7/20の夢

なんだか親切にしてくれる人と出会った。
私はまんまとその人のことを好きになっちゃって。
でも、その人はスパイをしていて、色々な事情で私を監視してなきゃいけなかったらしい。だから、私に近づいたと。
ある日スマホのデータや部屋の中の音声全て監視されてた事がわかった。
どうしようもなくその人を好きになってしまってた私は、それでもいい、知らないフリするからって縋って、そしたらまあこちらとしては楽だからいいけど。って今まで見たことないくらい冷たく言われた。
その直後にいつもの優しい笑顔に戻ってほら行きましょ!って手を差し出されて、1度もしたことなかったのに恋人繋ぎで町を歩いて、ああこれも全部嘘なんだなって。泣きそうになった。でも何も言えなかった。

一緒に居ると恋人の様に接してくれる。でも離れてしまったら、連絡なんて取れるわけもなくて、歪な時間が流れた。
スマホの中身を見られてるなら、いっそ一方的にメッセージじみた物を見せつけるのはどうかと思ってカメラロールに今日はこれ食べたよとか空が綺麗だったよとか気持ちを込めて撮った写真を残すようになった。
当たり前に向こうは何も言ってこなかったけど、写真をシェアするのが私の小さな幸せになっていた。

そんな風に過ごしてると私が他の男の居る場で楽しそうにしてる写真なんかを見た次の日は少し機嫌が悪かったりして知らなかった可愛いところを見つけて笑ったりしてた。
でもやっぱりそんな関係長続きしなくて、その人は急に私の目の前から居なくなってしまった。仕方がないのはわかってるのに、こうなることもわかってたはずなのに、つらくてつらくて部屋に引きこもった。ケータイを見るのも思い出すからつらくて、ずっと見ることが出来なかった。少し時間が経ったある日、ふとカメラロールに知らないデータが増えているのに気がついた。
今まで保存してきた私から彼への写真全てに返事のような写真が増えてた。食べ物の写真の後には見覚えのない食べ物の写真、空の写真の後には知らない場所と野良猫の写真、雨の日の写真の後には水溜りの写真...実はずっと返事をくれていた事に初めて気づいて沢山泣いた。
最後の彼からの写真は勿忘草だった。



あとがき
めちゃくちゃ泣きながら起きたの覚えてます笑
勿忘草の花言葉って切ないんですよね。

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