見出し画像

背筋を伸ばして、気を引き締めて

カフェで細かい作業をしながら、あぁ〜疲れたと思ったとき、ふと前職の尊敬している上司の言葉を思い出した。

「俺は、やる理由を見つけるのが上手いんだよね」

本当にその言葉通りの上司だった。

営業職だったので、アポとりや商談、資料作成などが主な業務になる訳だが、その全てにおいて意味を見出していた。

それはハッタリや後輩向けの姿ではなくて、心の底からそう思っている、もしくは洗脳しきっている人の言葉。

どんなシチュエーションでも、どの言葉にも「この仕事をやる意味」がしっかりと浸透されていて、フィードバックに一貫性があった。

そんな方が新卒一年目の上司だったので、私も自分のする仕事全てに、もはや事実以上の意味づけをしていた。

私がアポを取らなければ、この方がサービスを知る機会を奪う。
絶対にこの仕事が、誰かの素晴らしい旅行体験に繋がる。

実際には私がいなくても何の支障もないのだが、そう言い聞かせて働くことはとてもやりがいがあった。

そして居場所は変わり、今はそんな環境ではない。
自分のご機嫌は自分でとる、成長、モチベーション、やりがいも自らが機会を作り出さない限りは横一直線だ。

地味な泥臭い仕事をしている時、「私は何でこれやっているのかなぁ」と、何度もダークサイドに落ちそうになる。

変に大人になった脳みそが、筋の通ってそうに見える「やらない理由」をぽんぽんと投げかけてくる。

情報に溢れたインターネットが、たくさんのオプションを提案してくる。

未熟な自分は無意識にフラフラと、そんな居心地の良い場所に引き寄せられそうになる。

そうだ、こんなことをやっても、意味がないんじゃないか。

その時ふと、あの上司だったらなんて言うだろうかとよぎった。
その瞬間「やる理由」をキラキラした目で話す姿が浮かんだ。

パッと我に帰ったように、ダークサイドから引き戻される。
こんな姿をその上司に見せたら、優しくアドバイスしながらも、どこかできっと悲しむだろう。

しばらく会う機会はなさそうだけど、次お会いした時、しっかりと成長した姿を見せたい。その人が喜ぶ姿を想像しただけで、とても嬉しい気分になった。

そんな方と出会えたことに感謝して、そして自分も誰かのそんな存在になれるよう、とにかく目の前のことに没頭しよう。
まだまだ自分軸が甘いのだ。



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?