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#7:まだまだ人類は無力な面をたくさん残している

まだまだ人類は無力な面をたくさん残している

この言葉は、
2019年に「リチウムイオン電池の開発」によりノーベル化学賞を受賞された吉野 彰さんのメッセージの一節だ。

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 文化勲章受章に際して公表された

肖像写真

この部分だけを抜き出しても、
吉野彰さんの真意は伝わらないと思うので、
メッセージの全文を引用し、ご紹介したいと思います。

【引用元】
文部科学省HP
https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/mext_00030.html

_引用_
吉野彰さんからのメッセージ
 皆様こんにちは。吉野です。新型コロナウイルスの問題で困難な日々を過ごされていると思います。
 今回の新型ウイルスの問題は教育現場、研究現場にも大きな影響を及ぼしております。一部では授業、講義が再開されているとはいえ、園児・児童の皆さん、生徒さん、学生さん、大学院生の方々および保護者の皆様はこれから先のことに非常に不安を感じておられると思います。少しでもその不安を和らげることができればということで私の思いをお伝えしたいと思います。
 まだ今回の出来事を総括する時期ではありませんが、一つ確実に言えるのはまだまだ人類は無力な面をたくさん残しているということです。これは文系、理系を問わず人類が解決しなければならない課題が山積していることを再認識させられたということかと思います。これらの課題を実際に解決していくのはこれからです。そして、その原動力になるのは若い皆さん方だと思います。
 学習、勉強、研究の遅れなどで不安に思われているかも知れませんが、逆に天から大きな使命を与えられたと捉えてください。それをモチベーションにして頑張っていただきたいと思います。力強いモチベーションがあれば、どんな困難も乗り越えることができます。
 私のリチウムイオン電池での経験を一つご紹介しましょう。苦労して何とかリチウムイオン電池を世の中に出したのは1990年の初めでした。でもしばらくは全く売れずに先が一向に見えなくなりました。しかし、小型軽量な二次電池が人類にとって必要とされる時代が必ず到来すると信じ、それをモチベーションとすることでさらなる小型化・効率化に向けた研究を続けていたところ、ある日突然の如く売れ出したのです。IT革命が始まり、リチウムイオン電池は一躍、携帯電話を始めとしたさまざまな機器に不可欠な存在となりました。1995年のことでした。
 もう一度繰り返します。力強いモチベーションがあれば、どんな困難も乗り越えることができます。
 これが私からのメッセージです。
_引用終わり_

吉野 彰さんはこのメッセージを、
文部科学省宛に主に学生の皆さまなどこれから社会に出られる若い方々に向けて発信されたそうです。

僕が印象に残ったのは、
ノーベル化学賞を受賞された方であっても、
化学の一分野を極めた方であっても、
真理の前にとても謙虚であることでした。

「まだまだ人類は無力な面をたくさん残している」
というと人類は無力だと言っているように一見思える。

だけど、その裏には、
まだまだ僕たちには可能性が残されていて、
課題を克服して、困難を乗り越える力がある。
という前向きで、これから希望を持って生きることの大切さを教えてくれているように思う。

困難な日々の中でも、
もし、「天から大きな使命を与えられた」
と捉えられたなら、
今、僕たちはどう思い、生きるべきだろうか。

人は奪い合うこともできる
人は争い合うこともできる

けれども、
分かち合うこともできる
互いの違いを認め合い、助け合うこともできる

同じ人間の行いであっても、
原因となる想いのエネルギーがどちらを向いているかで、
現象として現れる結果も全然変わってくるのだと思う。
この地球の未来も。

今起きていることが、
僕たちは地球に生きる大きな1つの家族なんだ。
と捉えるきっかけになったらいいなと思う。

WE ARE THE ONE BIG EARTH FAMILY.

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