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日記_20230628

 泊るつもりもなかった家に泊まって、朝の10時頃その家を出た。いまは青々とした桜並木の道沿いを歩いた。キジバトが飛んで、羽を落としたので、拾って鞄のポケットにいれた。しかしこの羽は、帰宅途中まで確かにポケットの中にあったのだが、家に帰った時には無くなっていた。
 道沿いに、サンドイッチの店があったので、エビアボガドタマゴとフルーツのサンドを買った。店の中で中年女性4人が話に花を咲かせていた。若い店員は常ににこやかだった。
 駅までの道のりは、とくに暑かった。私は黒いアロハシャツに赤い薄いリネンのパンツを着ていた。疲れたな、そう思った時、傍らにとても大きな寺院が見えた。入ろうか待って歩を緩めていると向こうから人の塊がやってきた。幼児数人と母親だった。すれ違いざまに、小さな女の子が私を見上げ「おはよー」と手を振って、「おはよう」と私も笑顔した。皆が笑っていた。寺に入るのは、止めた。
 サンドイッチの入った袋を持ったまま、電車を乗り継いで、井之頭公園前駅で降りた。閑散としていた。しばらく進んだ木陰のベンチで。サンドイッチを食べ、シーラッハの小説「犯罪」を読んでいた。しばらくして、声をかけられた。いかにも散歩という身なりの外国人で、イラン人だった。世間話をした。「良い日を」「そちらこそ」そう言って、彼が去っていくのを眺めて、またしばらくシーラッハを読んだ。縁について、考えた。
 歩きたくなった。本を閉じて、公園を散歩しながら、緑の臭いを嗅ぎ、写真を撮った。古本屋に入り、二千円分の本を買った。夕方に近くなったのと街に近づいたので、人が増えた。本を抱えたままバスに揺られた。
 帰り道もまた、暑かった。帰ってすぐ、製氷機から氷を取り出して、戸河内を開けて、氷に垂らして飲んだ。煙草を吸って、本の続きを読んだ。キジバトの羽をいれるのに良い小瓶を探しながら、そもそもの羽を落としていたことに気が付いた。それから鯖を焼いて、食べた。

 今朝の夢。誰かの葬式の夢を見た。葬式は、お城で1週間かけておこなわれて、100人もの人がそこで、毎晩豪勢な食事をとった。夢の中だけの親戚の中年女性が「何処に住んでいるの?」と聞いてきて、「XXです」と答えた。「あらあそう」とほほ笑んで彼女が消えてから、本当は、XXには住んでいないことに気が付いた。

 昨日の夢。今、そして今まで今住んでいる部屋で飼育していた生物達が全て、奇妙な死に方をする夢を見た。夢を見た日、私はベッドではなく床で5時間近く寝ていた。床に寝そべって、飼育している昆虫の内最近成虫になった一匹の雄が、何度も交尾に失敗し続ける様子を見守っている内、意識を失ったのだった。
 結局彼が性交できたかは、わからない。さっき、確認したけれど、まだ彼は一人でミズゴケの上を彷徨って、雌たちはミズゴケの下から一切出てこないままだった。

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