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植松伸夫の幻のエッセイ集『人生思うがまま』

※この記事は9月15日に投稿した自身のブログ記事を輸入したものです。
オリジナル記事投稿日:2023年9月15日11:00
オリジナル記事URL:https://ameblo.jp/ornis62gou/entry-12820460081.html?frm=theme


どうも、62号です。今回は植松伸夫氏のエッセイ集「人生思うがまま」について語ります。

ファイナルファンタジーのアレンジアルバム「THE BEST OF FINAL FANTASY 1987-1994」初回限定版特典のエッセイ集でこのブログでも何度か取り上げたね。

今回はこの本の本格的な紹介になります。(※レビューではありません)

62号は植松伸夫氏の一介のファンに過ぎないので

若干好意を寄せた文章になると思いますがそれでもよろしければお付き合いください😊

挿絵・題字などは以下の3名です。

私的良エッセイ3篇

ピアノの弾けないピアニスト

解説:これは植松伸夫氏がピアノが弾けない(厳密にはピアノで弾く曲を持っていない)という語りから始まる。20歳になるまでは五線紙も読めなくて何から作曲を始めたかと言うとギターの耳コピから始めたそうだ。聞き取れない箇所は辻褄合わせで作曲し、そしてこの辻褄合わせで作ったギターのフレーズを鍵盤に差し替えたら…という発想で差し替えると見事うまくいったそうでこれ以降鍵盤の曲も書けるようになった…というお話

・八戸でウニを食え!

本当は書籍内ではその1、その2に分かれたお話なので少々長くなるが要約して書く

大学時代所属の音楽サークルの会長で今は小学校教論を務めるSさん(書籍内では名字だがここではアルファベットで書く)から「音楽の授業でファイナルファンタジーの楽曲を使いたいので楽譜とテープをアレンジして貸してくれないか?そしてその音楽会を見に来てくれないか?」との依頼を受けたので承諾し青森の小学校で開かれた音楽会を見に行くのだが、その練習後に生徒にサインをねだられて最初は色紙に書いていたものの次第にランドセルといった目立つものに子供たちがサインを要求してきたので親御さんに恐る恐る聞いて快諾をもらったのでしぶしぶ書いた…その後本番でPTAさんたちにもハンカチやスカーフにサインをねだられて困惑し仕方なく書いた…というのがその1までの話。その2はSさんに恐山に連れてってもらってもらったがSさんは前日の飲み会イベントの二日酔いであまり元気がなくちょくちょくトイレに駆け込んでたそうだ。

そしてイタコのおばあさんと出会い祖父を召喚してもらっていろいろ喋ったそうだ。その植松氏の「祖父」は最後に「他人の保証人にだけはなるな」と言ったらしい…なんでも植松氏の祖父は昔他人の借金の保証人になって返済に苦しんだらしいから…。その後Sさんと食堂へ行き植松氏はうどんを食べたそーだ…。以上

・暑いから腹がたった

植松氏が午前3時になっても眠れない理由は暑いから+遅くまで原稿を書いてたから。

ニュースを見ると気象庁が「今年は記録的暑さ」と言ってたが植松氏曰く毎年のように言ってるよねとのこと

こういうときは寝ようとすればするほど目が冴える。そしてタバコを買いに行き

その日は朝から夜まで暑いこと、昼間、同じファイナルファンタジーを作ってる悪友のEさんと言葉遊びしたり喫茶店に行ってアイスコーヒーを飲んだことを思い出しながら1994年に入り9枚以上シングル・アルバムを出したり旅行や取材に海外に頻繁に行ったりそのEさんが謎の病気に罹ってることが判明した。(熱が上がったり下がったりするそうだが原因不明とのこと)そしてワープロで暑い中この原稿(エッセイ)を書いてたことを明かした。

【インド紀行編】

これは6篇にわたるエッセイで非常に長いのでなるべく短く要点だけをかいつまみながら内容を語る。1篇ごとに区切っておく

1.いざ、聖地へ

エッセイのネタが尽きたのでインドに行くことになった植松氏。まずはボンベイに向かって到着したのは深夜。そして街中が臭うなか肝炎の予防注射も日本で事前に済ませ「先が思いやられる」と植松氏は綴る。


2.僕だけの小さな聖者

そして旅先のホテルで計画を立てて一つは超能力者のサイババを見ることでサイババを拝むために喫茶店に行ったりボロボロの子にチーズサンドを奢ってあげたことなど(植松氏曰く僕にとってのサイババは神の化身などではなく今目の前にいる少年だとのこと)を綴ってあった。


3.大地を駆ける

バンガロール〜マドラス間(およそ350km)を植松氏一行はタクシーで駆ける。タクシーの運転手(植松氏にハナ何とかって芸能人?のあだ名をつけられてた)は長旅を飽きさせないためか音楽を変えながら「これはどうだ?」と聞いてくる。音楽鑑賞をしている間もない暑さでケチらずにエアコン付きのタクシーにすればよかったと植松氏は語る。その前日別なタクシー運転手とチケットを買いに行き随分待たされた。そしてなんとかマドラスに着きハナに高級ホテルを紹介されるが結局別な格安ホテルに泊まる。といったことが綴っていた。


4.伝説の予言書を求めて

植松氏は松下氏とベンガル湾の朝日を見にいった

インド人が瞑想してたり(実は排便)したらしい

そして日本でブームだった「アガスティアの葉(※平たく言うと予言書)」を探すために情報があるというとある病院をマークしていた植松氏

そしてその病院に着くと自転車をたまたま近くで走っていた青年が「どこに行くのだ?」と聞いてきた。植松氏が「アガスティア!」と答えると彼はアガスティアの館の弟子で「今日は満席だから1ヶ月後に来て欲しい」という。落胆したが初老の男が「どこから来たのだ?」と訪ねてきて「日本」と答えるとアガスティアの葉を管理してるうちの1人の日本人に通してくれたそうだ。そしてアガスティアを読んでもらえることになったので旅の仲間の知り合いに出会ったり日本語のバイリンガルができるインド人女性に出会ったりしていよいよ旅は大詰めを迎えたことが綴られている。


5.一枚の葉

アガスティアの葉は親指の指紋を頼りに探し出されるようでナディ・リーダー(葉を読める・探し出せるよう訓練された人)がそれを持ってくる…そしてナディ・リーダーが何束か持ってきて探していく。そして「イエス・ノー」で答えるのだが一度でも「ノー」があるとその葉はその人の予言書には当てはまらず弾かれる。そんな中4束目くらいでやっと立て続けに植松氏がイエスと答えられた葉っぱがありそこには植松氏の親の名前や自身の年齢が書いてありナディ・リーダーが質問を終えてこれが植松氏の「葉」だという「なぜ…なぜ僕の葉っぱがここに?」と植松氏が言うと「ここ(インド)を訪れる人の葉は人数分用意されてるからです。」とナディ・リーダーは答える。「インドにはアガスティアの葉を保管してる場所がここ以外にも数か所あって縁のある人はインド人以外にもここには必ず来る、アフリカの人が来たこともあった」とナディ・リーダーは続ける。そして植松氏はそれを読みあげてもらった(その時の録音の一部が植松伸夫のオリジナル曲のアルバム、ファンタズマゴリアの隠しトラックに収録されている。興味のある方はぜひ「ザ・ベスト・オブ・ファイナルファンタジー1987-1994」初回限定版と同時に買うことを勧める…)

植松氏は自身の予言について「僕についての予言は実現しようがしまいがたいした問題じゃない、明日のことはわからないのだから。運命というものが仮にあったとしてそれが決まっててそれに沿って生きてもそれはそれでいいではないか。実際の日常生活の中では誰もが自分で決断・選択しているからだ。(中略)明日からも来週も来年も20年後も僕は『人生思うがまま』に生きていくつもりだ。予言が外れたら笑い飛ばしてやる。しかし、しかし、はっきり言うけど僕のことが書かれてるアガスティアの葉が日本から遠いインドの地にあったのもまた疑いようのない事実なのである。(※文章を多少改変・要約しました)」

長い、長い2日の出来事であった。この件で植松氏は頭を乱された気分になったらしい。なにも考えることができずに夜空を眺めてると「一分でタクシー呼んでくるから」とアガスティアの館の弟子が通りでタクシーをつかまえるまで「どうせ10分はかかるだろう…」とタバコを吸ったりペプシを飲みながら待った。やっぱり10分ほどしたらタクシーが来た…。と綴られている。


6.もう一度…

植松氏は2話目のときの貧しい子どもたちを思い出していた。店のオヤジは店に汚い子を招き入れた植松氏に露骨に嫌な顔してたし植松氏に群がってた物乞いの少年たちを警官が取り締まってたそーだ…。そのうちの一人は捕まって警官にチョップを受けたが警官が去ったあとまた植松氏によってきたので地球最後の日にはあのおまわりさんよりもこの子の方がしぶとく生き延びるだろうなと思ったらしい。そして、カースト最底辺の子は生まれたあとに手足を斬られるという話を例にして日本人である植松氏がインドの愛は重たく感じてしまうのだと、未来ある子供がカーストでその自由を奪われているのだと語る。

「正直に本質を言うとみんな自分のような考えが少しばかりはあるだろう?物質的にも精神的にも豊かさを持つ人が我々の理想とする人間像で物質世界と精神世界がお互いに理解しあって歩み寄り、新たなハーモニーを奏でるべき時代はもうすぐそこまでやってきていて、人々はそれに気づきつつある。(※原文ママで載せるのはまずいので多少改変)」

そして禁酒をインド滞在中の10日もしてたことや手を繋ぐ男連れはモーホーじゃなくて友愛の印なんだろうなと気づいたと感想を述べ

「近いうちにインドにまた行きたい。いや、行かねばなるまい。アガスティアの葉をロマンチックに信じたい半面、冷静に分析したい気持ち半面…大きな大きな渦の流れにもう一度向き合いたい、それこそが今生での運命な気がするから。」とこのエッセイを締めている。


【総評】

個人的評価…評価不能


植松氏の人生に影響を与えたインド旅行での予言書(アガスティアの葉)の話は見てて面白かったですね。

日本での話もこれで紹介した以外にも全部面白いので(時代の先を見据えたような発言や、古き良き時代の話など)植松伸夫という人間を詳しく知りたい方はこのエッセイが付属してる初回限定版をメルカリやAmazonで比較的安く売られてるので買うことをオススメします。


余談ですがFF9サウンドトラックプラスのライナーノーツ収録の「理恵子のオーバーオール」も彼の音楽性のルーツや趣味や日常を書いてて、比較的読みやすいのでそっちもオススメです。


ではまた、お会いしましょう!またね〜(^_^)/~

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