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《有料・冒頭試読》【マリーンズ略史 92~05/-13- 2003年 9月快進撃も4位、山本監督辞任】

(写真 最終戦後、スタンドに向けお詫びする山本功児監督)


(13)終盤に先発安定、快進撃も4位で山本監督辞任

【2003年スローガン『Ambition For Victory(勝利への執念)』】

【開幕前評価】

 オフはマリーンズがマスコミを賑わせた。不振に終わったボーリックに代わり、リック・ショートを獲得し、さらに93年から00年まで横浜に在籍し、7年3割超え、通算打率.325、首位打者、2度の打点王を獲得したロバート・ローズが2年ぶりに復帰したのがマリーンズだったからだ。山本監督がオフに渡米し、直接現状の力を確認し、本人を口説いて契約に持ち込んだ。
 2年のブランクが心配されたが、キャンプに入るとミート力、打球の鋭さは段違いだった。続々と訪れる評論家からも「変わっていない打撃力」を認め、山本監督も4番を明言するなど期待が高まった。しかし、キャンプ中盤に「野球に対する情熱がなくなった」と緊急帰国し退団する騒動が発生した。実際には家族の「アメリカへのホームシック」が実情だった様だが…。
 外国人は残留したメイと新たに入団したショートとなったが、球団側は急遽もう一人の外国人を獲得、開幕後に合流したのはホセ・フェルナンデスだった。
 投手陣は昨シーズンを棒に振った黒木に復帰のメドが立っていなかったが、先発はミンチー、小野、清水直、加藤にオープン戦で好投したベテラン左腕の高木が入り、藤田、小林宏、シコースキー、川井、小林雅と盤石のリリーフ陣が控えるだけに充実しつつある投手力の評価は高かった。
 山本監督5年目のシーズンは 背水の陣で挑む。
◆オープン戦成績 14試合6勝6敗2分(.500)

【4月 12勝13敗】

 開幕は3月28日、福岡ドームでのダイエー3連戦。開幕マウンドには2年連続となるミンチーが上がったが5回6失点KО、ショート1号などで追い上げも3-7で黒星発進した。しかし翌2回戦は清水直が7回零封、川井、小林雅と完封リレーで2-0で勝利し、今シーズン初勝利を挙げた。
 3回戦に敗れて1勝2敗で本拠地に日本ハムを迎えて本拠地開幕2連戦。しかし小野、加藤で連敗を喫して3連敗を喫する。それでも5日からのオリックス2連戦(神戸)に連勝、7日からの近鉄2連戦(千葉マリン)初戦に勝利して3連勝、翌2回戦は敗れたものの、続く12日からの西武2連戦(西武D)に連勝して貯金生活に入った。
 ところが14日からのダイエー3連戦(千葉マリン)に3連敗、18日のオリックス3回戦(千葉マリン)にも敗れ4連敗を喫したが、この試合から新外国人のフェルナンデスが合流。福浦、メイ、フェルナンデス、ショートのクリーンアップがデビューした。早速、翌4回戦でフェルナンデスが1号を放つと福浦も2号。5回戦ではメイが5号を放ち連勝。22日からの近鉄2連戦(大阪D)ではショートが4号、5号と2試合連発、高木の今シーズンチーム初となる完封勝利とミンチーの2勝目を打線が援護し4連勝をマークと連敗と連勝を繰り返す。この後、25日からの西武3連戦(千葉マリン)、28日からの日本ハム3連戦(東京D)をともに1勝2敗と負け越して4月を終えた。
 結局、4月は12勝13敗で4位ながら、6球団が4.5ゲーム差の中にひしめいた。

【5月 10勝14敗/22勝27敗】

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