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HG、MG、RG色々あるけど...「好きなものをつくろうよ」

ガンプラとひと口に言ってもグレードや、機体などたくさんの種類がある。
すこし調べてみると、累計販売総数は5億個。ガンプラは全体で2000種類以上にもなるという。そんな中から何を選んで作ればいいのか、という悩みは当然出てくる。

ガンプラを作る人のなかで「積みプラ」という言葉がある。これは、ひとまず気になるものを買い溜めておいて、作るのは後回しになっていることを指す。これだけ種類があれば積みプラをするのもうなずけるはず(と信じたい)。また、ものによってはすぐに売り切れてしまうモデルもあるので、買い逃しを避けるために積みプラをする人も多い。かく言う私もすでに20個オーバーの状態だ。少し脱線してしまったが、これだけ種類のあるガンプラ。いったい何を選べばいいのか?という話だ。

核心の前に、すこし整理しておこう。大雑把に言って、ガンプラはグレードによって3種類がある。HGとMGとRGだ。

・HG(ハイグレード)
スケールは1/44(注1)。ガンダム10周年を記念してスタートしたグレード。一番展開されているモデルが多く、入門編といえるグレード。製造元のバンダイとしては「塗装なしでもかっこいい」と言う仕様だが、後で触れるMGやRGと比較すると完成はちょっとショボい。ものによってよくできたキット(注2)と、残念なキットがある。1体1000円〜2000円レベル。ただし、一部の大型機体は高い。

・MG(マスターグレード)
スケールは1/100。MGは内部フレームに外装パーツをつけていく構造になっていて、作りが非常にリアル。できあがった時に1/100スケールなので、大きく(おおむね20センチ弱)迫力がある。歴史は古く1995年から登場している。初期に登場したモデルから度重なるバージョンアップが図られているため、初期登場モデルは結構つくりが残念なケースがある。1体3000円〜。一部の超豪華仕様は高い。

・RG(リアルグレード)
縮尺は1/144。2010年にガンプラ30周年企画として登場した。「手のひらサイズで本当のリアルを」というコンセプトでパーツは細かい色分けがされていて、付属するデカール(注3)も豊富。総じてどのモデルもさすがの出来。1体3000円〜。大型モデルはこの限りではない。

※価格は家電量販店で購入した場合のイメージ。

注1:スケールとはアニメ設定におけるモビルスーツを何分の1にしたものかを指す。例えば初期ガンダムは約18mの設定。1/144なら12.5センチ、1/100なら18センチになる。模型にするとこの差はかなり大きい。

注2:キットとは模型などを組み立てる材料一式を指す。ガンプラの場合、1体を完成させるための材料はすべて箱に格納されているのでキットは「ある機体のプラモ」を指すとも言える。

注3:デカールとは、プラモデルに貼り付けるシールのこと。剥がしてそのまま貼り付けるタイプや水に浸して台紙から剥がして貼り付ける水転写式などがある。デカール貼りは失敗しやすく、細かい作業のため精神を削られる工程のひとつ。

実はこれ以外にもPG(パーフェクトグレード)があったり、HGにも色々な種類があったりするのであくまでおおまかな分け方。でも、これぐらいで十分だろう。ここまでまとめたように、HGが入門編として存在し、MGとRGは上級者向けという位置づけという印象がある。

本題、結局何つくる?

さて、本題。結局何をつくるのさ?ということなんだが、これはもう「自分の好きなものを買いなはれ。作りなはれ」である。アニメを見て、この機体を作りたい!というものがあったとしてもHGでしか展開されていないというケースもあるし、出来上がったときの重厚感が好きならMGやRGをチョイスすることになる。杓子定規に、コレがいいということは言えない。ならば、作る人が作りたいと思うものを作ればいい。それこそが「ガンプラは自由だ!」の精神にかなうからだ。ちなみに、私はひさしぶりのガンプラ制作をすると言う人が、いきなりRGのバンシィ作り始めて、完成させたと言う驚きの事例を知っている。すごく丁寧に作られていて、「おれもRG作りてえ」と思ったのだった。

とは言え、私の場合は?

私の場合、基本的にHGを買って作り、好きなモデルがあればMGを買うというスタンスだ。理由は1/44は、老眼のおっさんは作るのが大変だから。HGも1/44じゃないか!という声が聞こえてきそうだけれども、個別パーツの細かさで見るとHGとRGでは雲泥の差がある。パーツを組み上げるだけでひと苦労。改造や塗装までしようと思うとゾッとする。それぐらい大変。ぜひ老眼ではない人はRGにチャレンジしてほしいとは思う。手のひらサイズで、ここまで情報量(注4)を盛り込むかと驚くはずだ。ちなみに、HGはちょっとディテールを追加して、塗装を頑張れば雰囲気のあるものが作れると思う。汚し加工の練習をしたいと思って組んだズゴッグEはこちらです。ゲート処理(注5)ほぼせずにザクザク組んで塗装とウェザリング(注6)だけにとどめています。

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注4:情報量とは、模型の場合パーツ表面の凹凸であったり、溝だったりという表面加工の量のことを指す模型づくり界隈の隠語。HGは情報量が少なく、RGは多いというのが一般的な理解かと思う。もっともジ・オリジン版のHGは別格で、HGなのに情報量が多い。

注5:ゲート処理とは、ちょっと専門的用語。プラモデルはランナーという枠組みに各パーツがぶら下がっている。ぶどうの房みたいなものです。そのランナーからパーツを切り出して組み立てるのだが、ランナーとパーツをつなぐ細いプラスチックの棒部分が「ゲート」。で、このゲートがちょっと残るんですね。切り出したときに。それをきれいに平らにするのが「ゲート処理」という加工になります。紙やすりでやすったり、デザインナイフで切ってしまうやり方が一般的かと思う。

注6:ウェザリングとは「風化」表現を重視した塗装技法。現実にその模型が使われたとしたら、どんなサビやオイル汚れが出るかを想定しながら塗装をしていく。単純に汚せばいい、というわけではない。

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