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スペック、コンテンツ、そしてヒューマン!

先日、新規事案のベンチマークとしてとらえている「箱根本箱」http://hakonehonbako.com/ を訪れてきました。
ここは「自遊人」という地域クリエイティブメディア http://jiyujin.co.jp/ が経営しています。
GM陣の皆さんは数年前越後湯沢にある「里山十帖」に行ったことがあると思いますが、「宿は動く地域メディア」と唱え旅館経営案件を増やしています。2年前に開業されたこの箱根本箱は、元々、日本出版販売という本の取次の大手会社の保養所だったそうです。施設も古く、また活用もなされない、赤字を垂れ流していた厚生施設の再生案件を同社が企画運営を託されたわけです。箱根といえば温泉、しかも、都市部から近いこともあり全国的にも人気のある避暑地でもあることから、多くの企業保養地として有名です。
当然,富士屋ホテルをはじめ歴史のある名旅館から、外資系のラグジュアリーホテルまでフルラインナップで宿泊施設が揃った地域です。
つまり、競合の同業がひしめいている地域であるわけですから、当然、機会が大きい分、その競争優位性や差別化戦略は大変重要なポイントになるわけです。

振り切り方とセレクトの仕方

そこで同社が、「本の可能性」に着目し、完全に本との過ごしに振り切った、そこに、自遊人のお家芸であるガストロノミー(地域食材を主体とした食事)、そして(そもそもの)温泉・・・この掛け算で価値を出していました。本の数は12000冊、数はさながら質が高い・・・メディアと出版会社がタッグを組んでいるだけでにその振り切り方とセレクトは秀逸です。
また、単なるブックギャラリー、ないしはライブラリーの次元でなく、「本箱」の名の通り、本を楽しめる個室(箱?)のような空間が随所に配置されていて、まさに客室で過ごす以上に、この本箱に囲まれて本を楽しむ世界観を提供しています!本に馴染みのない人でも十分楽しめる、寛げるくらいの時間・空間を演出しています!
ハードは、20年経つ、いわゆる古い建造物ですが、それをカバーするコンテンツに素晴らしく工夫を凝らしていました!

心遣いが肝心

そして、何より、この「設え」だけでなく・・・チェックインの際にスタッフから、「以前は里山十帖でお世話になりました」と声をかけていただきました!ゲストヒストリーがきちんちしていると思いきや・・・数時間後の事業者の岩佐社長からメッセンジャーから御礼のお声がけが届き、挙句になんやかんや値引きしていただきました💦・・・
今回視察主体でもあったので、あえて声をかえず忍び?のように来ていたのでちょっと驚きましたが、この心遣いにとても感激しました!
お客様に成り代わってみると、やはりこれはうれしいですね!
「私がお店のこと、主人(スタッフ)を知っていることが理由でその店に行く」のでなく「主人(スタッフ)が私のことを知ってくれている、そのことを私自身が知っている・・・だからその店に行く」
多分、お客さんの訪れる心理はそこにある・・・と改めて再認識しました!
宿はハード(スペック)とソフト(コンテンツ)、そしてヒューマン!
この原則は普遍ですかね。

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