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一億光年の宝

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北海道別海町中春別の小幡牧場の日常をモデルとした考察の中から産まれたポエム、エッセイの数々。酪農と宇宙を探偵作家土木警備員の著者がコラボさせるなど、好き放題やっている。創作なので…
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#牧場

『男は荒野を進め』

僕だけが一億光年分の価値のある宝物を探しに行く。それは荒野を一人で歩く事と同じ位孤独な行為だ。 誰も僕の背中を押してはくれなかった。 誰もが一億光年分の価値のある宝物の存在を認めてくれなかった。 だから僕は、言葉で言葉で殴り付けてやることにした。 生かすか殺すか。生きるか死ぬか。 殴り付けても、殴り付けても、殴り付けても、誰も宝物の存在を信じてはくれなかった。 もう我慢の限界だ。 いつでも男は、荒野を一人で進む。 ヒタヒタと音を立てる。 足音が、僕の意識を軽

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小幡牧場の番犬、じゅうばんばんです。 水浴びには早かったかも。  出てきた。ご主人さまが。 早く、早く、飛び付きたい❗

昨日行った所とは違う、しばらく訪れていない放牧地へ早く行きたい。昨日とは違う発見があるはずだから。何よりも体が新緑と適度な繊維質を欲しているし。 小幡牧場

『大きくなあれ‼️2』

ドカンと育ってやったよ。  ムシャクシャするからよ。 俺たちも風に胞子を乗せて増殖するからよ。 話題のウイルスみたいによ。 ちっと勘違いしている人間どもに言っておく。 実は俺たち菌類も、ウイルスと同様地球で進化の末に生まれたおんなじ生き物だってことを。 我々は、水の子で。 アミノ酸のゴーヤチャンプルから生まれ。 DNAで。 繁殖することを目的とし。 元々は宇宙を構成する物質と変わらないはずなのに。 寄生が共生に変わり。 集合体が組織を作り。 部品のパーツとなって。 一つの動

『番犬、じゅうばんばんです2』

小幡牧場の番犬、じゅうばんばんです。 新緑眩しい、どこまでも続く牧草地を放たれた牛たちが遊び、戯れる、素敵な季節が来ましたね。 今年も私は、数えて十五回目の夏を大好きな小幡家のみんなと一緒に迎えることが出来そうです。 私が生まれる前から小幡牧場はあったのかもしれないけれど、実は私は小幡牧場の歴史の生き証人なのかもしれません。 何故なら、昔おそらく相当ヤンチャしてたご主人さまが、放蕩の果てにこの地に流れついたことも。 過酷な労働の果てに、一から牧場を始めたことを決意した

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『思いのままに書いてみる』

良く知っている、あの牧場の牛舎裏かな? 赤い屋根の牛舎の脇にはまだ若い山桜の木が根付いている。その横には恐らくエゾマツとミズナラの混成した原生林。別海町では平野部の原生林からは泉が涌き出て、夏になると平野部の青々と生い茂った樹木の間を縫ってアマゾン川の支流のように摩周湖の伏流水が流れていたのを思い出す。樹木の間を走るたった横幅30センチくらいの細い流れの中にも、アメマスやヤマベが生息していた。今もあの川は汚染されず清らかに流れているのだろうか?今頃、大地のシバレが溶け、青く

『大きくなあれ‼️』

オイラの名前はコゴミという。 春になると芽生える山菜の一つだ。 オイラは煮ても焼いても食える奴だから、人に食われる事も多々ある。  そんなオイラだけど、やるときはやる! グッと握りしめたこぶしを、バッと開いて、ガンと真っ直ぐに伸びていく。 オイラは難しいことも曲がった事も大嫌いだ。 他のやつらみたいに、太陽に媚びる事をしない。 デカくなったらクサソテツと言う。 オイラは恐竜とともに白亜紀の地球を経験した。 ドーンと隕石が落っこちて、ガーンと火山が噴火して、色々あったけど何て

顔は男の履歴書 小幡牧場 じゅうばんばん

宝石のように輝く数々の写真をどうもありがとう。俺の探偵のルーツ、別海町中春別へ。大崎探偵事務所より。

『力いっぱい❗』

思いっきりね。ぎゅうっとぎゅうっと力んでみる。 力を抜いて、楽にして、深呼吸して、考えすぎず、くよくよしないで、落ちついて、自然体になんて、なれないよ。 一生懸命、夢中なんだけど、頭の中はこんがらがって、どうすれば良いかが解ってなくて、僕の気持ちが一杯詰まって、形とは裏腹に、もう爆発しそうだよ。 やり場のない僕の気持ちを、僕はグッと内に秘め、今か、今かとぎゅうっとしている。 僕は敢えて、言う。陳腐で使い古され、今時流行らない言葉をあなたに。 頑張れー! 写真 小幡

僕はお母さんのミルクを貰っている。人と牛と植物が手分けをして、太陽のエネルギーがミルクになる。そのお裾分けを貰っている。けれどこれから、草も食べてみる。少しずつ繊維質に慣れて、丈夫なお腹を作っていく。 『小幡牧場』

頑張れない時ってある。出産後?ちょっと上手く立てない。低カルシウム血症かな?無理しないで。脱水状況から回復したら、きっとまた立てる。 『小幡牧場』

搾乳が終わった。私たちは一休み。私たちは私たちの子供たちに与える量より、はるかに沢山の牛乳を出す。だから搾乳後はへとへとになる。 『小幡牧場』

私たちは、とにかく食べて、食べて、たべまくるの。胃が四つあって、微生物を胃の中に沢山飼っていて、草をタンパク質に変える、そんな生態系を体の中に飼っていると言うわけ 『牛の中の生態系』