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《有料、冒頭試読》【73年考察/(5)「完全試合とノーヒットノーラン」の歴史】

(写真 左から完全試合を達成した八木沢荘六、佐々木朗希、ノーヒットノーラン達成した成田文男)

(5)(投手編)「完全試合と無安打無得点」の考察

 投手記録の初めは、投手の勲章である完全試合とノーヒットノーランの63年球団史からスタートする。
 2022(令和4)年に佐々木朗希が完全試合を達成して脚光を浴びたが、球団史上、初めてノーヒットノーランを達成したのが、球団創設20年目の成田文男だった。その4年後、八木沢荘六が完全試合を達成。佐々木はそれ以来の記録となった。
 また、オリオンズ時代は12球団で唯一ノーヒットノーランを許していない最後の球団だったが、1978(昭和53)年に阪急今井に完全試合を許してその記録も途絶えた。現在は3度(完全は1度)許しているが楽天の2度に次ぐ少なさである。
 その他、コールドゲームとなった試合や延長で逸した試合、また惜しくも大記録を逃した1安打ピッチングも紹介する。

【完全試合達成投手】

◆八木沢荘六
1973(昭和48)年10月10日・太平洋後期12回戦(宮城)
<投球数:94球、奪三振:6、内野ゴロ:7 内野フライ:3 外野フライ:11>
 金田監督が歯痛のため、この仙台遠征を見送り。高木公男二軍監督が指揮を執った。本来は村田兆治が先発予定だったが首痛で回避。急遽、八木沢が5回の予定で先発マウンドに上がった。
 八木沢らしい打たせて取るピッチングで好投。5回降板予定だったがそのまま続投。9回まで一人の走者を許さない好投。27人目の打者・代打レポーズのフライをレフトのアルトマンが捕球して完全試合を達成した。
◇記録
・3ボールまで一度もいかなかった唯一の完全試合
・完全試合…13人目13度目、パ・リーグ…6人目6度目、ノーヒットノーラン…60回目49人目

◆佐々木朗希
2022(令和4)年4月10日・オリックス3回戦(ZOZOマリン)
<投球数:105球、奪三振:19、内野ゴロ:5、 内野フライ:1、 外野フライ:2>
 3年目の佐々木は開幕から好調。開幕から2度の先発試合で全てのイニングで三振を奪い、前年から続く連続イニング奪三振を25と伸ばして、この試合の先発マウンドに上がった。
 初回に1点の援護を受けると、2回以降は三振のヤマ。初回の3アウト目から2回、3回、4回、5回と全て三振に仕留め、13者連続奪三振の日本記録達成。その後も毎回三振を奪う。6回裏にマスクを被るルーキー松川のタイムリーなどで5点の追加援護を受けるとさらに加速。終盤も毎回三振を奪い、完璧なピッチングで完全試合を達成した。

◇記録
・13者連続奪三振 ※日本記録
・1試合19奪三振 ※日本タイ記録
・21世紀及び令和初の完全試合
・完全試合では初の毎回奪三振。
・21世紀生まれ初のノーヒットノーラン
・NPB史上最年少の完全試合(20歳5ヶ月)
・プロ初完投・初完封の完全試合は初
・20歳5ヶ月の佐々木朗と18歳5ヶ月の松川虎生捕手の合計年齢38歳330日は「プロ野球における完全試合を達成したピッチャーとキャッチャーの最年少(合計年齢)」
・完全試合…16人目、16度目、パ・リーグ8人目、8度目、ノーヒットノーラン…94回目83人目

【ノーヒットノーラン達成投手】

◆成田 文男
1969(昭和44)年8月16日・阪急14回戦(西宮)〇1-0
<投球数:、打者:30、四死球:3、三振:10>
 1969(昭和44)年、球団史に新しい歴史が刻まれた。8月16日の阪急14回戦に先発した成田は2回表に西田の先制打で挙げた1点を死守。3四球の走者を許したものの、最後まで好投し、球団初のノーヒットノーランを記録した。
 プロ野球史上50回目、41人目、パ・リーグ11人目の達成者だった。

【コールドゲームのノーヒットノーラン ※参考記録】

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