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獄中短歌⑧

過去かえる出来もせぬ事祈るより
   今出来る事を精一杯

自らで未来は変わると本が言う
   くじけるたびに一人つぶやく

やる事があるという事感謝して
   今日も一日作業に励む

息子らの想い想えば吾の想い
   取るに足らない事ばかり

黒ずんだ格子光らせ陽が昇る
   鐘待つ床の吾誓いと祈り

『その時』に後悔せぬよう精一杯
   奇跡は起こると信じて生こう

出るまでに人間らしい人間に
   なれるように今を生きよう

少しでも希望のカケラがあるのなら
   全ての事は苦しくは無い

オレンジのまぁるい月が浮かんでる
   鉄の格子の窓の向こうに

来るはずのない手紙と面会を
   待つ事だけで日々は過ぎゆく


十年以上前に、受刑生活で書いた短歌です。
Twitterに載せたものを十首づつまとめてみました。
併せて「塀のない刑務所」①~⑰も読んで頂けたら幸いです。

拙い文章ですが、サポートしていただけたら幸いです。