褒めて伸ばすな、制限して育てろ
褒めて伸ばすな、制限して育てろ
こんにちはフクシンです。今日も見ていただき本当にありがとうございます。
褒めて伸ばす。
最近、よく言われているキーワードです。
でも今日は褒めて伸ばす危険性もお話ししながら、制限して育てることの大切さをお伝えしたいと思います。
意外に思いませんか?褒めて伸ばすことがトレンドですよね。
最近、よく日本の子どもの自尊心が低いというのが言われてました。
ある調査では、欧米や韓国・中国の高校生と比べて、日本の高校生は
・人とうまく協力できる
・辛いことがあっても乗り越えられる
・努力すればなんでもできる
・自分には価値がある
という項目で低い数値が出ていて
・あまり得意なことがないと思う
という項目では高い数値が出ています。
失敗や辛い体験、幼少期の家庭環境の他、学校教育や日本の慣習が原因とも言われていて、
・ありのままの自分を認められない
・他人に迷惑をかけるのは悪いこと
・自己主張は良くない
・謙遜するのが美徳
いろんな背景が取り沙汰されてます。
社会に出ると、さまざまな規制の中で折り合っていかないといけない。それは現実。僕はタップを教えていても、ほめたり、いいねというのは割と伝えるのですが、ダメだな、出来てないな、はなかなか言えないというのは実際にあります。
叱るとか、注意するとかって、最近伝えるのに結構気を使いますよね。
自尊心、大切に育てる必要がある一方、自尊心が過ぎると、慢心やナルシシズムになると、じぶんへの過信が生まれ、成績が下がるという研究結果も出ています。
能力を伸ばすのは、自尊心より自制心というのを、ロウ・バウマイスター・ジョン・ティアニーの著書 WILL POWER意志力の科学にも書かれています。
今日は、この本の内容にも触れながら、
褒めて伸ばすよりも、制限をかけて伸ばすことの重要性
ということを3つのポイントでお伝えしていきたいと思います。
自尊心と自制心
自尊心(じそんしん)は、自分自身に対する評価や尊重の度合いで、要は自分が好きになれるかどうかです。自尊心は、個人の幸福感や自己成長に重要な役割を果たします。
カリフォルニア州の自尊心についての調査特別委員会委員長のアンドリュー・メッカによると、事実上、全ての社会的問題の根は自分を好きになれないことに帰結する と述べています。
国際比較で自己肯定感が低い日本でも、こうしたことが言われていて、アクティブラーニングなどが学校教育では進められています。
一方、自制心(じせいしん)は、欲望や衝動を制御し、自己管理する能力を指します。いわゆるセルフコントロール。
自制心の高い人は、短期的な快楽や衝動的な行動に飛びつくことなく、長期的な目標や価値観に基づいた選択をすることができます。
自尊心が高い人は、自己価値感が強く、自分に対しての信頼があり、自制心を維持しやすくなります。逆に、自制心が高い人は、自分の価値や能力に自信を持つ傾向があり、自尊心を高める要素となり、自尊心と自制心は相互に関連し、一緒に働くことが多いです。
自尊心以上に必要なもの 自制心
その反面、自尊心も高すぎると、助言に耳を貸さないこともある。傲慢や自惚れ、ナルシシズムに陥ると成績は落ちるという結果も出ています
欧米では、自分の意見を言うのが当たり前のコミュニケーションをとるのに対し、日本では、相手からの見え方を気にするのがコミュニケーションの基本にあるように思います。だからこそ、自尊心の持ち方も欧米とは違う。
でも、最近、日本では、褒めて伸ばすというのがトレンドにもなっているように思います。褒めて伸ばすというのは、伝える側にとっては耳の痛い話を言うわけでもないので、難しい面はありますが、気分的には楽に思います。ダメでも褒めていればいいんだから。
多くの学生、親、教育者が自尊心を高めれれば大丈夫という安易さに惹きつけられています。
自尊心の高い人は、現状が厳しくなると自分が思い悩む必要はないと判断し、他人が自分のすばらしさを解らないのは、自分ではなく他人に問題があると考える傾向があるそうです。
著書では、アジア系の市民は、子どもに高い目標を設定し、親が厳しい規範を守らせる傾向があり、子どもが学ぶのは楽しみであって苦労して取り組むことではないと思わせているヨーロッパ系の市民と比べ、エリートの仕事に、低いIQでもつけているそうです。
でも本来、自尊心とは達成感が感じられた時に生まれる。
単に褒めることだけでは本当の自尊心は生まれません。
WILL POWERの本では、自尊心よりも、自己コントロールを学ばせる
これが大事と書かれています
制限を加える。その方が子どもは楽しめる
できないことでチャレンジ精神を産む。自制心を育む 達成できたら自尊心が育まれる。
僕はどちらも並び立って、成長するように思います。
チクセントミハイのフローには、人が夢中になるフロー状態になるには、チャレンジの要素が必要とされています。自由に考えるというのは制限がないところですが、その一方、制限がかかると、その範囲内でのチャレンジをすることになります。
その時に、挑めるかどうかが伸びる秘訣だと思います。
なりたいじぶん探しは、being doing havingの繰り返し
よく、自己実現やコーチングで、being、doing、havingというのが言われてます。
beingは、自分はこうありたいって姿。価値観。
例えば僕なら、ニュートラルな人でありたい というふうにありたい姿を追い求めます。
Doingとはやりたいことを考えるための要素です。
やりたいことを細分化すると「好きなこと」と「得意なこと」の2つに分解できます。
僕の好きなことは、人をワクワクさせたい。人の心を動かすことが好きなことだと言えます。
得意なこととしては、人の話を聞く事というのは得意だと思います。それと、人より大きな視点で物事を見ることは得意かもしれません。あと、細かい作業、例えばプログラミングなどの仕組みを考えることも得意かもしれません。
最後にhavingは、Being・Doingを考えた上で将来的に自分自身が何を手に入れたいかという意味です。
子どもの頃は、havingばかり考えていて、有名になりたい、お金持ちになりたい、そんな感じですよね。
beingは、いろんな人と関わり、いろんな場面を生で体験し、なんとなく生まれてくるもの。でもその出発点は、別にhaving 有名になりたい、お金持ちになりたいがきっかけでも、じゃそうなろうと思ったら何したらいいっていうdoingが生まれ、いろんな壁にぶつかり人と関わり、結果的になんとなく、こんな感じがいいなっていうのが生まれてきてbeingが生まれます。
being、doing、having この3つを探し続けることが、なんか人生の目的なんじゃいかと思います。
そんな中で、自尊心は、beingを作っていく土台みたいなもの。自制心は、doing、havingに至る、いかに自分を高めていくかというもの。
つまり、自制心がhaving、doingを導き、最後にbeing、あるべきじぶんの姿を明らかにするのではないかと思います
逆に、自尊心がリードしてると、beingははっきりするものの、実際に動く、doingや havingに繋がらず、ナルティシズムに陥るというわけです
自尊感情の上に自制心がある
自制心が高いと、動揺しない
いつも高い視座で物事を捉えられる
だから平常心でいられる
自尊心が高いと、自主性が高まる。自分に自信があるから。信念に基づき行動し、信じるものを守り、他人に近づき、新しい仕事のリスクを不息受ける強い意欲を持つ。
また、機嫌よく過ごせる。全体的に満足を感じていて、困難を克服したり、憂鬱な気分を吹き飛ばしたり、失敗から立ち直ったりするために、自信が必要なときは都合がいい。
僕は、どっちも必要だと思っていて、
自尊心だけ極端に高くて、自制心が極端に低いと、ナルシスト化する。自分を信じて疑わない。
自制心だけ極端に高くて、自尊心が極端に低いと、同調圧力に流されやすい。日本人に多いパターンがこれではないかと思います。
でも自制心は、社会のルールから、いろいろ体験して学ぶものであって、自尊心は本来人が持っているもの。
社会の中で体験してきて、人は必ず”ぼくはこれでいいのか?”という疑問を持つものだと思います。
いわゆるbeingは社会を体験するからこそ生まれてくる姿。そこからdoing havingも生まれてくる。
だいたい、自分に疑問を持たないこと。これは重症のような気がします。自分を信じる、でも疑ってもかかる。
それが成長する基本マインドではと思います。
自尊心、自制心。要はバランスで、でも学ぶのは自制心、自分で育むのが自尊心ではないかと思います。
今日も最後まで見ていただき、ありがとうございました。フクシンでした。