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獄中短歌⑭

目を閉じて家族の想いを考える
   我に厳しくもっと厳しく

刑務作業他人と比べて優越感
   ここに来てまで愚かな我は

トラブルをおこさぬように我を捨て
   話を合わせて一日終える

毎日が今日から始まる償いと
   犯した過ち常に思って

今日でもう今年最後の作業日も
   関係ないと償いの日々

底冷えに震える神経通うなら
   傷付けた人の痛みを感じろ

さり気ないオヤジの一言嬉しくて
   目頭熱く胸こみあげる

大晦日お正月も私には
   償いの日の一日にすぎず

暗闇で自分の手足も見えないが
   家族らのため歩き続ける

誕生日 よっつの君の健康と
   幸せ祈るひたすら祈る


十年以上前に、四年の受刑生活で書いた短歌です。
Twitterに載せたものを十首づつまとめてみました。
併せて「塀のない刑務所」①~⑰も読んで頂けたら幸いです。

拙い文章ですが、サポートしていただけたら幸いです。