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『わたし、マジで探偵やってますが!』

気付いたら探偵事務所を立ち上げて、一年と半年近くになっていた。手書きの看板はさすがに恥ずかしいなと思っていた所に依頼が来たので、マジでこれはないな、と思いやめた。けれど絵心ない俺が作ったこれもないよな、って複雑な心境。当たり前だけど周囲には面白半分やっていると思われた。そうじゃないんだよって訴えても誰も気にも止めないから、思い切って中小企業向けの融資を行う、日本政策金融公庫からお金を借りて、本を書いて、それを全国刊行して、事業所の宣伝とした。本を読んだら、俺が探偵になった理由が解るようになっているというわけだ。なおかつ書籍自体も売れるように、アニメのパロディ満載の面白可笑しい内容にしたつもりだった。ギャグが滑っているとの厳しい書評のオンパレードだったが。

けど本はさ、売れてるんだよ。「Amazon在庫有り」が、「一冊在庫有り」という表示になってる。これが「在庫なし」という表示になったら、いよいよ重版だよ。そして少なくとも全国の書店500店舗以上で、店頭販売された事が版元の幻冬舎の調査で解った。その辺の細かい事情は既に自分のnote記事に書きこんだけれど、もう一回書いておく。

飛び込み営業一つで、駄作でも店頭販売される!

のだ。皆思いつくけど、絶対やらない事だから、あえて何度でも書いておく。

ああ、重版分の印税欲しいよ。世間的には、アラフィフの、俺の人生の後半の、最後の夢だよ。何が本業なのか皆解らんだろうが、転職ばかりで今兼業でやっている電気屋は手元だし。固定給なんて良くて月に20万だし。

けれど昨年度の出版経費は、凄いことに探偵事務所の事業経費と見なされて、トータルでうちの探偵事務所は大赤字となり、無事に家は非課税世帯と見なされ、子供の大学、高校、中学の授業料や給食費はほぼ免除となった。別に恥ずかしいことじゃあない。家は税金他、医療光熱費を滞納したことは一度もないのだから、公的援助を胸を張って受ける資格がある。

ちょっとここで手取り収入が少ないからと、恋愛や結婚を諦める人が多いけど、一つ異を唱えたい。俺は

無職で子供を二人以上作った

からだ。俺は若い頃まともに働かず楽器の習熟に腐心し、その最中、妻と出会い、子宝に恵まれた。数々の転職を繰り返す最中、結局子供は四人まで増えたが、何故それでほとんど借金せずにここまでこれたかというと、お金を使わない生活を北海道の田舎でしてきたからである。今、過疎化の進んでいる日本では、実は

一軒家はタダ同然で手に入る!

のだし。不動産屋を通さないで欲しい。ピンはねするのが商売だから。パッと見で、空き家だったらその持ち主にコンタクトをとってみると良い。皆、空き家の固定資産税なんて払いたくないはずなのだから、きちんと事情を話せば家主さんは考えてくれる。俺は、そういうノリで家賃などを払わずに生きてきた。そして築三十年の家を70万円で購入し、実は、低所得者にとっては北欧ばりに充実している福祉制度を利用して、借金の少ない生活を送っている。

けど、こういうことって、北海道だから可能だったのかも。

首都圏に住んでいたら、見栄や世間体を気にして、「オタクの空き家、売ってくだい、貸してください!」っ訪ねずらいかもね。不動産屋を通さないとコワモテの人とか出てきそうって雰囲気はまだあるかもね。

で、周囲から貧乏に見られたら、子供たちが学校で苛められるでしょ、って言われそうだが。
けれど貧乏に見られて得をすれど損する事は一つもなかった。

日本人は、貧乏人にとことんお節介だからだ。

北海道の田舎では、まずは子供の服を買ってやる必要は無かった。必ずお古が回ってくるから。
それを親切だって有り難く貰えるか、変なプライドが邪魔するか、の違いだと思う。

要は気にしすぎないことだ。体裁を。

大人の側が世間の目に過敏になりすぎない事だ。それが子供の側にも伝染することもある。

それが問題なのでは。たとえば、家の場合、その逆を行っている。

お父さんは探偵事務所を立ち上げ、本を全国刊行し、地元紙にも取り上げられた。
たしかにお父さんはぶっ飛んでいるかもしれない。が、SNSで炎上しないし、悪口一つ耳に入らない。
俺は陰口に鈍感だし、世間体を一切気にしないからだと思う。他人はそうそう正面切って文句を言わない。半端なく変わってる者に対して。SNSの炎上地獄に落ちる、なんて漫画の世界や芸能界でしか起こらない。探偵事務所を構え、新聞沙汰になる。それで普通にしていると周りもそれが普通だと思う。だから子供たちは堂々と学校に通い、友達と楽しくやっているようだ。俺の著書をネタとし、それがきっかけで幼なじみとの繋がりがまた芽生えたりもしたようだ。ただ世間で目立つ方法を一つ間違えると例えば俺のやっていることが犯罪行為だったら、それは状況は違っていただろうが。

人と違う事をやっていても、もともと人は皆違うんだから、どうってことはない

と思う。あんまり失言を恐れて、自分をさらけ出すことに怯える風潮もどうかなって思う。お偉いさんで炎上するような事をする人は、ちょっと共感力が足りないのでは?と感じさせらるが。で、家みたいに北欧ばりの恩恵を今の日本では実は受けることができる。そこにほとんどの人が気づかないのは

保険やローンなどを組まなければならないといけないという、同調圧力にさらされる、それが今の日本社会!

だからだろう。
家なんか月々3万円あれば暮らせるから、公的年金だけで十分だけど。それが年金や健康保険の元々の意味だろうのに

不安感を煽り、人と違う事を煽り、満たされない気分を増長させるのが隙間産業の手口

なんだろう。

今回のオリンピックで多様性の重要性が謳われていたのは良かったと思う。日本の社会が上っ面でしか「多様性」を理解していないのは良く解るけれど、少なくとも私たちに考えるきっかけは与えてくれる。

イングランドの女子サッカー選手たちが、試合開始前に人種差別に抗議するパフォーマンスを行っていたけれど、差別に対して主体的に考える事が欠落している私たち日本人はまず率先してやらない事だとも思った。

率先してやれない、考えられないという事は、自らの人生の有り様を深く考えないことと同義だ。

ホリエモンも言っているが、将来は文明が発達したら、人は働かなくても良くなる、かもしれない。その時どうやって遊べるかが人生のテーマとなりそうだけど。

働く必要が無くても働き続けるのが日本人なんだろう。

俺も働き続けるだろう。探偵という、スリリングな仕事を始めたのだから。

仕事が遊びのように夢中になれるものなら、それに越したことはない。

そこ、探偵話メインで書きたかったのに。

また、駄文を書いてしまった。

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