちだった2人のビッグマンは、むしろチームを支える側に回っており、クロフォードはオフェンスリバウンドからのプットバックに精を出し、エディーノエリアはトランジションから速攻の先頭を走って何度も得点していました。ビッグマン2人の献身的な姿が光った試合でもありました。

ただ、西宮とも相性もあるんだろうけど、パット・アンドレーの出番が使い全然なかったのはどうなんだろう。今のアスフレは複雑なセットで相手を崩すというより、ピックとボール回しでズレをつくって、行けると思った選手がアタックする感じ。このバスケットだとシューターを必要とする場面があんまりない気がするんだよね。シーズン当初から感じていた外国籍選手の編成に関する疑問はやっぱり解けないままなのでした。

今季の目標がどこらへんにあるのかイマイチよくわからないアスフレですが、激戦の東地区をかき回すような存在になるには、さらなる飛び道具を加える必要もありそうです。



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