#06 経営品目別の農家数
これまで、農業者数について、性別、年齢別、市町村別に見てきました。
では、品目別(果樹、野菜、稲など)に注目すると、どの農業者が多いのでしょうか??
また、各品目についてどこの市町村に多いのでしょうか??
多品目を生産されている農業者が大阪では多いので、今回は「販売金額1位の部門別」の経営体数を見ていきます。
販売金額1位の部門別経営体数(全国、大阪)
全国、大阪ともに稲作農家が最も多いです。
また、全国と比較して、露地野菜、施設野菜の占める割合が高くなっています。
これは都市近郊である大阪農業の特徴の一つですね。
ちなみに、都道府県別で見ると、露地野菜は関東近郊が、花卉は中部地方が、畜産は九州地方に多いことがわかります。
では、府内市町村別ではどうなるのでしょうか??
販売金額1位の部門別経営体数(府内市町村別)
全体的には稲作農家が圧倒的に多いです。
稲作は大阪北部に、露地野菜、施設野菜は大阪南部に、果樹は大阪の東部(南東部)に多いことがわかります!(花卉は何とも言い難いです。)
大阪南部だと泉州水なすが有名で、果樹では柏原市や羽曳野市のぶどう、羽曳野市のいちじくが有名です。
能勢は農地の面積が広いので稲作農家が多くなります。
大阪では稲作が盛んなのか??
部門別では稲作農家が最も多いことがわかります。
が、大阪といえば水なすやデラウェアといった野菜、果樹のイメージです。(実はデラウェア多いんです。)
このギャップはなぜ生じるのでしょうか?
そこで、農業者数ではなく農業産出額に着目してみます。
大阪府の農業産出額は320億円と推計されており、なんと野菜が43%(137億円)を占めます!!
米も23%(72億円)を占めますが、果実とそこまで変わりません。
農業者数は稲が圧倒的に多かったことを踏まえると傾向が大きく異なります。
また市町村別の農業産出額では堺市、岸和田市など野菜生産が盛んな地域に加え、羽曳野市といった果樹生産が盛んな地域が上位に連なっています。
稲作農家は多いのですが、数の割には農業生産額が野菜よりも低く、果樹程度となっています。
以上から考えられることは・・・
米は兼業でされている方が多いと思われます。
一経営体あたりの農業生産額で考えると、野菜や果樹の方が圧倒的に高くなり、米だけでは経営が成立しません。
米は生産面積が経営に大きく関わってくるため、農地面積の狭い大阪では米だけで生計を立てることは中々難しいです。
一方で、米は野菜や果樹に比べて害虫が付きにくかったり、田植え、収穫で機械化が進んでいたりなど比較的手間がかかりません。
そのため、平日は働き、週末だけ農作業をする場合でも手が回るようになるので、兼業農家としてされている方が多いです。
まとめ
今回のタイトル「大阪では何農家が多いのか?」の問いに対する答えとしては、
「最も多いのは米農家です。が、、米農家の多数は兼業であり、農業で生計を立てている方は野菜農家や果樹農家がほとんど」ということになると思います。
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