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#29 生産者はどれくらい売り上げているのか?

前回、大阪産(もん)の販路について調べましたが、大阪の生産者はそもそもどれくらい売り上げているのでしょうか!?

売上そのものを公開しているデータが見つからないので、今回は販売金額別の生産者(経営体)数を調べました!!

販売金額別の経営体数、最も多いのは○○円

大阪府の販売金額別経営体数(2015年と2020年の比較)
農林業センサスより
大阪府の販売金額別経営体数(2015年)
大阪府の販売金額別経営体数(2020年)

<大阪の特徴>
〇50万円未満の販売額の生産者が圧倒的に多い!!(37%)
→大半は兼業か自給的な農業をされている方と思われます。

〇1,000万円以上販売する経営体が約300ある。

〇50万円未満の経営体がここ5年で激減している。
→おそらく高齢の方が続けられなくなり、減っているのだと思われます。

では、全国だとどのような傾向でしょうか??

全国と大阪府では大きく異なる傾向が!!

全国の販売金額別経営体数(2015年と2020年の比較)
農林業センサスより
全国の販売金額別経営体数(2015年)
全国の販売金額別経営体数(2020年)

<全国の特徴>
50万円未満の販売額の生産者が多かったもののその割合は激減している!!(34%→27%)

〇1,000万円以上販売する経営体が約130,000ある。

〇300万円以上販売する経営体数が増えている!!(全体の22%→28%に!!)
→大阪と大きく異なるのは、大規模な経営体が増えてきているところです。各地域で核となる生産者ができつつあるのだと思います。

色んな要因があるのだとは思いますが、1つは機械の導入→土地の集約化のサイクルがうまく回っているのだと思います。

まとめ

今回は販売金額別の経営体数を見てきました。
まとめるとこんな感じでしょうか。

このデータを見ていると、大阪は全国と比べて力のある生産者への経営資源(面積や人)の集約化(規模拡大)があまり進んでいないのではないかと推察されます。
狭い面積で機械が導入しにくいのではないか、土地の資産価値が高いため、地方よりも土地の権利委譲の流動性が低いのではないかなどが原因かと思われました。

では大阪ではどの地域でも同じような状況なのか、地域によってはここ5年で集約化が進んでいるのではないか?などを調べるために、次回は市町村別のデータに注目したいと思います!!

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