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成功するアクティビティーの3つの要素

まちづくりの第一人者木下斉(ひとし)氏が所長を務める、まちづくりの実践者コミュニティー「Locally Driven Labs(以下、LDL)」。私も「アソシエイト」という立場で所属し、学ばせてもらっています。

膨大な記事を書かれている木下氏ですが、先日書かれていた「【AIR】ebikeによるサイクリングジャーニーの可能性」という記事が参考になったので考察してみたいと思います。リンクを貼っておきますが、有料メンバーでないと途中までしか読めないかもしれません。興味のある方は是非メンバー登録を。

まず、どうして私がこの記事を選んだかと言うと、私も岡山県新見市という過疎の山間部でカヌー体験、シャワートレッキング、洞窟探検といったアクティビティーを開催しているので、記事中に登場する佐藤さんという方とは同業者な訳です。

木下氏は今回、ebikeのアウトドアアクティビティーに参加されたのですが、ご自身が言われているように筋金入りのインドア派との事。そんな木下氏がどうして今回このアクティビティーに参加しようと思われたのか?とても興味が湧いた訳です。

○テクノロジーによる不便、不快の軽減

アウトドアや自然体験というものは良くも悪くも「不便」だし「快適が保証されない」という側面があります。まずは天気や気温などコントロールできない要素が土台にあります。都市部で生活している人は、そこを可能な限りコントロールされた環境で暮らしているので、ひとたび自然の中に放り込まれると不快にしか思われない方がおられます。

さらに自転車で山を登るなど、普通なら絶対に興味を示されないであろうアクティビティーに参加されたのは、ひとえにebikeという電動アシスト自転車の存在が大きかったようです。

これは賛否両論あるところだと思います。私もアウトドアに携わる者として、心から賛同できるかと聞かれれば疑問が残りますが、筋金入りの木下氏の心を動かしたとなれば、一考に値すると思えます。

○知的好奇心も満たしてくれる内容

もう一つ感心したのは、単にアクティビティーをやって「ほら楽しいでしょー?」「自然っていいでしょー?」というだけではなく、地域の産業、歴史、文化などの解説も体験の一部にしてしまっている点です。

私達はこういった要素はほとんど盛り込まずに開催しています。顧客の多くがファミリーだから、という事もありますが、1/3くらいは大人グループもおられます。

「でもお客さんは遊びに来ている訳であって、勉強しに来ている訳ではない。そんなウンチク聞かされてもテンション下がるだけじゃない?」と勝手に思い込んでいたところはあります。確かにそういった人もいるかもしれません。

しかしながら、こういった「バックストーリー」というのは確かにアクティビティーに深みを持たせてくれますし、大して興味もなかった事にググっと関心が湧く、という事もあるような気がします。

ここは話し手のスキルや人柄、事前の勉強量や着眼点などにも左右されますが、木下氏が感銘を受けたように、アクティビティーの更なる魅力アップに繋がるヒントになるなと思いました。

○最後にモノを言うのは主催者の個性

最後に、これは主催者である佐藤さんの想いや情熱、熱量のようなものが木下氏に伝わったからこそ参加を決心させたというか、「なんか面白そうだな」という気にさせたのではないかと推測しています。

私は佐藤氏にはお会いした事はないのですが、おそらくとっても楽しそうにebikeツアーの事を話していたのではないでしょうか?「来て来て来て来て」としつこく勧誘したのではなく、本当に楽しそうに話すものだから、それが伝染して「そんなに楽しいのなら、やっとかないと人生損かも・・」と思われたのかもしれません。

私も今後のツアー設計をする際には大いに参考となる記事でした。機会があれば社員を引き連れて是非佐藤さんのebikeツアーに参加してみたいと思います。