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「誰の話を聴いてあげたいですか?」

みなさま、おはようございます。
本日は、非常勤カウンセラーのYが担当いたします。

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魔法の質問260
誰の話を聴いてあげたいですか?

人の話をしっかり聴いてあげる。
「聞く」ではなく「聴く」。
なんとなく耳に入れるのではなく、全身全霊で耳を傾ける。
「どんなときも、あなたの味方ですよ」という気持ちをこめて。
誰でも、人にゆっくり話を聴いてもらえる機会は多くない。
あなたは、そういう貴重な存在の一人。
誰よりもしっかり聴いてあげよう。
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マツダミヒロ『365日の質問』(光文社、2021年)

「聴く」ことを仕事にしている立場としては、なかなか重いお題をいただいたように思います…
大前提として、相談に来られるすべての方のお話をしっかり聴くのですが、今回のお題は、「誰の話を」とのこと。

このお題をいただいて、真っ先に思い浮かんだのは、父のことです。
うちの家族は普通に仲が良かったのですが、それでも、父親とじっくり話をする機会というのは、少なかったように思います。
母が亡くなって、父と話をする機会は大幅に増えたものの、話す内容は、日々の生活に必要なことばかり。
踏み込んだ話をしても、二言目、三言目にはどちらかが怒り出してしまったり…。

そんな関係でしたが、唯一「聴く」ことをしてあげられたなと思うのは、母の納骨の帰りの車の中での会話くらいでしょうか。
いつも家族で外出する際は、常に父が運転手だったのですが、その日は疲れもたまっていたようで、私が運転席、父が助手席。
他愛もない話から、父が現役で働いていたころの話になり、どんどん時間をさかのぼって、高卒で就職したときの話、父が子供のころの家庭事情、なぜか父をかわいがってくれたおじさんの話など、いままで一度も聞いたことのなかった話を、いろいろと知ることになりました。
自分にとっては、父はヒーローのような存在だったので、案外、本人は人間臭い悩みを抱えて頑張っていたんだなとか…。

日常に戻ると、なかなか「聴く」機会を作ることができませんね。
なんやかんやしているうちに、父も体調を崩し、母のもとへと旅立ちました。

大切な人ほど、「聴く」機会を作ることは難しいです。
父とのことでも、どうすればよかったのか、まだ整理はついていません。
母とは話す機会は多かったように思いますが、「聴く」ことができていたか…
今日一緒にいる人も、いつ会えなくなるかわからない、と知ったことが、ようやく、一歩目なのかもしれません。

休日は、大切な人と過ごされる方も多いと思います。
この機会に、短い時間でも「聴く」機会を作ってみてはいかがでしょうか。
私も、目の前の人を「聴く」機会を逃さないように、日々精進していきたいと思います。

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