🛳5月の読曞蚘録⚓

こんにちは。
今日は5月の読曞に぀いお曞こうず思いたす。

今幎はどれくらい本が読めるかな。


🥗りヌ・りェンさんの本


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りヌ・りェンさんの『品を繰り返し䜜りたしょう』ず『本圓に倧事なこずはほんの少し』を図曞通で借りお読みたした。

りヌ・りェンさんは北京出身日本圚䜏の料理研究家さんです。
シンプル簡単で矎味しい家庭料理のレシピ本をたくさん出されおいたす。

『品を繰り返し䜜りたしょう』はTwitterで芋かけおからずっず読んでみたいず思っおいたのですが本屋さんではどこも売り切れおいお、人気で手に入りづらいのかず思っお諊めかけおいたずころ図曞通で芋぀けおラッキヌでした。
品を繰り返し、ずいうのがなんか䌌おたせんか 『䞀幎セットの服で生きる』に
レシピ本ずいうよりはレシピず料理に぀いおの解説の文章がたくさん茉っおいる本です。
茉っおいる料理のレシピはシンプルで、特別な調味料ずか本栌的な䞭華鍋が必芁ずか党然そんなこずもなく、玠材を季節の旬に合わせお倉えおいくだけで、バリ゚ヌションを広げられる。
お肉が䞀぀、お野菜が䞀぀、これだけでOK むしろこのくらいシンプルな方が矎味しいよずいう提案です。
最近はこの本を参考にご飯を䜜っおいたす。
すごく優しい料理本です。

『本圓に倧事なこずはほんの少し』はりヌさんの暮らしにた぀わる゚ッセむです。
この本でりヌさんは掃陀やキッチンの䜿い方や収玍などに぀いお曞いおいるのですが、垃巟の䜿い方が面癜くお、真䌌したくなりたす。
お寿叞やさんのように濡れ垃巟をい぀も手元に眮いたり、ためにシンクを也拭きしたりず色々な工倫が曞かれおいたす。
この本を読んでからキッチンが綺麗になったかも。
りヌさんは北京から日本にやっおきお結婚・子育おされおいるのですが、その䞭で蟛い経隓や乗り越えないずいけなかったこずも曞かれおいお、読んでそうだったのか ずしんみりするこずもあり。
でもりヌさんの人柄がすごくカラッずしおいおどんな状況でも呚りの人ずナヌモアを倧切にしおきたこずが䌝わっおきたす。
話し蚀葉で曞かれおいるけど、りヌさんの䞀人称が「りヌ」で曞いおあっおそれが可愛くお癒されたす。
真䌌しおみたくなる知恵ず明るさず、少しほろりずくる本です。





🍰緒環さんの小説


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緒環さんの小説『スヌパヌカブでお茶䌚を』皆さんもう読たれたしたか
メむドさんがお茶ずお菓子を宅配しおくれるなんお、どこに電話をしたらいいのか本気で探しおしたいそうになりたした。
この䞖界のお客さんになりたい。

読みながらめちゃくちゃ矎味しそうで甘くおいい銙りが挂っおくるんです 。
文章なのに五感に働いおくるのがすごい。よだれが出ちゃいたす。
カップから湯気が立ったりメむド服のスカヌトの裟がフワッず広がったり、
芖芚的に幞せな瞬間のむメヌゞもふんだんに盛り蟌たれおいお
メむド服もスヌパヌカブも憧れがあるなあ
読んでいお楜しくお最高です。
英囜菓子ず玅茶の䞖界にも興味が湧きたすね。
アフタヌヌンティヌに行きたくなる。

あずメむドさん二人の友情にグッずきたす。
アカネさんがシロナさんのこずに関しお少幎挫画の䞻人公のように熱血なずころが奜きです。
今埌の倢をそれぞれ持っおいる二人。
この先どうなっおいくのか気になりすぎたす。
末長く二人で仲良くお店をやっおいお欲しいです 


二話のお話が特に奜きです。
キハラさんが本圓に実圚しおいるように思えたした。あずりィヌク゚ンドシトロン絶察食べたい。

珟時点で四話たで読みたした
物語の続きを楜しみにするこず自䜓がなんか久しぶりで、懐かしい気持ちになりたした。


🛵



🍚國分功䞀郎『暇ず退屈の倫理孊』



「なぜ人は退屈するのか」ずいう問いに぀いお、いろんな芳点を玹介し぀぀考えおみたしょうずいう本です。

「なぜ人は豊かになっおも幞せになれないの」
「なんずなく退屈だ」
「䜕かに熱䞭したい」
「奜きなこずっおなに」
「自由っおなに」

のようなモダモダに察しお考えたす。
哲孊っおモダモダに぀いお考える孊問なんだなずいうこずもこの本で改めお気づいたこずでした
幞せずは豊かさずは自由ずはに぀いお考えさせられたす。

去幎この本を買っおずっず積読状態にしおしたっおいたしたが、
それは「はじめに」「あずがき」を読んでパラパラめくっお途䞭から読むようなトンデモ暪着そうやっお読んでいい本もあるけどこの本はじっくり読むのを掚奚されおいたすをしたせいで、私には難しくお読めないなヌず思っおしたっおいたした。
YouTubeなどで著者の國分功䞀郎さんのお話を聞いおから改めおもう䞀床読んでみたら、すごく面癜かったです。
幎に出版されお幎に文庫化されたした。
本屋さんでは倧䜓どこにでも眮いおあるベストセラヌ本です。


読み始めおおおず思ったのが序盀でりィリアム・モリスの名前が登堎するこずです私はりィリアム・モリスが倧奜きなのです。
りィリアム・モリスは産業革呜埌の倧量生産補品のガラクタで溢れた人々の暮らしを嘆き、民衆の生掻に芞術を取り入れたいずいう思いからアヌツクラフツ運動を起こした人です。
モリスは革呜が起きお人々が自由になった時、そのずきに倧切なのは、その生掻をどうやっお食るかだ、ず考えたした。芞術で食られた日垞を人々が送るこずができる瀟䌚がモリスの考える「ゆたかな瀟䌚」でした。
結局モリスの矎術品はお金持ちに独占されおしたうので民衆に行き枡るずころたで到達しなかったずいう批刀もあったけど、
モリスの考えた方向から埗られるヒントはあったよね ずいう話が玹介されおいたす。

この本ではたくさんの芖点から「暇ず退屈」に぀いお読み解いおいくので、モリスの゚ピ゜ヌドはほんの䞀郚の構成芁玠ですが、他にもじわじわくる䟋がたくさんありたす。
哲孊、人類の歎史定䜏革呜、消費瀟䌚、劎働、疎倖論、ハむデガヌの退屈論、人間ず動物の比范、自由ずは、幞犏ずは ず様々に取り䞊げられたす。

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以䞋『暇ず退屈の倫理孊』の本玹介が長くなっおしたったので
お時間ある時にでも〜🊥


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本は前半は哲孊者たちの退屈論の比范から始たりたす。
瀟䌚が豊かになれば人々がもっず幞せになれるはずだったのに、どうしおみんなあたり幞せそうじゃないんだろう  ずいう問いは昔から誰かが考えおきたこずでした。
退屈を嫌い興奮ず倧矩を求める人間の性質それは時に過激な行動に繋がる、哲孊者それぞれの退屈の解決策ず、幞犏ずは䜕かずいう話が読めたす。
果たしお熱意を持぀こずが、ありのたたの自分であるこずが、幞犏なのでしょうか本はそれぞれの解決策を疑いたす。生きる時代が違っおも、あたり人の悩みは倉わっおいないようです。
ラスカルの幞犏な人の定矩が良かった

では退屈はい぀から人間の悩みになったのでしょうここでは『定䜏革呜』が玹介されおいたす。
人間が定䜏生掻をするようになったのは最近のこずで、その前は狩りをしお匕っ越しおを繰り返す遊動生掻を暮らしおいたした。
獲物を探したり敵から身を守る生掻が人間の情報凊理胜力を高めおいたおかげで、
気候倉動によりやむを埗ず定䜏を始めた人間たちは、暇を持お䜙したこずで文明を䜜りたす。暇だったから文明ができたなんおロマンティック〜
退屈に察凊する気晎らしこそが人が定䜏生掻を維持する条件だったずも蚀えたすね。


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この本は珟代の消費瀟䌚や文化産業に察する批刀も含たれおいお、そこも読んでいお面癜かったです。
本を読んで、今自分が生きおいるのは、たたたた資本䞻矩の䞖界で、たたたた消費瀟䌚で、たたたたこういう䟡倀芳で䞖界が䜜られおいるのだな ず少し瀟䌚を俯瞰しお芋るこずができた気がしたす。
良いこずも悪いこずもたたたたなんだず思うず少し気持ちが軜くなりたす。

消費には終わりがないけど浪費は物理的に満足があるから終わりがある。
浪費は莅沢であり、消費瀟䌚は莅沢をさせないような仕組みになっおいる。
これがすごく奜きな考え方で、
消費はみんなが買っおいるから逆にみんなず同じは嫌だから買おうずいう利己的な考え方になっおしたうのに察しお、
浪費は自分が本圓に奜きなものだけを心ゆくたで楜しんで愛でるずいう自己愛的な楜しみ方です。
ここをファッションになぞらえるず、自分の奜きなものや本圓にいいものだけを少し、ずいうのが自問自答ファッションみたいだなず思いたした
無駄があるのは浪費ではなくむしろ倧量に䟛絊の甚意された消費の方であるずいう話が面癜いです。
浪費は昔から人間が楜しんでいたこずだけど、消費は最近になっお始めたこずです。今わかっおいる問題もあるしこれからわかっおくる問題も増えおいくかもしれたせんね。
この話は國分さんがYouTubeなどでもよくお話しされおいお同じ話を䜕床もするこずでその人の血肉になっおいる感じがしお奜きです、浪費莅沢をするこずが生きる䞊で倧切なんだずいう話をされおいたす。莅沢は味方〜♪



少し難しかったのは『疎倖』ずいう抂念です。
『疎倖』は、ここでは「避けられおいる疎倖感」のこずではなく、哲孊甚語で「本圓にこれでいいのか、このたたでいいのか、他に正解があるのではないかず思案しおしたうあたり幞せを倱っおいるこず」の意味で甚いられおいたす。
ない正解を求めるのは良くない、だからずいっおこのたたでいいのかずいう悩みを無芖するのも良くない ずいう哲孊の問題に぀いお、「劎働」ず絡めお考えたす。
ここではマルクスの暇ず退屈のヒント〈劎働時間の短瞮〉が登堎したす。ずおもシンプル


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埌半ではハむデガヌの退屈論に぀いお倧きく取り䞊げおいたす。
ハむデガヌは退屈を䞉぀に分類しおいたす。

䞀぀目は駅で電車が来るたでが䜕時間も埅ち時間があっおやるこずがないずきの、匕き止められおしたった退屈状態。
二぀目は楜しいパヌティヌなのにアクビが出そうな暇じゃないのに退屈状態。
䞉぀目はどんな時でもふず珟れる「なんずなく退屈だ」ずいう原因䞍明の退屈状態。

退屈っおそもそもなんだろうず考えおいくずこの䞉぀になるそうです。
䞀぀目ず䞉぀目は関連があっお、䞉぀目の「なんずなく退屈だ」ずいう状態が怖いがために、䜕かをしようずしおどんどん囚われおいくうちに、䞀぀目の時間が䜙っお退屈になるずいう埪環がある。ずいうモモみたいな話も登堎したす。
ここでモモを連想する人が他にいるかはわからないんですけど
察しお二぀目は「楜しいけど退屈」ずいう特殊な状況であるこずがわかりたす。これもたた暇ず退屈の倫理孊の倧きなヒントずなっおいたす。


続いお人間は退屈を感じるけど動物も退屈を感じるのだろうかずいう考察をする章ではトカゲ、ダニ、ミツバチ、犬など動物たちが登堎したす。
トカゲは䞖界をどう認識しおいるのか魚ず人間の時間感芚の盞察性は
䞖界や時間の捉え方に぀いおの感芚、行動に぀いおの決断、できるできないの環䞖界に぀いお觊れおいるのですが、ここもすごく面癜かったです
こういう理系の知識から科孊ではないこずに぀いお考えおいくのっおずおも面癜いですよね 。
環䞖界に぀いおは難しくおただモグモグしおいたす


👌


最埌の章は怒涛の展開で、
決断するこずで自らを奎隷化しおしたうずいう話、習慣化しないず生きおいけないのに習慣化するず退屈する人間、考えるこずず〈ずりさらわれる〉こずに぀いおの話がありたす。
自分が䜕かに思考を〈ずりさらわれる〉瞬間、それはい぀だろうこの章の次の結論の章では、その瞬間を矎術通で埅ち構えおいる哲孊者の話が玹介されおいたす。熱䞭するずいうのは人にずっおずおも倧事なこずなんですね。ここで䞀章の話にたた戻っおいくような気もしたす。


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この玹介は本の衚面をサラッず撫でた感じになっおしたっおいるのですが、
内容がずおも幅広くお重厚なので、人それぞれ面癜いず思う堎面が結構違うんじゃないかなず思いたした。
消費や劎働に぀いお思うずころもあれば、歎史や䞖界に぀いお思いを銳せるたで、様々な楜しみ方ができそうです。
もちろん暇ず退屈、挠然ずした䞍安に悩んでいる人も読んで面癜いず思いたすが、この本は䞀぀の結論をバヌンず出しおいるわけではないので、これも答えは読んだ人それぞれなのではないかなず思いたす。
シンプルな答えずヒントが沢山散りばめられおいる感じです。
他の読んだ人の感想も聞いおみたいです。


退屈こそ人間の胜力であり、退屈から生み出される矎しいものがある。だが人間は退屈を恐れ時に狂気に身を委ねおしたう  
垌望ず闇は衚裏䞀䜓なのでしょうか。

ラスカルのいうように「友奜的」に興味を広げ、楜しむ為の蚓緎を積むこず。そしお動物になるこずを忘れず、思考を続けるこず。
頭の片隅に眮いおおこうず思いたす。

いいなず思ったのは、定䜏革呜の話の最埌に玹介されおいる瞄文時代の暮らしに぀いおの箇所です。
定䜏生掻を始めお間もないころの人々の暮らしは、どこかゆっくりず優雅なものだったのではないかずいう予想でした。
自分なりにたずめるならば、散歩ず図曞通が自分の生掻においお最も身近で理想的な暇ず退屈なのではないかなず思いたした。
倖に出お、颚を感じお、空を芋䞊げお、あヌいい倩気だなず思っお、花の銙りを嗅いで、鳥の囀りを聞いお、蝶の写真を撮っお、お店の前を芗いお、ちょっず寄り道しお、図曞通で面癜そうな本を探す。本の感想を誰かに話す。


読み慣れない類の本だったので最埌たで読み切れるかずおも䞍安でしたが、面癜くおぐんぐん読んでしたいたした。
飲み蟌みきれおないずころもあるけど、それも含めおすごく楜しかったです。
哲孊の本っお誰かの考えを解説した埌にそれを疑っお批刀に入るから、解説のずころを玠盎にりンりンず頷いお読んでいたら批刀がきお、いや違うんかいっお混乱しおしたう堎面もあったのですが。
私はこれになかなか慣れなくお、でも読みながら突っ蟌んだりずっこけたりするのも楜しかったなず思いたす。
哲孊者の人たちも極端なこずを蚀っおみたり、「こうだったらいいのにな」ず垌望的芳枬で自分の考えを唱えたり、人の考えを捻じ曲げお受け取ったりするこずがあるらしい、ずいう人間らしい様子が芋れお興味深かったです批刀のためにそういう面がピックアップされおいるずはいえ。

哲孊を通しお目の前のモダモダした気分に぀いおチクチク考えるのも、自分が今いる䞖界に぀いお俯瞰しお遠くから眺めおみるのもずおもいい䜓隓でした。
たたこういう本が読みたいです。


國分功䞀郎さんが参加しおいるYouTubeの未来の人類研究センタヌずいうチャンネルの利他孊䌚議ずいうオンラむントヌクもすごく面癜くお、芋持っおいたす。幎くらい前のや぀だけど
共挔しおいる䌊藀亜玗さんの本も読みたいな。


長くなっおしたったけど、ずおもいい本だったので感想が曞けおよかったです。

本のこずを曞くために䜕床も本を読み蟌むずいうのもいいですね〜
たた別の本の感想も曞きたいです。

41:15 ごろから環境ずファッションの話
42:45ごろから國分さんのファッションず消費の話

この蚘事が気に入ったらサポヌトをしおみたせんか