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《有料・冒頭試読》【マリーンズ略史 92~05/-04- 1994年 3年目八木沢途中休養】

(写真 1994年ファンブック表紙 主力選手 上段左から初芝清、小宮山悟、愛甲猛、伊良部秀輝、下段左から河本育之、堀幸一、前田幸長、メル・ホール)


(4)八木沢監督休養、2年連続5位に終わる

【1994年スローガン『激闘』】

【開幕前評価】

 前年、最下位を脱出し順位は5位で終えたものの、敗戦数、借金数とも移転1年目を超えた結果となった。
 ただ、明るい兆しも多かった。投手陣では終盤に伊良部が結果を出し一本立ちのメドが立った。先発は小宮山、伊良部に前田、園川の両左腕が柱となる。抑えは河本に加え、成本もリリーフの一枚となり、今シーズンは「Wストッパー」がフル回転する。ドラフトでは即戦力右腕の加藤高康に期待が高まる。
 また、今シーズンから外国人選手の出場選手枠が広がる。これまでポジションに関わらず出場可能は2人だったが、投手と野手合わせて3人(但し投手、野手同時は2人まで)となった。これに合わせ、投手1人、野手3人と契約し、投手にはハートリーが加わった。
 打線では助っ人ホールが昨シーズン、マリーンズとして初めて30本塁打を記録。3割には届かなかったものの打率も.296とリーグ5位、盗塁もチームトップとなる21盗塁を記録し、打線の中心として今シーズンも期待が高まる。新助っ人ミューレンにも期待されるが、もう一人の助っ人モトリーがファームで首位打者、本塁打の2冠を達成。一軍の座を今シーズンは狙う。
 ベテランの愛甲、西村、中堅の初芝、堀、平井に加え、ベテランの宇野に中日、西武で3割を記録したベテラン平野謙が加わり厚みを増した。移転3年目、上位に進出に向けて開幕を迎えた。

【4月 8勝10敗】

 開幕は9日、東京ドームの日本ハム戦。開幕投手は4年連続で小宮山が上がった。中盤までリードも小宮山が5回に崩れ6失点KОされて4-8で黒星発進。続く2戦目は伊良部を立て初回に1点を失ったものの2回以降は零封と好投。しかし打線が沈黙し0-1で連敗スタートとなった。
 13日藤井寺に移動して近鉄の2連戦(12日は中止)。1回戦は前田で敗れたものの、2回戦は打ち合いとなったが9-8で逃げ切り、リリーフ河本初勝利、ハートリー初セーブで今シーズン初勝利を挙げた。
 15日は千葉マリンでの本拠地開幕オリックス3連戦。初戦は開幕で捕まった小宮山が好投して2年ぶりの完封勝利。2回戦は敗れたものの、3回戦は打線が爆発。先発全員安打の18安打、12得点。園川‐成本のリレーで成本がプロ初セーブを記録した。
 続く19日からのオリックス3連戦(神戸)は3連敗を喫するものの、続く22日からの日本ハム3連戦(千葉マリン)は3連勝で取り返す。この後西武3連戦(西武)、5月1日までのオリックス3連戦ともに1勝2敗で負け越し4月は借金3で踏ん張る。混戦模様の中、首位とは3.5ゲーム差の4位につけた。

【5月 11勝13敗/19勝23敗】

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