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獄中短歌⑪

十四年君と暮らした想い出は
   一瞬にして壊した愚者は

もう二度と素晴らしき友の輪に
   戻る事は出来ぬ愚か者

降り続く雨音の中で眠れずに
   止まない雨と明けない夜と

起こる事すべての事は自らの
   罪の報いと思えば当然

昨年に買い替えたよねこいのぼり
   おばぁちゃんちで泳いでいるかな

新聞の番組欄のヒーローもの
   息子の変身ポーズが滲む

幼子の父の記憶があるうちに
   会いに行きたい許されるなら

人生はやり直せると言うけれど
   空白の時間 埋められるのか

塀の向こう今年最後の陽が昇る
   来年の陽は何処で昇るか

初日の出世界中の人達の
   願いを背負い昇太陽


十年以上前に、約四年の受刑生活で書いた短歌です。
Twitterに載せたものを十首づつまとめてみました。
併せて「塀のない刑務所」①~⑰も読んで頂けたら幸いです。

拙い文章ですが、サポートしていただけたら幸いです。