獄中短歌⑥
ここからだ お前に人生ここからだ
自分にきつく きつく言い聞かす
消せはしない過去の自分が叫んでる
「あきらめるな」と今の自分に
線香もお花も水もあげられず
情けないだけの母の命日
ラジオから聴こえる話はhappyばかり
時にはチャンネル変えたくもなる
子供の日息子二人はいつだって
皆に愛される私の宝
父の事忘れないでと願いたい
虫がよすぎると分かっていても
いつまでも泣いてられないと気丈にも
妻の強がり頼もしくもあり
羨まず惑わされずに流されず
そんな強い心を持ちたい
まだ幼い胸の痛みに比べれば
父の頑張り全然足りぬ
黙々とただ黙々と確実に
時を重ねて日々を重ねて
十年以上前に、約四年の受刑生活で書いた短歌です
Twitterに載せたものを十首づつまとめてみました。
併せて「塀のない刑務所」①~⑰も読んで頂けたら幸いです。
拙い文章ですが、サポートしていただけたら幸いです。