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「ことば」について

M2になりましたカマタニです。久々に投稿します。

私は大学1年から毎年同じブランドのスケジュール帳を使っています。今年度のものを何にしようか考えていた時、SNSで見かけたある表紙に一目惚れしました。それは以前から好きだった写真家濱田英明さんとのコラボデザインでした。まだ綺麗なスケジュール帳を前に、濱田さんが以前書かれていたnoteで素敵だなと思う投稿を思い出しました。

英語では「木洩れ陽」を一言で表せられないそうです。英語で「木洩れ陽」は「木々の隙間から射す光」という単なる事実として認識されている一方、日本語ではその事実になにかしらの価値を見出していると濵田さんは仰います。言葉というものは、かつて名もなき現象や感情だった何かに誰かが与えたもので、言葉になってはじめて感覚を広く共有することができるとのだと。つまり、言葉を与えることはそれに価値を与えるのと同じなのだと、掻い摘んで要約するとこんなことを仰ってました。この後この話を写真を撮ることと繋げて書かれているので、是非全文読んでいただきたい投稿です。

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何かに名前をつけ、その言葉が共有されるということは、誰かが見出した「世界の記述」を皆が共有しているということなのですね。日本人って何なんだというのも、このような「見え方」の共有の積み重ねであると言えそうな気もしますね。

私は建築に興味があったので、高校時代理系でしたが、理系科目は本当は苦手で、興味もあまり湧かず、なかなかに辛い日々でした。そんな中唯一好きだと思えた科目が英語で、その中でも英作文は面白いと思っていました。

英作文はただ日本語を英単語と英文法で翻訳していくものではありません。そこが興味深かったのです。日本語で一単語で言える言葉が英語では存在しない。長く別の言葉で説明しなければならない。入試問題となるとそんなとこが狙われます。その言い換えを考えている時が、勉強する中で唯一楽しい時間でした。日本語とは異なる「世界の記述」をしている英語という「見え方」を知る。言語を学ぶ本質はそこにあるのではないかと思い、核心に触れられた気がして嬉しかったです。先程の記事を見ていて、自分のこんな経験を思い出しました。

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SNSで、今度は興味深い本を知り、読んでみました。先ほどの「木洩れ陽」をはじめとした、外国語では一言で翻訳できない世界中の言葉が綴られている絵本です。同じですね。コロナで外国に行けない中、ちょっとした異文化を巡る旅に連れて行ってくれる心地良い本でした。

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さて、本業の建築に話を戻すと、私は今修士研究のテーマとフィールド探しに苦戦しています。ただ、何となく場所と呼応する人々の暮らし、そこで生まれる建築と街の風景に言及したいなと思っています。その場所ならではの文化、風習、言葉や考え方、つまりその場所固有の世界の「見え方」「記述の仕方」「パタン」「メガネ」を通して掴み取れれば良いなと思っています。

頑張らんと…

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