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ミュージアムの中の人がしんみり語る「東京オリンピック無観客問題」

自己紹介はあらためて行いますが、いろいろな業界を見聞きした経験をもとに、現在関わっているミュージアム業界(そんな言葉ないw)についての(あまり知られていない)ことを中心にご紹介できればと思い、noteをスタートすることにしました。で、今回のネタは「東京オリンピック無観客問題」。ではどうぞ。


思い起こせば、今回の東京オリンピック・パラリンピック2020はまあ、招致の段階からいろいろとあったわけです。某首相による「アンダーコントロール」発言からはじまり、今に至るまで、一切「アンダーコントロール」できていないわけで。もっといえばリオデジャネイロに敗れた2016招致のころから、国民の総意を得ていなかったところからのスタートでした。


しかしながら、


「招致さえしてしまえば、開幕したら開幕したでみんな盛り上がるし、経済効果も生まれるでしょ」と考えれば、スタジアムなど競技会場の建設はもちろんのこと、それ以外にも、「え!そ、そのネタで絡む?」みたいな雑なものを含めて、なんだかんだ理由をつけてしまうのが役人の世界。ミュージアム業界だってインバウンド対策の名の下に、展覧会開催に関する補助金だって手を替え品を替え、かなりの案件が採択されているはずです。


一方で、近年のオリンピック・パラリンピック開催都市では、開催年に観光客が大きく伸びるわけではない、というデータも存在します。

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※上記のリンク先はみずほ総合研究所作成のデータ
※3シート目に当該のデータ(上記画像)が含まれています


ただし、開催決定のタイミングから上昇トレンドになるケースが多いのと、開催年の観光客による消費額は前年度対比で増加傾向にある、と分析されているので、一定の効果はあるものと考えてもJAROに訴えられるレベルではないといえるでしょう。


このように開催にあたっては一定の経済効果が見込めること、そして、パラリンピックの自国開催をきっかけに障碍者をとりまく環境も大きく改善されることが期待できたわけで、それなりの開催意義はあったのでは、と個人的には捉えていました。


コ ロ ナ 騒 動 さ え な け れ ば ね 。


ところで大谷翔平選手が出場したことで注目を集めたアメリカ・メジャーリーグのオールスター戦の様子を目にされた方も多かったのではないでしょうか。


すごかったですよねー。


ほぼぎっしりつめかけた観客がほぼ全員マスクをしていない光景が(いや、もちろん大谷翔平選手も)。もっとも、アメリカの感染者数は(人口比を考えても)日本よりもはるかに多い数。正直いってどちらの国の対応がいいのかはわかりません。



わかりませんが、もう少し早い段階で、打つべき手を、打つべきときに、きちんと打ってさえいれば、オリンピックも無観客開催は防げたのではないのかな、という思いも否めません。事実、オリンピックは無観客での開催ですが、プロ野球、Jリーグ、Bリーグなどは有観客。



とはいえ、最近の各国代表選手や関係者をめぐる対応を見ていると、いかりや長介氏もあの世から「だめだこりゃ」とつぶやかずにはいられないであろう状況で無観客どころか、パラリンピックの閉幕まで無事に開催できるのかレベルの様相を呈しています。



一部報道でもありましたが、2024年のパリとの延期・共催が現実的で賢明な選択だったような気がしますよね。。


と、つらつら書いてきましたが、ここまでは前段に過ぎません。むしろここからが主題。結局のところ、なにがいいたいのかといえば、



無観客はしゃあないけど
無観客にするんなら
すべての競技を放送してくれや、と。


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私が購入していたチケットはボート競技。

NHKどころか民放も含めても放送スケジュールにボート競技の文字はなし…。


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ちなみに

ボート競技といえば早慶レガッタなどの「エイト」競技をイメージされる方も多いと思いますが、日本が出場権を得ているのは、オリンピックでは「男子シングルスカル」と「女子軽量級ダブルスカル」の2競技のみ。パラリンピックでも「女子シングスカル」のみと、正直にいって世界との差は歴然としています。だからこそ現地で応援したかったんだけどなー(元ボート競技経験者)。


ちきしょー。