キタニタツヤ10th Anniversary Live 彼は天井から見ているを見てきた話。

 神は信じてないんだけど、キタニタツヤ見た時神だとは思った。

元ネタ

 ずうっといっしょ!の衝撃にやられた14日の0時、宇多田ヒカルのプレミアムアップグレードが落ちたなと確信出来た13時頃。勢いでキタニタツヤ初武道館になる【彼は天井から見ている】を見てきました。

 キタニタツヤを知ったのは「人間みたいね」って曲でした。此処数年は新しい物を知識としてインプットする時に、何か奇をてらったバンド名や元ボカロPって言うのが顕著になるレベルで駄目になりまして。何と言うか、その音楽では無いんだろうけれど、結局二番煎じを生み出すであろう物を聞いて、俺は何かしら別個として見れるのかって言う事。メディアに出たり世間の売り出す上でのプロデュースの仕方に、有名どころと被せていくみたいなスタンスが俺が悲しくなるのとかあって、結構キタニタツヤ自体を知る事も何処か斜めから見る感じだったんですよね。兎に角ボカロ特有のピコピコサウンドなのか、キタニタツヤって言うソロ名義と外見の雰囲気的にamazarashiと何処か被った所があるんじゃないか?なんて言う兎に角嫌な感じで見てたんですけれど。

 正直この楽曲の歌詞とMVの不気味さに一発で惹かれた。色んな物を見てきて、一発目から好きになる事って言うのはゴリゴリのロック。4つ打ちの気持ちよさを主とした曲ばかりだったのに、理解し難い相手の行動全てを一蹴する様な人間みたいねと言う一言で表した悲哀の歌。MVの中で行われている死人と普段通り接している狂気。人間らしい事をしている異常を映し出しながら、彼の歌い方も心に何処か訴えるのもあるけれど、目が離せなくなったのがキタニタツヤとの出会いだったと思う。

 正直な所色んな音楽を触れて、自分の中に取り入れていく。そんな事を繰り返し生きてる中、大人になって疎遠になる様な緩やかな距離感で色んな音楽とは離れたりもする事も増えたのだけれど。ROUNDABOUTと言う今年の始めに出たアルバムを聞いてから、もうきっとキタニタツヤには救われ続けると思った。スカーや青のすみかと言う晴れ晴れとした美しさと、人の何処か感じる鬱屈さを両立する様にリアリティを歌い続ける音楽は唯一無二だと僕は思う。

 正直、自分の生活もままならない中で見ようとする事の異常さも十二分に理解しているつもりだし、今年度のJAPAN JAMで見たかった一人だから見た満足感もある。キタニタツヤのライブ自体は撮影可能でいろんな媒体で色んな物が流れているから見れるとは言え、直で彼を見てから春フェスと言う陽気な言葉と共に、青空の下で私が明日死ぬならを歌いきったキタニタツヤはマジで泣きそうになったんだよね。一回この曲を聞いてから、結構ROUNDABOUTで狂った迄はある。軽快に流れるメロディーの中に、音楽家として自分の立場も理解しているとは言えど、人に見聞きされる事が重要とされてる中で【私に見向きもしないで居てくれて有難う】と言う歌詞を入れる事の凄さはあると思うんですよ。そんなキタニタツヤの歌詞から入るサビの流れがもうね、本当に良いの。

 偶然つべで流れてきたライブの時にあった、私が明日死ぬならのMCの入りは「此れが僕からのラブソングです、明日も生きてください」って確か言っていて。何かそれも込で、心を抉ったキタニタツヤに俺は陶酔してるんですわ。

 そんな心酔してる彼を象徴する目を模したトレードマークと10年間活動をした始まりとなるアルバムを掛けたであろう今回のタイトルの武道館ライブ。宗教じみた何処か怪しく、おどろおどろしい雰囲気を醸し出すのが得意な彼に相応しいタイトルながら、ライブと言う環境でそれぞれに向けたメッセージの様で。そして中身は彼の10年間をしっかりと残す為と言わんばかりの新旧入り交じるセットリスト。改めて本当に良かったと思う。同世代と言える人間に感じる妬み辛みは無いのだけれど、彼から何処か感じれる神々しさには目眩する程の眩さを感じるのと尊敬の念だけはあるなと改めて実感しました。

 武道館の真ん中で始まる「I DO NOT LOVE YOU.」一曲目からタイトルからして不穏さが漂いつつも、キタニタツヤを象徴する一つのアルバムのタイトルであり、此れがキタニタツヤだと言わんばかりに始まった照明との兼ね合いで禍々しい光景。愛していないと言えども抱えて行くと言わんばかりの「聖者の行進」いつでもお前等を見てると言わんばかりの「パノプティコン」キタニタツヤをちゃんと象徴させていく楽曲が続く。

始まった時此の光景がバーン!って始まるんだけど、宗教み凄いねんな。

 そこから一息を付くように緩やかに始まる「Stoned Child」「Cinnamon」Cinnamonに至っては、僕らの渇望の様なタイミング。まったりと過ごしながらも、また緩急をつける様に始まる「化け猫」「moonthief」

 個人的にJAPAN JAMで聞いてキタニステップを踏みたかったのだけれども、聞けなかったが故に少しだけ左右に当たってしまわない様に気をつけながらのキタニステップを踏んでましたね。

 続くのがファン投票で一番だった「ラブソング」のカバー。青のすみかに入ってた楽曲。ハイテンポでラブソングと言う名前のどうにもならない下衆な感情剥き出しで堕落させる様な楽曲。そこから10年間の始まりを伝える様にして始まった「落下ウサギと寡黙な傍観者の手記」俺はこの曲は正直知らんかったねって言う情けない話を交えつつ。だけど、改めてこの曲も聞きながら向き合うとこんにちは、谷田さん名義でもキタニタツヤが始まったんだなと思える様な歌詞。彼女は夢を見て、汚れた世界を笑ったにある言葉の重みは10年近く前から感じていた所なんだなとも。そして次にまたキタニタツヤとしての始まりと言う様に「悪魔の踊り方」落下ウサギと寡黙な傍観者の手記にある「自死を選んだ少女に関して」と言う投稿者コメントを踏まえたら、様々な事の傍観者で居るだけの僕らに何か此れも問いかけてそうで、憎い。

 其処から続く「或るキリスト者は告解室を去る、唯だ信仰のみを抱えて」「よろこびのうた」「振り子の上で」とまた昔を交えた楽曲が続いてから、MCに。明日からの人生が素敵な自分になれます様にだなんて交えてから始まった「次回予告」そして「スカー」直近のアニソンタイアップ主題歌として扱われつつも、特に次回予告とかはキタニタツヤみがある辟易とした世の中でも応援する様な素敵な楽曲から、俺が昨日の晩から一番に食らった「ずうっといっしょ!」

 MVが始まる前からサビの歌詞だけはずっと聞き取れていて。あなたの一生の後悔として添い遂げるよって言うフレーズだけが、ずっと頭にリフレインする訳。俺が今でも大好きな人間みたいねより、ただ直球に恋愛としての重さを表しながら無垢にも思えるフレーズが天才過ぎて。その無垢さを際立たせる様な「ずっと」では無く「ずうっと」、英語タイトルにはXDを付けて重さと対比になる様な笑っているって言うスラング。ギターの音も兎に角スカーと同列レベルで良いのもあるから、この歌に俺は狂ってると言っても過言では無い。MVも今日の武道館終わりに解禁されたんだけど、あーwwwww案の定wwwwおふwwwみたいなそんな気持ち。皆も見よう!

 そしてまた雰囲気を変えて始まるのは「芥の部屋は錆色に沈む」恋愛の重さから自己肯定を改めてしてくれよと言いたくなる様な楽曲を続ける様に始まる「私が明日死ぬなら」正直な所俺はキタニタツヤにしか、改めて救われないんだと確信した今日になったと思う。そして大きく広まった集大成の様にして始まった「青のすみか」宗教じみたおどろおどろしい雰囲気をかき消す様にも、しっかりと同調する様にアニメ同様に、皆がにこやかに手拍子をする。やっぱ此れはJAPAN JAMでも見たんですけれど、凄え良い光景だなって。やりながら正直思った。

 あとの二曲はアンコール枠。現実へと帰る僕らに「旅にでも出よっか」なんて言う様に歌い、今日あった全ては非現実と言わんばかりに「クラブ・アンリアリティ」で終わるセットリスト。

最後のキタニ

 思い返しながら綴っているけれど、生活の心配はあれど後悔は無いなと。ここ最近は本当に情けないぐらいに、音楽に救われながらじゃないと生きていけないんで。見終わった後の満足感で、明日死ぬとかなら割と後悔はないかも知れないとは思えたぐらいには、ただ真正面からキタニタツヤを味わえて俺は幸福だったと言える。そんな素敵なライブは色んな媒体で見るかも知れないけど、皆BD買ってこうな。

キタニタツヤは神だったよ、それは間違いない。アリーナおめでとう、行ける様にまた働くよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?