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B2|2021-22シーズン展望#13|ライジングゼファー福岡

残すところあと2チーム。トリ前はライジングゼファー福岡です。最初に意見を表明しておくと、私はペップHCと仲西GMが辞めてしまったことをとても残念に思っています。あんなに個性的なチームを壊してしまうなんて。昇格だの補強だのばかりが叫ばれるB2において、バスケットボールのスタイルで尖ったキャラクターを持っていた稀有なチームでした。強さや勝ち負けよりチームとしてのカラーや文化を尊重する私にとっては残念。いい選手を集めて強くなったとか、もう見飽きたよ(暴論)。

■2020-2021シーズン

ファウル上等、フロントコートからゴリゴリにプレッシャーをかけてボールを奪いにいくハードなディフェンスで、各チームを震え上がらせた昨季の福岡。ほぼ全てのQでボーナススローを与えるため、試合時間がやたらと長くなるのも作戦のうち。相手の体力を削り、集中力を削ぎ、1%でも勝てる確率を高めようとするスタイルは、リスペクトを通り越して観ているこっちもやっぱり疲れるのでした。

ここでも書いた通り「ファイター」の多かった昨季の福岡ですが、激しいディフェンスでスティールを奪い(リーグ1位)、速い展開に持ち込むまでは思惑通りだけど、ターンオーバーが多かったり(14位)、シュートの確率はイマイチだったりとディフェンス重視の戦略を活かし切れず。26勝33敗の西地区5位に終わりました。

それでも4位の香川とは2ゲーム差、熊本よりも上位というのは健闘したのでは。ファイティングスタイルはまだまだ道半ばといった印象で、だからこそ続きを観てみたかったんだけどな。

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■オフの動き

【IN】
重冨友希  重冨周希  大塚勇人  植松義也
  林郅為(アジア枠)
ジェローム・ジョーダン  ステッドモン・レモン
■継続
本多純平  菅俊男  加納督大  白戸大聖  丹野合気
ジェラルド・ビバリー

【OUT】
楯昌宗  谷口淳  船山裕士  平良彰吾  権藤和也  菅野正樹
ジョーダン・グリン  ナイジェル・スパイクス

※シーズン途中の退団などは含まず

シーズン中の選手の出入りが多かったからもはやよくわからなくなってるんですが、オフの動きとしてはこんな感じでしょうか。変わったと言えば変わったし、スターターは多く残ったから、変わらなかったと言えばそうかもしれない。だから、どう評するべきかよくわからないのですが、なんとなく感じられたのは「地元回帰」と「走れるチーム」ということでした。

「地元回帰」は福岡第一出身のレジェンドツインズ・重冨兄弟を獲得したこと。丹野や大塚がいるからそこまで出番は多くないと思うんだけど、地元での話題になるのは間違いない。その大塚はライバル校でもある福岡大大濠出身。両方押さえとかないと、みたいなことではないと思うけれど、バスケ王国である福岡がBリーグでも盛り上がってくるといいよね。

ちょっと気になるのは重冨兄弟がアマチュア契約というところ。これってどういう意味があるの? 試用期間みたいなことじゃないといいけど。アマチュア契約でもロスターにカウントされるはずだから、そう簡単に入れ替えることはないだろうし。

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もう一方の「走れるチーム」というのはアジア枠で獲得した林郅為選手やステッドモン・レモン選手のハイライトを観ながら思ったことで、どちらも速い展開の方がフィットしそう。特に林選手はペイント内で活躍するというより走れるビッグマンとして見た方が価値が高そうなので。ジェローム・ジョーダンも少し前のハイライトとか観てるとジャベール・マギーみたいでそこそこ動けてペリメーターも守れそうだったんだけど、リリース時の写真だとちょっと体重増えてない? コンディションが気になるところです。

そのあたりから走れるチームを志向しているのかなと思ったんだけど、前述の通り昨季もペースは速かった。なのにそれほど走る印象はないのはなぜだろう。走るためには守れることも必要で(相手のシュートが決まってエンドラインから速攻出すのって難しいからね)、昨季のディフェンス強度やスティールの多さを維持しつつ、全員が意識を統一した状態で走力を発揮できれば面白いのかも。その意味では、昨季からの進化系を目指すシーズンとも言えるのかな。うーん、ちょっと読めない(投げやり)。

■今シーズンのロスター

PG|丹野合気  大塚勇人  重冨友希  重冨周希
SG|菅俊男  白戸大聖
SF|本多純平  加納督大  ステッドモン・レモン
PF|ジェラルド・ビバリー  植松義也  林郅為(アジア枠)
C|ジェローム・ジョーダン

※順不同、ポジションは適当です

PGはタイプの違う2人。どちらもトランジションは得意だし、ハーフコートでは自分で切り込む丹野と周りを活かす大塚が局面ごとに違うオフェンスを見せてくれそう。

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菅や白戸といったガッツ溢れる男前なウィング陣は、ボールを持ってプレーを始めるよりハンドラーに合わせて動く方が合っている気がするので、大塚のパスセンスが冴える予感。

昨シーズンは低調だった3Pは今季も引き続き課題に。スタンス広めのフォームが特徴的なシューターのレモンは、昨季に所属したチームでも40%超のアベレージを残しているようですが、彼一人に頼るのはね。なんかボールを預けてウィングでこねてからディープスリーみたいなのが多いんだけど大丈夫かな。本多・植松らの頑張りも必要。

走れるチームとは言ってみたものの、ビバリーやジョーダンもいて、誰が主役になるチームなのか、どこで差を付けようとしているのかは正直始まってみないとわからない。

■鍵を握る選手
大塚勇人

この選手のいるチームは悪いことにはならないと思える稀有な選手。スタートするのかベンチからなのかわかりませんが、どちらにせよ持ち味を発揮してくれるはず。個人的にはスタートしてもらって、菅や白戸が合わせまくったり、外で待ってるレモンにパスを捌いたり、ビバリーにロブパスを上げているところが観たいです。


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