日曜日18時の話

さくらももこさんの皮肉が効いているのに暖かくて優しい感じが私には時折必要になります。日曜日、18時。毎週始まるあの子たちの日常、ちびまる子ちゃんには特に思い入れがあります。心に残ってる回がいくつもあるんです。月火水木金と、学校へ行き、土日はすぐ終わる。やっと宿題を終わらせたような時刻に、月曜日がやってくる憂鬱さを抱えた家族と、リビングで見ているちびまる子ちゃんは今思えば幸せの具現化のような時間で、宝物でしたね。毎週似たような時間はやってきても、二度とその形には戻れなくて、もう少し大事にすべきであったなども思う反面、大事にしすぎてしまってはこの美しさをこの形で私の胸に残すことは出来なかったのでしょう。
そんな中でも強く印象に残ってるのは、何で見たのか、まるちゃんとたまちゃんがタイムカプセルを埋める約束をした日のエピソードです。古い映像だったので、再放送かなにかだったのだと思います。全ての描写が切なくて、愛おしくて、幼いながらに共感を覚えました。多分こんなに印象深いのは、どちらの感情も経験したことがあったからです。私には小学校一年生からの、もう半生以上付き合いのある友人がいます。いわゆる幼なじみというのか、家も近所で、今でも定期的に会うほど仲がいいです。でも、小学校3年生のある日、喧嘩をしてしまいました。きっかけは双方覚えていないほど些細なものであったように思いますが、そこから小学校卒業まで口を聞くことはありませんでした。そんな喧嘩をした直後に見たエピソードだったからなのかも知れません。私の中で、まるちゃんとたまちゃんはとてもなかよしで、いつも一緒で、喧嘩をしている印象はなかったのですが、二人程の仲良しでもすれ違いで喧嘩することもあるんだと、それが印象的だったのだと思います。大人になってからも、あの回への特別感は消えず、ふと思い出すことがあります。ちびまる子ちゃんだけでなく、コジコジも時折見たりします。真っ直ぐなまでのあたたかい皮肉は、誰の心にもあるような気がします。あまり、言葉できるタイプではない私の毒気はコジコジによって消化されることが多いです。今、YouTubeのコジコジの公式チャンネルから全話見られるので是非とも見てほしいですね。ファンタジーな世界観でとても可愛いし、癒されます。心にコジコジを置いておけばだいたい強くなれます。
今では日曜日の、あの子たちが待ってる時間に、家にいられることが少なくなりました。ありがたいことに、自分の好きなことをさせてもらって、充実した日々を送れているからです。それでも、あの日々を愛おしく感じ、戻りたくなる瞬間があります。今と変わらないはずのリビングで、日曜日夕方18時、あの子たちの日常を愛しい家族と覗く日々が。