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扇町公園”疑惑のサクラ”、大阪市による”市民分断の象徴”の木となってしまいました

扇町公園の”疑惑のサクラ”については、下記の記事で経緯を書きました。
大阪市の安全対策事業で、扇町公園の木が55本伐採されるなか、1本だけ伐採されずに残った木です。

どうしてこの木だけが伐採されないのか。経緯を確かめるために、大阪市に情報公開請求をしたところ文書が公開されました。

サクラについての地元からの要望への対応方針
地元からの要望

要するに、扇町公園の地元の「北区連合町会」から、「桜並木に愛着を持っている」から、このサクラの木を残してほしいと要望があったので(2024年5月2日)、「対応方針」(下記に掲載する)に基づいて「経過観察」とした、つまり、伐採は保留ということです。

「対応方針」は、このサクラを「経過観察」とするために新しく作られたものです。

公園樹の安全対策事業対象樹木への地元からの要望への対応方針

「地域団体から、対象樹木を残してほしいとの強い意見」があるなどいくつかの要件を満たせば、対象樹木を「経過観察」とするというものです。7月5日に起案され、7月5日に決済されています。このサクラの木を残すために、わざわざ新しく作ったわけです。ちなみに、安全対策事業による公園樹の伐採は、昨年度で終了したため、他の樹木のありかたには影響しないように計算されていると、私たちは見ています。

そして、このサクラを「経過観察」にするという方針は、7月5日に起案され、7月23日に決済されています。大阪市にしては珍しい、素晴らしい連携プレイです。

「対応方針」には、「対象樹木の撤去・更新方針は維持」とあり、自分たちの判断に変更はないことを強調しています。しかし「経過観察」できるわけです。
この方針の問題性は明らかです。
「地域団体」なるものと、その他の市民の要望に優劣を付け、市民の分断を図ろうとしていることです。
地域住民を含む多くの市民が伐採の保留を求めたシンボルツリーのケヤキは、”闇討ち”をしてまで切るのに、「地域団体」なるものの要望には応える。扇町公園事務所、および大阪市建設局はこうした公平性にかけることをやったということを指摘しておきます。

公開された文書だけではまだ不明な点があるので、追加で情報公開請求を行っています。
乞うご期待!!!

<9月9日追記>
5月2日に北野連合町会が扇町公園事務所へ行った要望については、あとになってまとめたメモが公開されたが(上記文書)、実際に要望を受けた直後に扇町公園事務所が作ったメモがあるに違いないと情報公開請求した。要望を受けたなら、要望者は誰で、公園事務所の誰が、どのような要望を受けたかなど、いわゆる5W1Hを文書で残すのがふつうではないか。別のケースで、公園事務所が作ったそうしたメモを見たことがある。
しかし今回は、町会側は「口頭で要望を伝え」たし、それを受けて、公園事務所はそれに関する文書を残していないという。驚きである。大阪市は文書主義の原則がないのか。扇町公園事務所の職員の問題なのか。とにかく驚きである。
「(公文書の)不存在による非公開決定通知書」が送られてきたので、「公文書を保有していない理由」の部分を、ここに公開しておく。

(追記終わり)

このサクラを「経過観察」するという方針を、大阪市は対外的には公表していません。
サクラに張ってあった伐採を予告する張り紙も、7月末にはがしてしまいました。”闇討ち”ならぬ、”闇はがし”です。よほど後ろ暗いことでもあるのでしょうか。
団体協議においても、扇町公園事務所の松本所長は、「市民の安全・安心に支障をきたす」、「何よりも安全を優先する」と大見得を切ったのだから、ちゃんと市のHPで「経過観察」とした事実を公表し、当該のサクラにも説明の張り紙をすべきではないか。

7月29日にはすでに「張り紙」はない

※せっかくなので、決裁文書もここで公開します。

①扇町公園の公園樹安全対策事業の地元要望(サクラ)への対応について

②公園樹の安全対策事業対象樹木への地元からの要望への対応方針につい


※朝日新聞デジタルの連載「街路樹のこと」にも、”疑惑のサクラ”など扇町公園の樹木のことが取り上げられました。扇町公園事務所の所長らのツラも見ることができます。


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