獄中短歌⑦
瞳閉じればいつだって妻と子の
笑顔が浮かぶ胸熱くなる
薄暗い面会室にて姉が言う
現実なんだねと涙もふかずに
被害者の心の傷に後遺症
無くて欲しいと祈るばかり
ベタベタと汗ばむ暑さ蚊も虫も
痒みもすべて自らのせい
人屋にて黄昏の空眺めつつ
息子らの背は伸びただろうな
被害者の心に傷跡つけたまま
私の罪は償いきれぬ
息子らを想い続ける涙にて
私は私を洗い続ける
自らの犯した罪が待っている
塀の外にて仁王立ちにて
鉄格子横切るように雲が行く
追う事さえも出来ず人屋で
先の事あれやこれやと悩むより
今出来る事を精一杯
十年以上前に、受刑生活で書いた短歌です
Twitterに載せたものを十首づつまとめてみました。
併せて「塀のない刑務所」①~⑰も読んで頂けたら幸いです。
拙い文章ですが、サポートしていただけたら幸いです。