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西国三十三所第13番 石山寺 縁結びのお寺・源氏物語 紫式部ゆかりの寺

毎月十七日に、JR石山駅と西国三十三所第十二番札所岩間寺(いわまでら)を結ぶ無料のシャトルバスが運行している。要望が多いのか、岩間寺の帰りに石山寺の前で下車させていただけるようである。さらに、石山寺と三井寺は京阪坂本本線の沿線にあり、意欲的な方は三箇寺を一日で巡るようである。どちらも広い寺院のため、忙しい行程になるのは間違いない。三箇寺とも拝観時間を短くとも一時間はみておくとよいと思う。
私は三井寺と石山寺を同日に巡った。

さらに前置きになるが、滋賀というと、大阪に住む私から見て、京都を越えた向こう側というイメージだ。遠いところと思われたが、この日、JR新快速に乗ると、大津駅など琵琶湖の南側までなら京都から少し足を伸ばす程度で行けると知った。大阪駅から石山寺駅まで、山科(やましな)か膳所(ぜぜ)か石山(いしやま)あたりで京阪線に乗り換えて、一時間もかからない。京都駅からは三十分前後である。
案外滋賀まで近いやん、という思いが私の西国三十三所巡礼にさらなる拍車をかけた。もう少し頑張れば近江八幡市の第三十一番長命寺や第三十二番観音正寺にも行ける。帰りに京都に寄るのも良い。

さて、石山寺である。
京阪石山寺駅からやや歩く。徒歩10分という記述を見るがもう少しかかったように思う。左手に広い車道を挟んで瀬田川を見ながら石畳の道を行く。右手には懐石料理屋や高級和菓子店など、少し敷居の高そうなお店が並ぶ。鬼の姿を刻んだ石碑のある庭園が見えたらすぐ近くだ。

国の天然記念物となっている硅灰石(けいかいせき)の巨大な岩盤があり、石山寺の名の由来となっている。平安時代の女流文学者が愛した霊場としても知られ、「源氏物語(げんじものがたり)」「蜻蛉日記(かげろうにっき)」「枕草子(まくらのそうし)」「和泉式部日記(いずみしきぶにっき)」「更級日記(さらしなにっき)」に登場する。紫式部は石山寺に籠り、源氏物語を執筆したという。本堂の端のほうに美しい紫式部の人形が置かれた「紫式部の間」があり、当時の様子を再現していた。

境内は急な階段や坂道が多い。その分、月見亭からの眺めが最高である。大津の街や琵琶湖が一望できる。ここは近江八景のひとつ「石山秋月(いしやまのしゅうげつ)」で知られる。
地図などあっても読めないからと拝観受付でいただいたパンフレットも見ずに自由に歩き回っていた私は、広大な境内で順路がわからず行ったり来たりしていた。くぐり岩をくぐり、本堂に行き、鐘楼、多宝塔を見て、月見亭に行き、階段を降りて西国三十三所観音石像のある小径を歩き、梅園を見ていたら「石山寺と紫式部」の展示を行っている建物に行き着き展示を見、もう一度月見亭に着き、どこに着くのかと階段を下りたら、ここは駐車場で出口ではないと言われ、再び急な階段を上ってご神木を見た。お堂も見どころもたくさんあり、どこを見ていないのかさっぱりわからなくなってしまった。
地図が読めるならパンフレットを見ながら回ることをおすすめしたい。

スイーツ巡礼は叶 匠壽庵(かのう しょうじゅあん)の「あも」。叶 匠壽庵は大津に本社がある和菓子店で、百貨店にも出店している。石山寺山門前に店舗を構えており、四月に参拝したこの日、期間限定のさくら味があった。西国三十三所草創一三〇〇年のスリーブ付きであった。

御本尊の開帳は三十三年ごとで、二〇一六年にあったようである。
特別開帳が二〇二〇年に予定されているようなので、また行きたい。

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第十三番札所 石光山 石山寺

読み:せっこうざん いしやまでら

住所:滋賀県 大津市(おおつし) 石山寺(いしやまでら)1丁目1-1

公共交通機関でのアクセス:
①京阪 石山坂本線(けいはん いしやまさかもとせん) 石山寺(いしやまでら)駅より徒歩15分
※京阪石山坂本線に京阪石山駅があるため駅名に注意。
②JR琵琶湖線 石山(いしやま)駅より
京阪バス 石山寺山門前(いしやまでらさんもんまえ)停留所(片道210円・所要時間7分)
停留所よりすぐ
※途中に京阪石山寺停留所があるため停留所名に注意。
③毎月17日岩間寺より無料シャトルバス石山寺山門前下車すぐ
※帰りのバスにてご厚意で下車させていただけるようですが、お約束するものではありません。

入山料:600円
本堂内陣拝観料:500円
豊浄殿入館料:300円(春季・秋季)
時間:9:00〜16:30(入山受付は16:00まで)

宗派:真言宗東寺派
本尊:如意輪観世音菩薩(三十三年に一度開帳)

主な行事:中秋の名月の頃の2日間(9月) 秋月祭

創建:747年(天平19年)
開基:良弁(ろうべん)僧正(東大寺を開山した華厳宗の僧。通称、金鐘行者(こんしょうぎょうじゃ))

札所:
西国三十三所第13番
江州三十三観音第1番
近江西国三十三観音霊場第3番
びわ湖百八霊場第1番
神仏霊場巡拝の道第146番

御詠歌:
後の世を 願うこころは かろくとも
 ほとけの誓い おもき石山

※上記は2019年3月時点の情報です。

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