『マナイズム・レクイエム ~Miserable Deamon~』 予告


“憐れな魔王が望むは自身の終焉——では、問おう。汝こそ我が花嫁なりや?”

改暦2100年。人類は死という事象の恐怖に怯えていた。

本来、死とは事象。目に見えぬ死神の鎌であり、それらは平等に人間の首を刈る。
しかし、1000年前に通称・『デーモン』という新たな死が顕現したことで死の形は歪められていく。

なにせ、人類が恐れた死は人としての形を成していたのだから。
時には人として、時には人ならざるものとして。
然し、死が形を成して歩くことに変わりはない。

故に人類は『デーモン』を討つべく、『魔王討伐』を開始するも、未だに『デーモン』を討てずにいる。

一方、『デーモン』と渾名された男——シック・ディスコードはただ延々と自身を殺そうとする者達から手から逃れるが、彼もまた“病”を抱えていた。

虚無と死への憧憬。そしてもう1つ彼が永遠に理解出来ぬである愛という病。
加えて、死という万象ゆえに死ねないその身を引き摺って、彼は今日も世界に生かされる。

しかし、ある少女——ルタ・エーデルシュタインと出会うことで彼の終焉おわりはやってくる。

「なら、お前を愛して殺してあげる」

その一言に交差する思惑と死への憧憬と、罪からの解放を求む救済の手。
それをルタが手に取った瞬間、彼女もまた運命から花嫁いけにえであることを強要される。

はたして、ルタの思惑とはなにか。
そして、シックの抱えた“病”とはなにか。彼の死への切望に隠された裏とはなにか。

これらが暴かれるとき、死という事象を元に戻すべく神が降臨する。
同時に、シックが『デーモン』と化した断罪者との過去、シックが未だ人間であった頃の記憶が明かされるのだ。

宣言しよう。これは救済劇ではない、魔王が定めた自身の末路。
なにより、花嫁いけにえたる彼女が望んだ楽園。


「再度問おう、汝こそ我が花嫁いけにえなりや? であるならば、汝こそ我が生贄に相応しい」


その宣告と共に、1000年前に交わされた2人の男女の約束もおわりを成す。

これこそ、魔王の終焉。
死ねず病を抱えた憐れなまおうへ手向けた花嫁サクリファイスとの物語である。




どうも皆様こんばんは、織坂一です。
今回、『マナイズム・レクイエム ~Allrgory Massiah~』の連載も無事終了しまして、次回作である『マナイズム・レクイエム ~Miserable Deamon~』の予告を書かせていただきました。

あまり長くても読む気が失せるので、まぁ大体はこんな感じといった話です。

要約すると、今回の主人公であるシック・ディスコードは『デーモン』と恐れられる存在です。
しかし、彼は自身の運命を自分で選べず、死ぬことも出来ません。

ただ、彼が人間を蹂躙した以上は、彼に平穏かつ贖いなどない世界で生きれる権利など当然なく。失意の底に墜ちたシックをある少女が救うといった話です。

この作品は『終焉』というワードが結構鍵でして、この単語のとらえ方次第で話は変わってきます。

なので、シックが望む『終焉』とは如何なるものなのかを楽しんでいただければと思います。

また、恋愛要素を含んでおりますので、シックとヒロインであるルタの恋の行方にも期待をしていただけると嬉しいです。

では、今回はこの辺りで失礼します。

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