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僕が「食べログ」から飲食店を予約する理由

(最初に断っておくと、ここに書いたことは全て「僕個人の考え」であって、これが正解だと言いたいわけでも、誰かと議論したいわけでもない。)

 僕は食べログのヘビーユーザーだと思う。記録をさかのぼると2014年2月から「行った店」や「行きたい店」を登録し始めたようだから、ちょうど6年が経過したことになる。ちなみに2020年3月1日時点で「行った店」は885件、「行きたい店(保存した店)」は2069件だった。

 このようなことを伝えると「マクドナルドや吉野家などにも行くんですか?」と聞かれることが稀にある。もちろん行くし、大好きだ。松屋だって日高屋だってサイゼリヤだって富士そばだって行く。ちなみに好きなお菓子は「たけのこの里」で、最近は週2〜3箱のペースを維持している。
 その時に心と体が喜ぶものであれば、食べる物はなんでも良い。僕の場合、その「喜ぶ」基準が明確にあるだけだと思う。

 さて、なぜこれほど長い間僕が食べログを利用してきたのかというと、理由は単純で、僕にとっては「おいしい食事をしている時が一番幸せ」であり、そのためにはシチュエーションに応じた最適な食事をしなければならないし、そうすると飲食店選びで失敗することができないからだ。

なぜ「食べログ」なのか

 では、なぜ食べログなのか? なぜ他のグルメサイトではないのか? というと、他のグルメサイトは「店舗側が発信する情報がメインになっている」という”印象”があるからで、その点でいうと食べログはまだ「店舗が発信する情報だけではなくユーザーの口コミも一定数参考にすることができる」というイメージを持っているためだ。
 これはあくまで”イメージ”の話ではあるけれども、僕という一人のユーザーが抱いている、紛れもない事実だ。正解や不正解がある話ではない。なお、食べログについては機能的に店舗を比較しやすいところも個人的には気に入っている。

 さて、僕は食べログに対してそのようなイメージを持っているので、そもそも他のグルメサイトは全く開かないし、同じ飲食店の情報であっても基本的には食べログで確認するようにしている。ある飲食店の情報が食べログ以外のURLで友人から共有されたら、わざわざ食べログで検索し直すほどだ。

 店舗のWebサイトについても似たようなことが言える。基本的に店舗のWebサイトはあくまで店舗側が発信したい情報が発信されている場だからだ。僕個人が飲食店を選ぶ際に知りたいのは、その飲食店が「何にどう力を入れているのか」ということはもちろんだが、それ以上に「実際にその店舗を利用した人が何をどう感じたのか」だ。僕はそういうリアルな口コミが知りたい。
 なお、もしもそこにネガティブな口コミが書かれていたとしても僕にとっては関係がない。ネガティブな口コミが書かれていることと、そのネガティブな口コミが信頼できるかどうかは別の話だからだ。内容によっては全く気にする必要が無いこともあって、その場合は「この口コミを書いた人がなにかを勘違いしただけなのだろうな」と流し読みしている。

 そういえば、ここまで書いて思い出したことがある。以前になにかの飲み会に誘われた時に幹事から送られてきた店舗URLが別のグルメサイトで、そのページの中身を見ただけで一抹の不安を感じたのだが、案の定、そのお店に行ったところ接客にも料理にも雰囲気にもショックを受けた事件だ。これはもう本当に事件と言ってもいい。僕にとっては大事件だった。
 それでいうと、僕が別のグルメサイトを利用しないのは、別のグルメサイト経由で行ったお店で、このような事件を何度か経験したことがあったからだと思う。要するに、悪いのは店舗なんだけれど、その悪い店舗が魅力的に紹介されているプラットフォームも同じくらい悪いよね、という話。
 食べログの場合は店舗側が発信している情報が盛られているかどうかについて「経験則でなんとなく分かるようになった」ということもあるだろうが、とはいえ僕にとって他のグルメサイトは「店舗が広告を掲載する場所」で、食べログは「ユーザーの口コミを見ることができる場所」というイメージがあるのかもしれない。

 食べログの競合サービスで口コミ重視のグルメサイトも存在しないわけではないが、そのサービスの中身については正直よくわかっていない。そのサービスが注目を浴びるようになったタイミングでは、僕はすでに食べログを使いこなしていたからだ。そこから他のサービスにわざわざ乗り換えるようなことはできなかった。

 あと、食べログには「過去に行ったことがある飲食店」を登録する機能もあって、そのデータは僕にとって「財産」のようなものだから、そのような状態で他のサービスに乗り換えることができなかった。今までいくつの店舗に足を運んだのか、その数字が積み重なっていく感覚がとても楽しいし、嬉しいのだ。

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(記録上は885件の飲食店に行ったことになっている)

 飲食店探しでいうと、最近の若者はインスタを活用することが多いらしい。では僕は飲食店探しにインスタを利用しないのか? というと、決してそういうわけではない。ただ、インスタから店舗を探すというよりは、あくまで食べログだけでは収集しきれなかった視覚情報(料理情報や内装情報)について、インスタで補足的に調べるという流れだ。

 たとえば大切なディナーの予定を組みたい時。当日は丁寧に盛り付けられた料理の写真を撮る可能性が高いだろうし、お店の内装についても知っておきたい。
 隣のテーブルとの間隔は広いのか狭いのか、開放感のある明るい雰囲気なのか落ち着いた雰囲気なのか、席からはどのような景色を見ることができるのか、などだ。
 このような視覚情報については、画像と動画がメインコンテンツであるインスタで探すと効率が良い。もちろん食べログでもそれらの画像を調べることはできるが、それに加えてインスタでも検索すると、情報はより確かなものとなる。副次的に、そこでリアルな口コミを追加で確認できることになるのも助かっている。

 ただし繰り返すが、インスタの情報はあくまで補足的に見るにすぎない。メインは食べログだ。インスタでは「映える料理」「映える店」を直感的に見つけることができるが、僕にとっての「おいしい食事」においてそれらの要素の優先度は高いわけではない。
 念のため記しておくと、もちろん食事において「見た目」を重視する人であればインスタの情報から先に検索し始めるのも良いとは思っている。食事に対する価値観は人それぞれなので、僕のような人もいるし、違う方法で飲食店を検索する人がいても何も問題ではない。

「何を言うか」の価値について

 僕のところには不定期的に友人知人から「今度こういう予定があるのだがオススメのお店を教えてくれないか?」と相談が来ることが(たぶん)多いほうだと思う。
 なぜ僕のところにそのような問い合わせが来るのかというと、それは日頃からグルメ情報をSNS上で発信しているだけではなくて、その情報を発信する僕自身のことを信用してくれているからだと思う。「僕=いろんな飲食店を知っている人、ハズさない飲食店を知ってる人」みたいなイメージが友人知人の間で浸透し始めているのかもしれない。「飲食店探しを手伝って欲しい」という時だけ連絡をくれる大学時代の友人も居るくらいだ。

 情報過多である今の時代、「誰がその情報を発信しているのか」はユーザーにとって重要だ。今は情報なんて検索すれば腐るほど出てくるし、そこには十人十色の「正解」が載っている。たくさんある「正解」の中から何かを選択しなければならないのだ。
 そうすると、「どの情報が正解なのか」よりも「どの正解を採択すれば後悔しないのか」という思考になり、その結果「あの人が言っているから大丈夫」という基準で情報の取捨選択をするようになる。だからこそ「何を言うか」よりも「誰が言ったか」の重要性が高まっているのが”今”だ。
 結果的に、自分が信じている人が発信した情報を頼りに意思決定したことによって満足な結果が得られなかったとしても、そこには「後悔」が無いことが多い。納得感を持って決定できたためだ。「あの人に騙された」とはならない。
 しかし仮に、その情報の発信源が企業や店舗側からコントロールされていたらどうだろうか。その情報は「その発信源を介して企業や店舗が発信したい情報だけ発信されている状態」と変わらないので、結局のところユーザー側からするとWebサイトや広告を見ていることと変わらなくなるのではないだろうか。
 これについてさらに言及したいのは、「誰が言うか」を頼りにしているユーザーにとって、そのような情報発信は詐欺に近いものだということだ。その詐欺のような行為に気付いたユーザーは、もうその発信源そのものを信用しなくなるだろう。
 一時期「ステマ」という単語が悪い意味で流行したことがあるが、この時に「あの人に騙された」という印象を抱いたことがあるユーザーは、もうその発信源の情報を信じられなくなる可能性が高い。また、ユーザー側の情報リテラシーがいっきに高まったのもこのタイミングだったと思う。

この6年で僕は食べログをどう利用するようになったのか

 さて、食べログに話を戻そう。僕の食べログの使い方は「飲食店検索」「飲食店予約」「飲食店記録」の主に3つだ。

ーー飲食店検索
飲食店検索でいうと、絶対ではないが、概ね以下のような流れで利用することが多い。

1、食事の予定がある地域名とキーワードを掛け合わせて検索をかける
2、必要に応じて指定の条件を組み合わせて検索をかける
3、点数順で上から見ていく(前述の通り点数で決めるわけではない)
4、気になった飲食店は「保存」機能でメモしておく
5、友人からの紹介やSNS上で見つけた気になる飲食店も保存しておく
6、街中を歩いていて気になる飲食店を見つけたら保存する
7、とにかく日頃から飲食店を探しては保存する
8、実際に予定が決まった際に「保存」から情報を掘り起こす
9、その保存されたリストの中からその時の状況に合わせてお店を決める

ーー飲食店予約
 僕は食べログ上でWeb予約ができるのであれば出来る限り利用する。その理由は以下3点だ。

1、電話だとタイミングによって繋がらないことがある
2、電話だと通話料がかかる
3、Web上であればこちらの都合の良いタイミングで予約できる

 ではWeb上で予約をしない場合はというと、主に以下2つのケースが挙げられる。

1、システムの仕様的に希望の日時・内容で予約できない場合
2、直前になって急遽そのお店に行きたくなった時

 いずれにせよ、僕は基本的にはWeb上から予約をする。これは普段から食べログを利用する頻度・時間が多く、その店舗に予約をしたいと思ったタイミングではたいてい食べログを開いていて、食べログ内で店舗情報や口コミを一通り確認した上でそのままスムーズに予約できるからだ。

ーー飲食店記録
 先ほども触れたが、食べログには気になった飲食店を「保存」する機能があるだけではなく、実際に利用した飲食店を「行ったお店」に登録することができる。だから僕は気になる飲食店があればどんどん保存していくし、実際に利用させてもらったお店は入店直後にアプリ上で「行ったお店」に登録をする習慣が身についている。

 では気になる飲食店や実際に行った飲食店を「保存」するとどのようなメリットがあるのかというと、「あとで飲食店を探しやすくなる」ことが大きい。
「前に行ったあのお店ってどこにあったっけ」
「焼肉が食べたくなったけど、この近くで美味しい焼肉屋ってあったっけ」
「テレビで紹介されていたカフェ、行きたかったのにどこにあるのか忘れてしまった」
といったことがほとんどなくなるのだ。

 しかも、保存したお店や行ったお店はマップ上で同時に表示させることができる。たとえば「今すぐに徒歩圏内のおいしいカレーを食べに行きたい」という時は、記録してあったリストの中から「カレー」で検索をかけてマップ表示に切り替えればいい。

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(実際に行ったことがあるお店の一部 ※カレー以外も含む)

食べログの情報は信頼できるのか

 そんな僕が食べログを利用する際に気にすることの一つに「ユーザーの口コミに信頼性があるのかどうか」が挙げられる。ただ、それに関していうと、信頼できる口コミかどうかは受け手の情報リテラシーを高める以外に判断のしようがないと思っている。「ステマかどうか分からない情報を見極めるのはユーザーの仕事」だと割り切って対処をするしかない。食べログとはそういう場所だ。

 あと「食べログの点数は操作されている」といった話もよく聞くが、僕個人としては点数にそこまで熱狂的にこだわりを持っているわけではない。これは過去に3.50点以上の店舗であっても満足度が低いこともあれば、デフォルトの点数である3.00点程度の店舗であっても感動するレベルの満足度を得られることもあったからだ。

 ここでひとつ、エピソードを紹介したい。今から2〜3年前、ある飲食店に行った際にとても不快な思いをして、それについて食べログに低評価をつけて投稿しようとしたところ、「ガイドラインに該当している」といった理由で投稿できなかったことがある。そのお店のことは今でも忘れられない。

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※参考:食べログ「口コミガイドライン

 僕個人がこのような経験をしているので、そもそも食べログに掲載されている口コミすべてが信用できるとは思っていないし、点数についてもそれは同様だ。口コミの投稿内容は食べログ側が定めたガイドラインに従う必要があるからだ。これはサービスを利用する者としては守らなければならない。

 そもそも一人ひとりの感じ方が全く違うものを、点数で比較すること自体が不可能に近い。他の方々の総合評価として3.00点でも、僕にとっては5.00点になることだってたくさんある。他の人にとっては苦手な料理であっても、僕にとっては美味しいと感じるかもしれない。低い点数をつけた人は、たまたまその日だけそのお店に対して何かしらの不満を抱いただけで、別の日に行ったらまた違う結果になったかもしれない。
 だからこそ、点数だけを見るのではなくて、口コミの内容まで目を通さなくてはならない。そして口コミの内容が信じられるかどうかを判断するためには、自分自身の情報リテラシーを高めなければならない。

 食べログは、自分自身の情報リテラシーさえ高めることができれば「最高の一皿」に出会うことができるサービスであることは間違いない。これからも僕は食べログを利用するし、「行ったお店」が1000件に到達する日を楽しみにしている。

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