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日記:東京で展覧会をたくさんみた!

こんにちは。
さかなの日記:美術館編です。

わたしは展覧会を観に美術館やギャラリーを巡るのが好きで、
それを理由にして年に何度か東京に遊びに来る地方在住の民です。

美術館は展示はもちろん、建築も面白くてワクワクできる大好きな場所です。

今回は2023年1月6日~8日に東京に遊びに行った時にみた展覧会の記録です。
ピカソやビーズ、ディオール、写真などなど色々な作品を観ることができました!

拙い文章ですが、お暇なときに見てもらえたらうれしいです〜



1.国立西洋美術館で「ピカソとその時代」


夜行バスで東京についた朝、モーニングを食べてからすぐに向かいました。
9時半の開館前には門の前に既に行列が。

ピカソの他にもセザンヌ・クレー・マティス・ジャコメッティなどが一緒に観れる貴重な展示でした。錚々たるメンバー。

中でもクレーが大好きなので、たくさんクレーの実物が観れて嬉しかったです。(34点あります)
色彩が本当に綺麗で、暖かい気持ちになります。
クレーの絵の中に住みたい。
クレーが好きな人は是非観にいってみてください。

ピカソの女性の絵はモデルさんが同じ人でも一枚一枚印象が違って、とてもおしゃれで見比べるのが楽しかった。
年末のみうらじゅん賞で紹介されていた、黄色いセーターの女性にも会うことができたのでした。
私は本を読む女の絵が好きです。

ル・コルビジェ建築の西洋美術館は、常設展示の部屋が好きです。
歩きまわって見ているとかっこよくて映画に出てきそうな感じがします。

クレーの絵 タイトル確認忘れ
本を読む女


2.三菱一号館美術館「ヴァロットン 黒と白」


ヴァロットン にわか雨

時代とパリを見つめたヴァロットンの視線が刺さりました。

木版の簡略化されたシンプルな線、
挿絵として人気のコミカルで愛嬌のある絵柄ですが、
黒と白の美しくも不穏で重い空気がとても好きです。

群衆の一人一人に個性があって、男性も女性も子供も老人も生々しく、
本当に存在していた人達なんだなと感じさせます。
人々の暮らしや社会の不安などが伝わってきて、
今の日本と自分に重ね合わせてみてしまいました。

暗くて不穏で色っぽい雰囲気は自分自身からは遠いけど、
みるのはドキドキして大好きです。

これが初めての三菱一号館美術館でした!
もうすぐ修繕工事があると聞いて、みれなくなる前に来たかったのです。

とても素敵な建物で、階段の窓の明かりや外の庭を見下ろす回廊が居心地よかったです。
ミュージアムショップも、他の美術館にないようなおしゃれなグッズがたくさん。
お庭に薔薇が咲いていて、まったりしました🌹

ポストカードと図録を買いました!タイトルは「警戒」


3.東京国立近代美術館「大竹伸朗展」


三菱一号館美術館から20分くらい歩いて行きました。いい運動🚶

大竹伸朗作品はたまに美術館や芸術祭で目にする程度でそんなに詳しくは知らなかったのですが、展示の途中に生い立ちの紹介とインタビューやメイキングの映像がありました。
本人の言葉や動きがたくさんあるので、こんな人なんだと知れてよかったです。
世界とのつながりを解き明かしたいという欲求が作品数になっていること、
アートが権威のないところで生まれると思った話などが語られていて、名言が満載でした。

個人作家の個展とは思えないくらいの物量で、
ツルツルした質感の網膜シリーズが好きだなとパッと見て思ったのですが、
テーマの記憶と素材の紙の結びつきがとても自然で、なるほどなと思いました。
身の回りのもの全てが材料、作り続けるパワーを無限に感じます。

東京都美術館では、観終わった後に「眺めのいい部屋」でまったり。

とてもカオスな会場でした。面白かった〜


4.渋谷区立松濤美術館「 ビーズ つなぐ かざる みせる 」


ビーズ展は本当に楽しみにしていました!
そして松濤美術館さん、はじめまして。
訪れたのが金曜日で、夜20時まで開館されていたのでゆっくり観ることができました。

ビーズの歴史。素材の多様さ。人々の願いが込められた意匠。
世界中どこにいっても人がいて暮らしがあるように、ビーズがあるのです。
なんて楽しいんでしょう。

腕輪やネックレスなどアクセサリーが大半ですが、全身ビーズがあしらわれた服やコルセット、かばん、マネキンサイズの人形なんかもあります。
一つ一つが美しくて驚きです。
メイキングの映像もあり、貝って加熱で色が変わるんだ〜など新たな知見も得られて楽しかったです。
撮影も一部の展示以外可能でした(ただし長時間の撮影はダメだよ〜などの注意書きもあります)。
写真を後から眺めてニヤニヤしています。

松濤美術館も建物がすごく不思議で面白かったです!
真ん中に吹き抜けがあって、噴水があって、夜だったので照明がキラキラしていました。
展示室も扇状のかたちになっていて個性的でした。
着いた時に偶然建物のツアーが始まる所でしたが、ビーズ展を観る時間を優先して参加はしませんでした。
また機会があれば参加したい。

南アフリカ ズールーの婚礼衣装
とってもカラフル


5.東京都現代美術館「クリスチャン・ディオール 夢のクチュリエ」

ディオールの庭エリア ミスディオールのドレス


Diorは憧れのブランドです。
とはいえ実物を見る機会なんて日常にはありません。
ショーの動画で知ってから、展覧会が本当に楽しみでした。
ネットで前もって予約していたのでスムーズに入ることができました。

まず展示デザインが圧倒的で、一つ一つの部屋が手の込んだ装飾で作り込まれた世界観になっていて、完全に異世界でした。
照明も面白くて、天井にミラーボールがあったり、プロジェクションマッピングがあったりと服以外にも見るところが多すぎて目が忙しかったです。
一回じゃ見切れない。絶対見落としがたくさんある。

デザイナー毎に紹介する展示もありますが、大体は混ざりあっているのでどれが誰のデザインか考えて確認するのも楽しかったです。
ジョン・ガリアーノはわかりやすかった。
一番古いもので70年前の服もあるのですが、
時代の隔たりは全く感じませんでした。
特にディオール本人のデザインは気品とこだわりが感じられてすごく好きでした。
赤いコートがお気に入りです。

ディオールの赤いコート 赤は生命力の色なんだそう
白の部屋 生地にはメモが残っている

真っ白のトルソーが天井まで並んだ部屋では、
形を決める段階のメモや鉛筆で引いたラインが残っていてワクワクしました。
色や生地が決まっていなくても、すでにあんなに美しいなんて。
庭エリアでは刺繍やスパンコールなど生地をじっくり間近でみることができて、一番好きな展示でした。職人さんの手仕事がすごい。
行く前に『ディオールと私』を観ていたので、ラフシモンズデザインが気になりました。ミニマルだけど、装飾の繊細さが一番好きです。


ラフシモンズデザイン スパンコールやビーズの縫い付けが絶妙な上品さ

どのデザインが好きか、どの部屋が好きかをシェアするのは楽しいし、人によって目の付け所が違って面白いですね!
一緒に行った友達はキャプション(英語)の文字組みに注目していてマニアックでした。

まとめて歴代デザイナーの作品がみれて本当に貴重な機会でした。しかも日本で。
アクセサリーや靴がレインボーに展示されていた部屋はパリのショーウィンドウでも展示されているようだけど、あれが街中でみれるなんて羨ましいなあ。

強欲を承知で言うと、モデルさんが着て歩いているところが見たかったです。
歩いて揺れるスカートの裾は、展示されている状態より1000倍美しいだろうな。だからショーって特別なのかも、と思いました。
写真で着用したところがみれたので、それでも十分嬉しかったです。

そして毎年ショーで新しいものをあのクオリティで発表し続ける人たちがいるということに、本当に励まされるし尊敬します。
精鋭のチームメンバーなのだろうな。『ディオールと私』に出演していたメンバーはまだチームにいるのかな。
憧れます。

春にもう一回観に行くかも。


6.東京都現代美術館「ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ 柔らかな舞台」


ウェンデリン・ファン・オルデンボルフはオランダの映像作家です。

フェミニズム、ジェンダー、移民、植民地など作者自身の体験に基づいた社会問題と、人々の対話、詩、文学、建築、音楽、映画、歴史などを織り合わせた映像をつくっています。

一つの作品が20分〜40分ほどの映像なので全部を観ることは難しく、三作品に絞って観ました。

『彼女たちの』は日本で撮影された作品で、林芙美子と宮本百合子作品の朗読と若者達の対話。『オブサダ』は映画をつくる女性たちの対話、『偽りなき響き』はオランダ植民地だった頃のインドネシアで書かれた手紙とラジオ放送局が登場します。(ざっくり…)

内容を理解できるか心配だったけど、配られる冊子の解説とインタビューがあるのでわかりやすく、どれも面白かったです。
ただ映像の途中から見始めると、作品によってはわかりづらいかもしれません。

オランダ出身の作者の体験に基づいた作品づくりで、オランダ植民地だったインドネシアやブラジルなど国同士の関係についてのテーマの作品が多いです。
ですが遠い国や時代が違っても、現代に通じる人々の気持ちが取り上げられています。

作品制作のとっかかりは個人的な体験でも、自分にのみ還元される作品にはしたくないと冊子のインタビューで語られていて、
どんな人にでも届くようにつくる姿勢を大事にされているのだなと思いました。

別の世界と繋がって、自分ごととして共感する体験は疲れることもありますが、
ここでは苦労なくシンプルにその体験が良いものだと思えるような展覧会でした。

『オブサダ』のカメラマンさんが濱口竜二監督の『偶然と想像』のカメラマンさんだと同じだと知って、どちらも好きな作品なので、なんだか嬉しかったです。

Dior展とあわせると一日中美術館にいることになるので、結構疲れるかもと身構えていましたが、気づいたら閉館ギリギリになっていたくらい、もっと観たかったです。

全部を1日で観れなかった人のために、再入場券ももらえます。
映像が好きな人、ジェンダーや政治などのテーマに興味がある人におすすめです。



7.東京写真美術館「野口里佳 不思議な力」


写真美術館も初めて行きました!うれしい。
突発的に、今から行こう!と思い立って恵比寿へ。東京は行きたい場所同士が近くていいなあ。

雑誌IMAの川内倫子さんとの対談を読んでいたので、観れてよかったです。
目には見えない不思議な力を、写真に撮るという、繊細で根気のある力を感じました。

「父のアルバム」の、写真を現像していく過程の文章と、家族写真が印象的でした。

クマンバチの作品について、本人がクマンバチのことが怖くて撮ろうと思ったことが語られていて、面白かったです。胃カメラを使う発想もユニークでした。

映像もゆっくり観れました。

観終わって数日経つ今でも、グッとくる展示でした。


不思議な力 プリズムとスプーンから垂れるシロップ


8.NADiff a/p/a/r/t 「今村文 玄関のあなた」


写真美術館のあと知らずに立ち寄った本屋さんで今村文さんの展示がされていました。
NADiff a/p/a/r/tはアートな本屋さんです。
写真美術館から徒歩10分くらいの場所にあります。
今村さんの作品はコロナ禍前の資生堂ギャラリーで観ていて、偶然の嬉しい再会でした。

コラージュのような、色の塗った紙を切って貼った作品です。
作家の言葉では標本と言い表されています。
パリパリとした質感の茶色い紙と柔らかい紙が重なりあって、
シクラメンの花と茎と根が絡みあっていて、
不思議な雰囲気で優しくて温かみがあります。

壁にもお花があってラブリーな空間でした。
猫のてっちんとの制作風景のZINEもかわいかった。

展示は無料で観れます。

今村さんの作品


9.新宿 北村写真機店「 IMA Next 受賞者展後期 」  

Twitterで知って面白そうだと思って、こちらも突発的に行きました。

IMAはアートフォトを扱った雑誌で、私は写真やカメラのことはわからないのですが、みているだけで楽しいような不思議で面白い写真がたくさん載っています。

展覧会では今後注目の写真家たちの作品が展示されていました。

ネット上には面白い画像がたくさんあるけど、こうして紙に印刷された写真を少数でじっくりみるのは特別に感じられて楽しいです。
世の中には写真に依存しているものがたくさんあって、逆に写真は色んなテーマと繋がれるから、面白いなぁと思います。
紙も重要なんだろうなあ。

展示は無料で観れます。


北村写真機店も初めて行ったけど、とにかくカメラとレンズがたくさんあって、博物館みたいでした!かっこよかった〜。

写真のような絵画のような彫刻のような


🌷

今回は絵画、版画、現代美術、ビーズ、ファッション、写真と、色んなものを観ることができました。

特にビーズ展やDIOR展のような、アクセサリーやファッションの展示が観れて楽しかったです。
絵画や彫刻のようなアートとは違って、
人が着て初めて服が完成するとディオールさんが言ったように、
アクセサリーやファッションは使っている時に生きるもの。
身につけられて美しいという尊い×尊いものなのだと思いました。
展示では人が身につけることはないけど、
たくさんの点数がまとめて観れて嬉しかったです。

写真の展示を2つ観られたのも、新ジャンルの開拓をした気持ちになれました。
初めて行った美術館もたくさんあって、建築も楽しかったなあ。
もっと色々調べて開拓していきたいです。

いつもいいな〜とか好きだな〜とかそんな語彙しか出てこないけど、
こうやって感想を書いておくのは楽しかったです。

今年もたくさん展覧会を観たいな。


読んでいただきありがとうございました🌷

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