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ネガティブと向き合え!!

『「嫌いっ!」の運用』中野信子 小学館新書

私はこの本を新刊コーナーで見つけた
もちろんそのコーナーたくさんの本があるのだがなぜかこの本に惹かれた
手に取って「はじめに」の最初の部分だけ読むとこれだという感覚になった
まさにハリーポッターが魔法の杖を選ぶシーンを彷彿とさせるようだった

ここで書を止めれば、著者は闇の魔術師であると私は盲信していただろう
しかし、「はじめに」の中で著者自身がマジックのタネを教えてくれていた
多くのビジネス書や自己啓発本はがポジティブの感情に光を当てる中で、本書はネガティブに光を当てていたからだった
先ほどまで”闇”の魔術師だと思っていたということは、実は私は心のどこかでそのことに気づいていたようである
なるほど、今まで私によって抑えられていたネガティブの感情が、本書からあふれ出るまばゆい光を見つけ、私をしてこの本を手に取らしめたのだなあ

皆さんも押し殺していないだろうか、ネガティブな嫌いという感情を
親から「好き嫌いしないで全部食べなさい」とか、
先生から「みんなと仲良くしましょうね」とかいう風に、
小さいころから私たちの脳には周りから嫌い=悪がインプットされている
しかし、私たちは嫌いという感情を脈々と受け継いできているのだ
非常に重要な感情であることは間違いない
現に成功者はこの感情を上手に利用している
いったんその押し殺している感情を詳しく分析してみないか

嫌いとは危機回避の本能で代表的なのは3つある
同族嫌悪、異端嫌悪、なんとなく嫌
同族嫌悪とは自分と似た人を避けたり、自分と似たような人の成功が妬ましかったりするもののことだ
例えば、父娘の仲が悪くなったり、隣国との仲が悪かったり、同僚の出世を妬んだりする
異端嫌悪とは自分と価値観がまったくもって違う人を全く理解できず、一緒にいて気持ち悪いもののことだ
例えば、宗教対立とか、人種差別だとかである
なんとなく嫌とはメタ認知による危機回避の本能である
例えば、運がいい人が早めに危機を察知してそこには近づかないとかである

AKB48の作詞家の秋元康さんは定期的に嫌いな人と会うようにしている 
それは自分も同じような過ちをしていることを発見でき(同族)、全く違う考えを知れ(異端)、誤解が解けて仲良くなれたりするからだという
しかし、多くの人は嫌いな人と会うのは苦痛で仕方がないだろう
どうしても嫌いならば悪口を言うのではなく、面と向かって伝えよう
その時には、相手の本質的なところは否定せず、嫌いな部分を言った後に必ず相手を褒めるようにしよう
例えば、半沢直樹では大和田部長が半沢に「私はね、この世で一番お前のことが嫌いなんだ。しかし、バンカーとしての実力だけは認めてやる」というセリフがある。

最後に、人が嫌いだったり、人を憎んだりする自分を追い詰めないで
ネガティブはとんでもない爆発力を持っている
自分もろとも相手を引きずり落としてやるというような悪い方向に向かわなければ、圧倒的な努力をするためのパワーとなる
嫌いの本質を追及して、己を知り、圧倒的な努力をしよう

私が書くとどうしても軽い言葉になってしまった
本書を読むとポジティブとネガティブの両輪が重要であると感じた
みなさんにも中野信子さんに自分のネガティブな感情をのぞき込まれる感覚を味わっていただきたい
本書や中野さんの他の本を手に取っていただきたい
本屋に行けば光って見えるはずだ

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