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獄中短歌⑯

太陽も生まれ変わってほら今日も
   新しい陽と新しい日と

人屋ではほんの小さな出来事が
   大きな問題拘禁生活

待て進め犬の訓練よろしくに
   号令なくして動けぬ我は

青空も刑庭に並ぶ花々も
   私の目には白黒の世界

朝が来て目覚めるたびに悔やまれる
   家族の幸せ壊した重罪

ゆっくりと通り過ぎゆくこの時は
   埋められはせぬ空白の時間

さぁ今日も妻と息子に会うために
   その日のためにガマンガマン

沈む陽は人傷つけた罪深き
   こんな自分にもまた昇るのか

妻子らの六年と吾の六年は
   同じ時間でない事感じて

過ちを犯した我は守られて
   地震台風妻子を襲うな


十年以上前に、四年の受刑生活で書いた短歌です。
Twitterに載せたものを十首づつまとめてみました。
併せて「塀のない刑務所」①~⑰も読んで頂けたら幸いです。


拙い文章ですが、サポートしていただけたら幸いです。