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ぼんやりとした輪郭 2

凡庸な人ほど醜悪になれる。食事、性欲、支配のような目的遂行のための殺害ではなく、他者を破壊する事そのものに愉悦を感じるような陰徳的絶命を望む訳でもなく。ただなんとなく学校に行き、周りにあわせて会社に行き、結婚する。周囲の流れに身を任せた無意識の日常の中での一コマとして至極自然なことであれば、ただ「命令に従っただけ」「周りもやっていた」という大義名分の盾があるだけで別軸では邪悪そのものな行為が幾らでも容易にできてしまう。

特に真面目で勤勉な人な程、自然な行為だと許され、行為の結果を賞賛される環境下でありさえすれば、優秀であればあるほど迅速に徹底的に光を破壊し他者を躊躇なく壊滅させる。

いつかの雨と共に降り落ちてきた悪意が宿る唯一の強烈な個体が殺戮、陵辱、洗脳、破壊を生み出し続けている訳ではなく、怠惰で無自覚な自分がそこにいる可能性が確実にある。

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