マガジンのカバー画像

神社仏閣めぐりの書

27
生八橋モナカソが行く神社仏閣めぐり。御朱印集め趣味から西国巡礼に出て先達になるまで一年足らずの深すぎる沼を眺めるマガジン。Todaiji-TempleやJishu-Jinja-S…
運営しているクリエイター

2021年8月の記事一覧

西国三十三所第28番 成相寺 願いが成り合う寺

前回のまとめ。 兵庫・豊岡の城崎温泉、温泉寺(おんせんじ)で三十三年に一度の御本尊を拝覧した。GoToトラベルキャンペーンの恩恵もとい策略により価格帯を見誤り女一人旅にしては見るからに立派すぎる構えの老舗旅館の広すぎる和室で一人ぼっちを満喫し、一夜明けた。 食事は天ぷらが絶妙に揚がっていたが、味は割と普通だった気がする。数年前の旅行で友人と泊まった旅館の料理が別格だったのか、それとも思い出補正だったのか、今となっては確かめようもない。 今回は、二日目の様子をご紹介する。 こ

西国三十三所番外 温泉寺 城崎温泉守護のお寺

今となっては記憶も朧げだが、かつて政府がGoToキャンペーンを実施していた頃、西国三十三所第二十八番札所の成相寺(なりあいじ)と第二十九番札所の松尾寺(まつのおでら)に一泊二日でお参りに行く計画を立てていた。遠方であるのと、特に松尾寺はアクセスがあまり良くないため、一度目の参拝はバスツアーを利用したが、このところは人数が集まらず、不催行が続いていた。私が愛してやまない、お寺も、その周辺のお土産物屋さんも、もちろん旅行会社も鉄道会社も、危機に瀕している。平日の、空いている時間を

西国三十三所第19番 革堂 猫のいるお寺

革堂。こうどうと読む。昔の表記ではかうだう。正式には行願寺(ぎょうがんじ)。西国三十三所唯一の尼寺である。 山号は霊麀山(れいゆうざん)。麀の字は雌鹿(めじか)の意である。 開基の行円(ぎょうえん)上人は狩人だった。行円が射て亡くなったはずの雌鹿から仔鹿が生まれるのを見て、殺生を悔い、仏門に入ったという。行円がその雌鹿の皮を身につけていたことから革聖(かわひじり)と呼ばれるようになり、革堂という名が通るようになった。 「革堂観音」の大きな提灯(ちょうちん)が印象的なお寺である

西国三十三所第33番 華厳寺 満願のお寺

「華厳寺」で検索すると、先頭に京都の鈴虫寺が出てくる。 参拝者が一堂に集められ、たくさんの養殖鈴虫の大合唱に囲まれながらご住職のおもしろいお説法を聞いた。 翌年から新型感染症が流行するとは知る由もない秋、阪急京都線 桂(かつら)駅で阪急嵐山線に乗り換え、上桂(かみかつら)駅から徒歩で紅葉を見に竹の寺 地蔵院(たけのてら じぞういん)に行き、その足で鈴虫寺に行った。鈴虫寺のみ行く場合、最寄りは松尾大社(まつおたいしゃ)駅のようである。景観がよく、しっとりと落ち着いた雰囲気の場所

西国三十三所第31番 長命寺 延命長寿のお寺

五代に渡り天皇に仕えた武内宿禰(たけのうちのすくね)。この地の柳の木に長寿を祈願し、約三百歳まで生きたという伝承がある。延命長寿の御利益のあるお寺、西国三十三所第三十一番札所、長命寺(ちょうめいじ)へ。 前回のおさらい。 観音正寺の裏参道(林道)を登り、車の道から降りてきた。 JR能登川(のとがわ)駅から近江八幡(おうみはちまん)駅へ行き、バスで長命寺のバス停へ。 さて、長命寺まで八百八段の石段だが、移動中座っていたにもかかわらず、バス停に着いてもまだ疲れて歩く気になれな