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水は革靴にとって敵であり、味方でもある。

こちら今は無きタニノクリスチーの靴。
キメの細かい上品なカーフで作られていますが、雨に濡れてアボカド状態になってしまっております。

水に濡れて、革がふやけて、そのまま乾燥するとこの状態になります。

しかし、もう一度水に濡らして、革がふやけた所をシワを伸ばす様に革を均しながら乾燥させると元に戻ります。

そもそも、靴を作る時に、水を張ったバケツにアッパーを漬け込んで、革を柔らかくしてから作る方法もあるぐらいですから、水が必ずしも革靴にとっての敵という訳ではありません。

水の使い方次第で味方になります。

靴の製作では勿論、修理でも毎日水を用いております。

丁度いいタイミングで、適量の水を用いる。まさに干天の慈雨なのです。

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