見出し画像

「どんなメッセージを受け取りますか?」

非常勤カウンセラーをしております、Dです。
今日からカウンセラーの順番とのことで、意気揚々とトップバッターに就任しました!よろしくお願いいたします。

♪**♪**♪**♪**♪**♪**♪**♪**♪**♪**♪**♪**♪

Q.252
どんなメッセージを受け取りますか? 

誰かに教えてもらったり、本を読んだりして学ぶこともあるだろう。
でも、人生にとって必要なことは、メッセージとしてやってくる。
そのメッセージを見逃さずしっかり受け取ろう。
予定と違うことが起きたり、ふと目にした数字を何度も見たり、同じキーワードを立て続けに聞いたり……。
それらはすべてあなたに対するメッセージだ。

♪**♪**♪**♪**♪**♪**♪**♪**♪**♪**♪**♪**♪

マツダミヒロ『365日の質問』(光文社、2021年)

 毎朝普通に起きて、好きな仕事をして、美味しいご飯をお腹一杯食べて、ちょっと午後はウトウトして、帰って美味しいお酒を飲みながらおバカなYoutubeを見て「今日も最高の一日やったなー!」って言いながらベッドにダイブして寝る。
普通の一日ですが、“普通”に生きることって奇跡だと思うので、私はその話をしようと思います。 

私は三姉妹の真ん中っ子です。
2つ上の姉と、3つ下の妹がいます。
小さい頃は喧嘩ばかりでしたが、大人になってからはしょっちゅう3人で飲みに行くくらいに仲良しです。 

4年前、突然姉から電話がありました。
「白血病になった。これから入院する。」
姉は32歳、私は30歳でした。
何が何だか分からないまま家族は病院に集められ、主治医からあれこれ説明を受けて、治療が始まりました。
5年生存確率50%ということはわかりました。
でも病室に行くと姉は持ってきたダーツで遊んでいたし、見た目もいつもと変わらないし、今は令和だし、何やかんやすぐ治るんちゃうかな?くらいに思っていました。 
1ヶ月もしないうちに姉はみるみる痩せていきました。
面会してる2~3時間の間に40度近い熱が出たかと思ったら、突然下がったりして毛布を何枚もかぶったり蹴とばしたりしていました。

白血病の治療は最初は寛解導入療法というのから始まって、その結果「良好群」「中間群」「不良群」というものに分かれます。
うろ覚えですが。
「良好」か「中間」になると化学療法(薬とか)に移るのですが、不良群になると造血幹細胞移植(骨髄移植や臍帯血)しか助かる道はありません。
「良好」か「中間」であって欲しいと祈っていましたが、姉は不良群だと言われてしまいました。

主治医の他に、骨髄移植のコーディネーターの人がやってきて、急いでドナーを探しました。
適合者は5名ほどいたそうですが、移植するにはその人に連絡を取って同意書を取り交わして手術日程を調整しないといけません。
半年はかかるし、それを待っていたら“間に合わない”かもしれませんと言われました。
そうこうしているうちに姉が合併症の肺炎になりました。
私が出張から帰ると母から10件も着信があって、急いで病院に行くと姉は鼻からチューブみたいなのに繋がれて話すことも出来なくなってしまいました。
入院してから3ヶ月目のことでした。
急いで私と妹も骨髄検査を受けましたが、二人とも姉とは白血球の型が適合しませんでした。
背に腹はかえられないので、ほぼダメ元で妹の骨髄を移植することになりました。
輸血のために従妹も新潟から来てくれました。

姉とは筆談することは出来たのですが、その時にスケジュール帳を手渡されました。
そこには
「○○(友達)と飲みに行きたい」
「○○に遊びに行きたい」
「○○を食べたい」
等といっぱい書いてありました。
私なら明日出来るようなことだけど、姉はもう二度と出来ないのかもしれない、こんな普通のことを。
「健康に産んであげられなくてごめんね。変わってあげられなくてごめんね」と母はずっと泣いていました。

移植が終わって数日後、なぜか姉の血液の数値が急激に良くなりました。
主治医の先生も「こんな早さで回復するケースは初めて、学会で発表する」と言っていました。
私はクリスマスに姉に手帳を返して、新しい年の手帳をプレゼントしました。
これからは治療の予定じゃなくて、友達との遊びや楽しい予定でいっぱいになりますように。
拒絶反応でしばらくは大変そうでしたが、移植から3ヶ月ほどで姉は退院しました。
入院から約半年が経っていました。

退院後初の姉の誕生日。
「お誕生日おめでとう」と言いました。
こんなに特別な言葉だとは思いませんでした。 
私は、つい「ないもの」に目を向けてあれこれ不満を言ってしまいます。
何でこうならないの、何でこうしてくれないの、もっとこうしてくれればいいのに。
でも、健康な身体があって、好きな仕事をして、ご飯をもりもり食べられて、好きな人たちに「おはよう」と言えるって、当たり前じゃないですよね。
もっと「あるもの」に目を向けて感謝しなければなりません。
「今この瞬間、普通に生きているだけで奇跡」
半年間、姉の闘病生活を見て、私が受け取ったメッセージです。

それから、私は毎年誕生日に健康診断とがん検診に行ってます。
健康に産んでくれた親に感謝。
今この瞬間健康でいられることに感謝。
姉もまだ経過観察中ですが、あと数ヶ月再発しなければいよいよ完治です。 
姉がコロナを罹った時はヒヤヒヤしましたが、相変わらず元気でいてくれています。
ちょっと早いですが、姉の完治を記念して11月に家族写真を撮りに行ってきます!

この記事が参加している募集

オープン社内報

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?