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B2|2021-2022シーズン展望#3|アースフレンズ東京Z

シーズンオフの動きから2021-2022シーズンを展望するシリーズは早くも3回目。アースフレンズ東京Zを取り上げることにします。HCを含めて、これまでとは何やら違う雰囲気が漂っています。

■2020-2021シーズン

増子匠や村越圭佑が退団し、チームの中心は久岡幸太郎・栗原翼・高木慎哉の若手トリオになった。と思いきや、B1から岡田優介、外国籍選手にドゥレイロン・バーンズを加えたあたりからちょっと雲行きが怪しく。わんぱくな若手と老獪なベテランの融合によるケミストリーに期待してスタートを切ったものの、なかなかチームとしての形が見えてこない。

久岡や栗原はやボールを持ってなんぼなのだけど、自らハンドルしたいバーンズやセットのターゲットにしたい岡田との組み合わせは、結果論だけどやっぱり無理があったのかもしれない。そうこうするうちにイシュマエル・レーンの大怪我やドゥレイロン・バーンズの退団なども重なり、序盤からチームづくりの再考を迫られる羽目に。ただ、不運な部分はもちろんあったにせよ、その後の外国籍選手のチョイスなども含め、ほぼ1シーズンをチームの形を模索することに費やしてしまったのは残念だった。

■オフの動き

アスフレのこのオフのテーマは明確で、昨シーズンはついに見えなかったチームの核をはっきりさせることだった。久岡・栗原・高木の残留を早々に発表し、なるほどそういうことかと思っていたら、辞書にないコース(by 江川卓)から球が飛んできた。

【IN】
パット・アンドレー  マーク・エディーノエリア 
ホアンゴメス・デ・リアノ(アジア枠) マーク・バートン  
ビリシベ実会  宮越康槙
■継続
増子匠  栗原翼  坂井レオ  久岡幸太郎  高木慎哉

【OUT】
ナンナ・エグー  岡田優介  紺野ニズベット翔
アレクサンダー・ジョーンズ  ケイン・ロバーツ
カイル・バローン  輪島射矢
※シーズン途中の退団、特別指定選手などは含まず

なんだろう、この「わんぱくでもいい、たくましく育ってほしい」みたいなロスター。ウーゴ・ロペス新HCをはじめ、外国籍選手やアジア枠のリクルーティングを見ても、なんだかこれまでとは異なる流れを感じます。GM代わった?(タモリ風)

ならばこれは「新生アスフレ」なのか? いや、案外そうでもないのかもしれません。新加入選手のハイライトに共通するワクワクとハラハラが同居する胸騒ぎ。ボールを持ったら何かを起こさずにはいられないといった雰囲気は、高山師門や増子匠から脈々と受け継がれるゴートゥーガイの系譜に連なる、がむしゃらなバスケットボールのDNAを感じさせます。

技術や戦術より負けん気とアスレチシズムが発するエモーショナルなエンターテインメント性がこのチームの魅力だとすれば、新しく加わったメンバーのプレースタイルは、とてもアスフレらしさに溢れているように感じられます。だとすれば、一気に様変わりしたように見えるこのオフの動きも、実はアスフレの真髄を追究する営みなのかもしれません(たぶん違う)

■今シーズンのロスター

改めて今季の編成を確認してみましょう。

PG|ホアンゴメス・デ・リアノ(アジア枠)  久岡幸太郎
SG|マーク・バートン  増子匠  
栗原翼
SF|パット・アンドレー  ビリシベ実会  宮越康槙  髙木慎哉
PF|マーク・エディーノエリア  坂井レオ
C|ジョシュア・クロフォード

※順不同、ポジションは公式を参考にしています

平均年齢25.2歳。若い。パット・アンドレー(23歳)、ホアンゴメス・デ・リアノ(21歳)、マーク・バートン(21歳)、ビリシベ実会(24歳)、宮越康慎(24歳)。R25縛りでもあるのかよ。若い選手を競わせる環境をつくることで、チーム全体のレベルアップを図る狙いでしょう。その中に、チームを古くから知る増子匠が戻ってきたのは心強いものでしょう。

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それはいいとして、役割やタイプ別に見るとハンドラーというか自分でオフェンスをコントロールしたい選手が多すぎないか。ホアンゴメス、久岡、増子、栗原はボールを持ってこそ活きるタイプ。アシストで周りを活かすこともできるだろうけど、どちらかというと自分でシュートまで行きたいし行かせたい。主役を張れそうな選手が多いからこそ、誰を中心に据えるのかという昨季からの問題は引き続き横たわっている気がする。

とはいえ、バートンやアンドレーはオフボールの動きも豊富なシュータータイプ、高木・ビリシベ・宮越あたりはコーナー待機からスリーorドライブといった感じかな。だからバランス自体は悪くないわけだ、ボールが上手く回りさえすれば。パスをもらいたい選手と自分で持ちたい選手のボールシェア。どのチームにもある問題ですが、今季のアスフレにとってはより大きなテーマになりそうです。

必然的にエディーノエリアらのビッグマンは、スクリーナーとしてまずは献身的なプレーが求められることになりそうなのですが、だったらなんでジョシュア・クロフォードなんだろう? 自分で決められるハンドラーたちがリズムをつくりながら、シューターたちが外からシュートチャンスを狙う。アスフレらしいダイナミックさを活かしながら、新たなステージに発展しそうな予感がするだけに、「中で一人でなんとかしてくれると助かるよね」みたいなB2しぐさがチラッと覗いて、画竜点睛を欠くように思えるのでした。シーズン始まって全然違うプレーしてたら謝ります。

■鍵を握る選手
栗原翼

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個人的な好みもあるのですが、アスフレは栗原と心中していいと思ってたんだよね。だからこそ、似たようなタイプを増やしたガードのラインアップはやっぱりちょっと解せない。熾烈な競争になることは間違いないわけで、それをくぐり抜けてさらなる飛躍を期待しましょう。

というか、栗原が目立たないとダメな気がするんだよね。チームの中で個性を発揮する感覚を掴み始めたエースの原石が、芸達者なメンバーを従えて活躍することで、アスフレに集った個性は「多様性」となって輝くことになるはずです。



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