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直翅類の探すのに有効な7つの手法

昆虫の探し方にはさまざまな手法がありますが、とりわけ直翅類を見つける上で有効な7つをここに挙げたいと思います。


まずは基本の2つです。

ルッキング

おすすめ度:★★★★★
ターゲット:ほぼ全て

読んで字のごとく、ひたすら目で虫を探す方法です。葉や枝、地表など、目的の虫がいそうな場所を中心に見ていきます。どんなところにいるのか分からないものも含めて広く適用でき、また「虫を見つける目」を鍛えられるので、すべての基本となります。発見する力が身に着けば、他の手法の際にも役立つでしょう。


追い出し法

おすすめ度:★★★★★
ターゲット:ほぼ全て

草原の中にいるなどして姿が見えない虫を追い出し、視認したら捕まえる方法です。草丈の短い場所や、草を踏み倒して視界を確保した場所に追い立てるのも有効な手段です。ルッキングと並び、最も有効な採集方法と言えます。



ここからは、ある程度ターゲットが具体的で、かつ見つけるのが少々難しいものに対して効果を発揮する手法です。


灯火巡り

おすすめ度:★★★★☆
ターゲット:ほぼ全て

街灯や自動販売機などの光にやって来た虫を採集する方法です。森や草原の近くにある灯火には、飛べないものも出没します。樹上の高いところに生息していて、なかなか見つからない直翅には特に有効です。類似した方法に、自前で光源を用意し虫を呼び寄せるライトトラップがありますが、手間の割に直翅はそんなにやって来ないのと、トラップ周辺から離れられないため効率が悪く、おすすめしません。灯火を巡った方が遥かに簡単で、成果も上がります。


スイーピング

おすすめ度:★★★☆☆
ターゲット:草上性直翅全般

捕虫網を使い、草原の上をなでるように左右に振って採集する方法です。ササキリやツユムシなど、草上性の直翅目に効果を発揮するほか、芝地では地上性ヒバリモドキやノミバッタが狙え、ある程度の汎用性があります。ただし、しばしば生体を傷つけてしまうので、ルッキングなどでは採集が難しい小型種を採集する場合に、選択肢として挙がってくる程度です。


ビーティング

おすすめ度:★★☆☆☆
ターゲット:樹上性ヒバリモドキ、カネタタキ、ササキリモドキなど

枝に衝撃を与えて虫を落とし、下で受ける方法です。直翅は揺れを感じると振り落とされまいとしがみつくため、思った以上にしぶといです。強めに一発、不意をつくつもりでやると良いでしょう。やり方によっては樹木を傷つけてしまう恐れがあります。植物の損傷が禁じられている場合がありますので、注意してください。ビーティングで狙える直翅は、基本的にルッキングで十分な成果が得られます。


隠れ家トラップ

おすすめ度:★★★☆☆
ターゲット:樹上性のヒバリモドキ、カネタタキなどの小型種

虫の隠れ家を用意してそこに誘い込む方法です。葉が折り重なるように枝や茎を束ね、鳴き声が聞こえる低木などに仕掛けておきます。翌日以降に回収し、ネットの中に隙間に隠れている虫を振り落として採集します。込み入った環境を好み、狙って得るのが難しいカネタタキに対して効果を発揮します。トラップの回収は隠れ家に潜んでいる可能性が高い日中に行いましょう。


糖蜜

おすすめ度:★★★☆☆
ターゲット:コロギスなど

糖蜜採集はクワガタやガなどでよく用いられる手法ですが、甘いものを好む直翅は多く、誘い出されることがあります。特に、ヒノマルコロギスなどの発見が難しい種に効果を発揮するので、どうしても採集したい場合は手間をかけてでも試す価値があります。

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